『Fire Emblem: Fortune's Weave』が往年の魅力と現代的な遊びやすさを両立
『Fire Emblem: Fortune's Weave』は、Fire Emblem Engageを思わせる個人スキルや、ファイアーエムブレム 風花雪月のような交流要素を備えながら、シリーズ初期からゲームボーイアドバンス時代にかけての手触りを強く受け継いだ作品です。原文筆者は、過去作への目配せを単なる懐古に終わらせず、現代のプレイヤーにも合う形へ組み直している点を高く評価しています。シリーズが長年試してきた要素を整理し、ようやく古典的なシステムと新しい期待を無理なく調和させた作品だとしています。
シリーズの過去作を進化させた交流システム
本作では、すべてのキャラクターが多数の相手と支援会話を交わし、誰とでも恋愛できるような構造が見直されています。原文筆者によれば、各キャラクターに用意される支援会話は、同僚や家族、ライバル、あるいは性格の強い者同士の衝突など、その人物にとって本当に意味のある関係に絞られているとのことです。
これは、ファイアーエムブレム ifやファイアーエムブレム 風花雪月のように、多くの組み合わせから魅力的な関係が生まれる仕組みを否定するものではありません。一方で、原文筆者は一部の組み合わせについて、過去作で支援会話が薄かった反動のように、関係性や恋愛要素が過剰に広げられていたと見ています。本作では恋愛も要素の1つではあるものの、物語の中心が恋愛や、時を越えて登場する子どもたちに限定されるわけではないと説明しています。
この設計によって、キャラクターの人生をすべて説明するのではなく、物語に関係する部分だけを深く描けるようになっています。原文筆者は、登場場面が限られるNuzzuoを例に挙げ、支援会話の相手が1人だけであっても、その会話に厚みがあることで人物像が大きく広がるとしています。誰とでも会話できる仕組みではなく、限られた関係だからこそ、支援会話が設定の説明ではなく、キャラクターの物語として機能しているという評価です。
地下世界の物語とアンデッドの存在感
地下世界をめぐる展開も、本作の特徴として取り上げられています。アンデッドの軍勢や邪悪な地下世界の支配者はシリーズで珍しい題材ではありませんが、原文筆者は、これまでの作品では物語上の存在感が薄く、登場人物との結び付きが感じにくい場合が多かったと指摘しています。
その例外として挙げられているのが、2004年のファイアーエムブレム 聖魔の光石です。同作では異世界や死者の要素に人物の感情や個性が結び付いていました。本作も同様に、地下世界を単なる敵の出現場所として扱わず、数百年前のSothisの到来にまでさかのぼる、ねじれた家族のドラマとして描いているとのことです。原文筆者は、この設定によって地下世界に関する筋書きが大きく引き上げられていると評価しています。
さらに、アンデッドの敵には固有の特殊能力が与えられています。これは、ファイアーエムブレム 聖魔の光石で骸骨の軍勢に立ち向かった際に感じられたはずの危険を、ゲームシステムとして再現する要素です。原文筆者は、同作では特に巨大なゾンビドラゴンが登場する場面でしか得られなかったような脅威が、本作ではアンデッドとの戦い全体に広がっているとしています。
霧の中で敵の行動を読む新たな緊張感
視界が制限される「霧」のマップも、過去作を思わせながら独自の手応えを備えています。ファイアーエムブレム 風花雪月やファイアーエムブレム エンゲージにも限定的な視界のマップは存在しましたが、原文筆者は、「Blazing Blade」の「Battle before Dawn」や、ファイアーエムブレム 暁の女神の難度の高いマップほど印象的な緊張感はなかったと述べています。
本作の霧マップでは、小規模な遭遇戦であっても危険が明確に感じられるとのことです。敵は味方の弱点を突ける対象を探し、複数で取り囲むように行動します。そのため、敵がどこにいるのか、どのような武器や能力を持っているのか分からない状態そのものが、大きな脅威になります。単に見えないだけではなく、敵の判断力と攻撃の苛烈さが組み合わさることで、霧の向こうを確認する行為に意味が生まれています。
視界制限が難しすぎる場合に備え、視認範囲を補う加護も用意されています。ただし、原文筆者が注目しているのは救済措置だけではありません。敵を発見すると、その敵は1ターン混乱し、反撃できなくなります。さらに、混乱した敵を攻撃すると追加の強化効果を得られるアクセサリーも存在します。加護で視界を広げ、集団を一斉に混乱させ、その隙に攻め込むという流れが成立するため、霧のマップは過去作よりも多くの判断を求める仕組みになっています。
武器の個性で広がる戦略
武器相性の三すくみと耐久度が廃止されたことは、表面的にはシリーズの伝統を薄め、現代向けに簡略化した変更にも見えます。しかし原文筆者は、これを妥協ではなく、長く待たれていた改善だと捉えています。武器の特徴を兵種ではなく武器そのものに組み込むことで、クラスに戦い方を固定されにくくなるためです。
たとえば、斧は命中率を犠牲にして高い威力を発揮し、剣は追撃時に強くなるといった具合に、武器ごとの性質が戦術を決めます。結果として重要になるのは、どのキャラクターのスキルが選んだ武器と相性がよいか、誰を支援役として隣に置くかという判断です。三すくみや耐久度がなくなっても、武器選びと配置を考える必要がなくなるわけではありません。
むしろ、同じソードマスター、ジェネラル、パラディンを毎回同じように運用するのではなく、キャラクターと武器の組み合わせによって多様な構成を試せるようになっています。原文筆者は、武器の摩耗や、ファイアーエムブレム ifで強力な武器に弱体化効果を付けるといった過去の試行錯誤を経て、Intelligent Systemsが古典的なシステムを現代の環境で機能させる方法を見つけたようだと結論付けています。