『Graveyard Keeper 2』は物語と自動化を広げる一方、進行を阻む不具合も抱える
2026年09月15日 | #レビュー | DualShockers
墓場の管理とダークな物語を組み合わせたインディーゲームの続編は、前作の要素を引き継ぎながら、戦闘や自動化を大きく拡張しています。特に、町をゾンビの脅威から取り戻す戦いと、地下設備を使った資源運搬は、本作ならではの新たな柱です。一方で、説明不足の進行システムや、主要な機能を使えなくする不具合もあり、プレイ時間が長くなるほどストレスが積み重なります。
前作を引き継いだ墓場運営と新たな役割
本作は前作の物語の直後から始まる続編ですが、前作を遊んでいなくても内容を把握できるように作られています。序盤のプレイを通じて過去の出来事が少しずつ説明されるため、シリーズ未経験者でも世界観に入りやすい構成です。ただし、前作を知っているプレイヤーに向けた謎も多く、過去作を遊んでいる場合には別の角度から物語を楽しめます。
プレイヤーは引き続き墓守として墓場を管理しますが、今回はそれだけが役割ではありません。物語の序盤で新たに「異端審問官」の立場を担うことになり、町を脅かすゾンビの群れへの対処や、さまざまな問題の解決まで任されます。墓場の整備、資源の調達、住民から依頼される仕事、そしてゾンビとの戦いを並行して進める必要があり、前作以上に管理対象が増えています。
一定の日には町の一部を奪還する戦闘に挑めます。傭兵を雇って戦わせることも、自分でゾンビ兵士の部隊を編成することも可能です。戦闘は敵の波をしのぎながらマップ上の拠点を制圧する形式で、味方を特定の区域へ向かわせて占領させます。部隊の人数が多いほど制圧は早くなるため、どの兵士を用意し、どの場所へ投入するかが重要になります。
この戦闘システムは、本作の物語や墓場運営とは異なるゲームプレイを加えています。ただし、戦闘を始めるには一定の防護レベルが必要で、準備が整う前に試しに挑戦することはできません。原文筆者は、この制限を旧来型の設計思想が表れた部分として挙げており、ゲームの規模が大きくなったことで、そうした制約が足かせにもなっていると見ています。
地下施設による自動化と成長要素
本作では自動化の比重も高まっています。ゲームを進めると地下に設備を建設でき、ベルトコンベアを使って資源や完成品を必要な場所へ運べるようになります。手作業で各施設を回る負担を減らせる仕組みですが、利用できるようになるまでには相応の進行が必要です。序盤からすぐに効率化できるわけではなく、まずはクエストをこなしながら物語を進めることになります。
自動化は本作の魅力的な追加要素のひとつです。墓場の運営や素材の加工を続けていると、扱う品物や施設が増え、すべてを手動で管理することが次第に難しくなります。そこで地下設備を整えることで、資源の流れを自分なりに組み立てられます。単に便利になるだけでなく、どの工程を自動化し、どの作業を自分で担当するかを考える余地があります。
成長システムとしては、パークとインスピレーションが登場します。インスピレーションに関する小さなクエストを達成し、信仰を消費することで、特殊な強化を得たり、特定のスキルレベルを上げたりできます。作業の効率を高める効果があるため、墓場の管理や資源生産を楽にするには重要な要素です。
ただし、高レベルのパークほど必要なコストが大きくなります。限られた信仰をどの強化に使うかは慎重に考えなければなりません。パークは自分だけでなくゾンビにも存在するため、ゾンビをどの役割に割り当てるかによっても効率が変わります。自動化設備とゾンビの能力を組み合わせれば大きな効果を得られますが、適当に選ぶと後から組み直したくなる場面も出てきます。
謎を軸に展開する物語と探索
物語は本作の大きな見どころです。冒頭では主人公が地下室で鎖につながれた状態で目を覚まし、ゾンビの群れから逃れるために町の外へ脱出しようとします。その過程で、話す頭蓋骨の友人ラリーが状況を解明する手がかりを示します。主人公が何者なのか、なぜゾンビの群れが発生したのかが、さまざまな登場人物との交流を通じて少しずつ明らかになります。
ゾンビの発生については、周囲の人物から「別の自分」の仕業だと見なされているという大きな謎が提示されます。前作とのつながりを知っているプレイヤーほど気になる設定であり、続編から始めた場合でも、世界を探索する動機として機能します。登場人物たちはそれぞれ問題を抱えており、依頼をこなすことで関係性や事情が変化していきます。個々のエピソードが互いにつながっている点も、物語を追う楽しさにつながっています。
会話は今回フルボイスに対応しており、必要であれば前作のようなつぶやき中心の音声に戻すこともできます。前作の雰囲気を残したい人と、物語をより直接的に楽しみたい人の両方に向いた仕様です。謎をすぐに説明し切らず、探索の結果として新しい情報を得られる作りも印象的です。
その一方で、進行の手がかりはかなり分かりにくくなっています。クエストは細かく分類されておらず、説明も必要最低限にとどまります。どの人物がメインクエストに関係しているのかを判断する手段も十分ではないため、次に何をすべきか分からないまま、町や周辺を歩き回る時間が発生します。これはプレイヤー自身に発見を委ねる設計ともいえますが、ゲームの規模を考えると、単なる探索の楽しさだけでは済まない場面もあります。
原文筆者は、クエストの進行をいったん止めて探索に集中したところ、隠された要素の解放につながったと説明しています。その後は複数の要素が連鎖的に開き、進行が一気に加速したとのことです。必要なものを自力で見つけたときの達成感は本作の強みであり、何度か行き詰まった末に突破口を見つける体験が、ゲーム全体の核になっています。
長時間プレイで目立つ不親切さと不具合
本作は、現代のゲームとしてはかなり旧来型の設計を採用しています。システムの説明が少なく、プレイヤーが素材や施設、人物の関係を自分で記録しながら進める必要があります。登場する部屋や通路、購入・加工できる素材の数も多いため、必要なものと別のアイテムを取り違えやすくなっています。序盤は発見の余地として受け止められても、プレイ時間が延びるほど管理の負担が強くなります。
この不親切さはクエストにも及びます。目的地や関連人物が明確に示されないため、手がかりを得るために複数の場所を訪れ、関係がありそうな人物へ順番に話しかけることになります。探索そのものを楽しめるプレイヤーには魅力ですが、物語を先へ進めたいときには、偶然の発見を待つような感覚になりがちです。原文筆者は、こうした設計がゲームの個性を生む一方で、作品の後半では負担として積み重なったと評価しています。
さらに深刻なのが、コア機能に影響する不具合です。一部の場所ではゾンビ運搬役が正常に動作しません。特に家の台所では、完成したアイテムをチェストへ運ぶはずの運搬役が立ち上がったまま停止し、荷物を運べなくなるケースが繰り返し発生したとされています。設備を整えて大量のアイテムを生産するはずの区域が機能しなくなるため、自動化を重視する本作では影響が大きい問題です。
戦闘中にも、ゾンビが地形などに引っかかって動けなくなる不具合が確認されています。敵の攻撃を受けても反撃せず、その場に立ち尽くすことがあり、部隊の一部が戦力として機能しなくなります。町の奪還戦では味方の人数や配置が重要になるため、戦闘の要となる兵士が動かない問題は、単なる見た目の不具合とはいえません。
このほかにも小さな不具合が発生し、長時間のプレイではそれぞれの不便さが大きなストレスへ変わっていきます。原文筆者は当初、一時的な不具合だと思っていたものの、プレイ中に何度も同じ問題が起きたとしています。今後の修正が期待される部分ですが、少なくとも確認時点では、自動化と戦闘という主要システムの両方に支障が出ていました。
続編としての完成度と残された課題
本作は、前作の墓場運営を土台に、物語、戦闘、自動化、パークといった要素を広げた続編です。特に、登場人物の物語を追いながら探索し、発見をきっかけに複数のシステムが連鎖的に開いていく構成は、長時間遊ぶ理由になります。フルボイス化された会話や、前作を知るプレイヤーほど深く楽しめる謎も、作品の魅力を支えています。
一方で、説明不足のクエスト、戦闘開始までの制限、増え続ける素材や施設の管理など、旧来型の設計が後半に向かうほど重く感じられます。そこへ運搬ゾンビや戦闘部隊の不具合が加わり、せっかく用意された自動化と戦闘の魅力を損なう場面もあります。
それでも原文筆者は、重大な欠点を抱えながらも、続編としては非常に優れた作品だと評価しています。ダークな雰囲気の中で墓場を管理し、謎を追いながら町とゾンビをめぐる問題に関わっていくゲームを求める人にとって、本作は多くの要素を提供します。快適さや分かりやすさよりも、自分で情報を整理し、行き詰まりを探索で乗り越える体験を重視するプレイヤー向けの作品です。