『Chronoscript: The Endless End』2026年秋にPS5とWindows PC向けに発売
吸血鬼が書き終えられない物語の中へ編集者を送り込み、悪魔的な怪物と戦わせるアクションアドベンチャー『Chronoscript: The Endless End』が、2026年秋にPS5とWindows PC向けに発売されます。DeskWorksが開発する本作は、手描きの2Dイラストと3D表現を組み合わせた独特のビジュアルに加え、Hollow Knightを思わせる探索、戦闘、ボス戦を特徴としています。海外メディアによる20分間のオンライン発表と試遊では、強い個性を持つ世界観だけでなく、敵の動きを見極めて再挑戦するゲーム性も披露されました。
編集者が吸血鬼の未完原稿を歩く物語
プレイヤーが操作するのは、著名な編集者のFrederick G. Mullerです。新たな仕事を引き受けた彼は、やがて人里離れた不気味な屋敷へたどり着きます。そこに住む吸血鬼の女性Viola S. Chambersは、文字どおり長い年月をかけて物語を書き続けてきました。しかし、不死の存在である彼女にも原稿を完成させることはできず、編集の助けを得るため、Frederickを自分の未完の物語の中へ転送します。
Frederickは、Violaが書いた世界を歩きながら、作品を完成へ導くためにさまざまな怪物と戦うことになります。編集者が原稿を確認するのではなく、未完成の物語そのものへ入り込んで進むという設定が、本作の探索構造と直結しています。発表では、物語の中に閉じ込められたFrederickが、雇い主の原稿を整理するために命がけの冒険を強いられる、という構図が示されました。
手描きのページと3D空間を組み合わせた画面
本作でもっとも目を引くのは、インクで描かれたような手描きの2Dアートです。画面全体は暗く重厚な雰囲気に包まれ、書棚やシャンデリア、梯子、柱、巻物などの細部まで描き込まれています。Frederickは2Dのメトロイドヴァニア風マップを進みますが、画面の周辺には3Dのペン、インク瓶、羽根ペンなどが配置され、視点を引くと3DのViolaが未完成の原稿に向かって作業している様子も確認できます。
2Dの線画に3D表現を重ねる構成は、要素同士が衝突してしまう可能性もあります。しかし試遊時の印象では、両者は予想以上に一体感を持っていたと原文筆者は伝えています。ページそのものが立体的な物体として扱われているため、別のページへ移動すると画面にわずかな変化が生じます。Frederickは単に部屋から部屋へ進むのではなく、ページからページへ歩いているように見える仕組みです。
画面内には小さな金色のページ番号も表示されます。目立つ要素ではないものの、ページを単位として構成された世界の中で現在地を把握する手がかりになります。大量の本や家具をすべて固有の絵として用意するのではなく、同じ素材を前景や背景、影の中、別のオブジェクトの後ろなどに配置し直すことで、各ページを異なるコラージュとして見せている点も特徴です。
一方で、木製の梯子には細かな表示上の違和感が残ると原文筆者は指摘しています。折れた段や側面の欠けた部分が周囲のオブジェクトと重なり、意図しない位置に本が置かれているように見える場面があるとのことです。ただし、これは全体のビジュアルに対する小さな留保であり、手描きの世界と3D空間を融合させたデザインそのものは高く評価されています。
探索と戦闘はHollow Knightを意識した作り
ゲームプレイは、2Dの探索型アクションとして構成されています。足場を飛び移り、トゲの穴や落下してくる岩を避けながら進み、道中では多数の虫型の敵と戦います。ダメージを受けた状態から回復できるベンチも用意されており、探索の途中で態勢を立て直せます。開発者は発表の中でHollow Knightへの強い敬意を明らかにしており、移動、敵との戦闘、エリアを進んだ先で待ち受けるボス戦には、その影響がはっきり表れているとされています。
ボス戦では、剣による素早い斬撃に加え、ジャンプやダッシュを使って攻撃を避けながら戦います。原文筆者は、最初のボスであるObsessive Bookwormについて、動きを観察し、いったん倒され、再挑戦しなければ勝てなかったと報告しています。序盤のボスとしてはHollow Knightの方が難しかったものの、本作のボスも攻撃パターンを理解しなければ突破できない設計だったとのことです。その動きはHollow Knight: Silksongに登場するBell Beastを思わせるものだったと紹介されています。
別の試遊セクションでは、より終盤に登場するボスも体験できました。この敵はトゲの付いた棺のような身体を持ち、Frederickを内部へ吸い込む能力を使います。単純に距離を取って攻撃するだけでは対処しにくい相手ですが、試遊では新たな「インクダイブ」能力が使用可能でした。インクの染みへ潜り込むことで、吸い込みを仕掛ける恐ろしい敵を回避できます。ボスごとに攻撃を見極め、獲得した能力を使い分ける必要があることが示されています。
独自の美術と王道アクションの両立
原文筆者は、手描きアート、Hollow Knight系のアクション、書物、吸血鬼といった要素に個人的な関心があるため、本作に強く惹かれやすい立場だとしつつも、魅力はそれだけではないと述べています。2Dの絵を3Dのページ空間に配置する設計は、単なる装飾ではなく、移動や世界の見え方そのものに関わっています。
一方で、今回の試遊で確認できた範囲では、ゲームプレイの基本部分に完全な新規性があるわけではありません。探索、足場移動、近接攻撃、回復地点、ボス戦という構成には既存のメトロイドヴァニア作品と共通する部分があります。それでも、インクで描かれたページを実際に歩く感覚と、ページごとに異なるコラージュのような背景が、既存の仕組みに独自の見た目と手触りを与えています。
今回の体験で残された大きな疑問は、物語を書き終えられないViolaが、果たして魅力的なストーリーテラーなのかという点です。作品の完成度や物語の内容は製品版まで待つ必要がありますが、発表と試遊では、独創的な世界観と手応えのある戦闘の両方が示されました。本作は2026年秋にPS5およびWindows PCで発売される予定です。