『Marvel’s Wolverine』の結末でローガンは記憶を失い、アポカリプスはセイバートゥースを「戦争」に選ぶ
この記事では『Marvel’s Wolverine』の結末やエンドロール後の場面に触れます。ゲームが明かすローガンの過去、ジーンとの関係、そして続編につながるアポカリプスの計画を解説します。
アポカリプスが変えたローガンの過去
2009年のX-Men Origins: Wolverine以来、久しぶりにウルヴァリンを主役に据えた本作は、映画の筋書きをなぞるのではなく、Insomniacのスパイダーマン作品と同じ世界を舞台にしたオリジナルストーリーです。ローガンが失われた記憶を取り戻すなかで、コミックにも通じる過去と、この世界独自の設定が明らかになります。
ローガンの本名はジェームズ・「ローガン」・ハウレットです。1800年代から生きており、各地を渡り歩き、戦争に参加し、ときには恋にも落ちてきました。一方で、本作ではウェポンX計画や謎の人物ロムルスとの関係は見られません。ローガンのアダマンチウムの骨格を与えたのは、アポカリプスだったようです。
19世紀のある時期、ローガンはアポカリプスに見いだされ、黙示録の四騎士のひとり「死」に選ばれます。アポカリプスは彼に壊れない金属の爪を与え、邪悪な意志を注ぎ込み、殺戮兵器へと変えました。その後、ローガンは日本の忍者集団ハンドと衝突します。ハンドが崇拝する「獣」はコミックでは実在する存在ですが、本作の世界ではアポカリプスを指しているようです。約100年前、ローガンはハンドの壊滅を命じられ、「シニガミ」の異名を得るとともに、レディ・デスストライクの憎しみを買いました。
20世紀のある時点でローガンはアポカリプスの支配から抜け出します。しかし、その影響は消えず、彼は以来ずっと、自分の暗い一面に飲み込まれないよう戦い続けています。
ジーンとフェニックスが結ぶ運命
本作では、X-MENがまだ存在しない世界で、ジーン・グレイは迫害から逃れるミュータントたちの地下組織に加わっています。ローガンとジーンは、ボリバー・トラスクらの脅威から仲間たちを救おうとするなかで出会います。ローガンは彼女に惹かれ、「レッド」と呼ぶようになります。
さらに物語は、2人が初対面ではなく、何十年にもわたる恋愛の歴史を共有していたと明かします。ローガンは不老に近い存在で、ジーンはフェニックスの力を持ち、死ぬたびに転生します。ジーンが生まれ変わるたび、2人は再び巡り合う運命にあるようです。
コミックのフェニックスは、生命や創造、情熱を象徴する強大な宇宙的存在で、ジーンと結びつくことで彼女の精神能力を大きく高めてきました。一方、作品によってはフェニックスを、ジーンが抑え込んできた暗い一面として描くこともあります。本作がどちらの設定を採用するかは、まだ分かりません。ただ、生命と創造を担うジーンと、アポカリプスの手先として死と破壊を体現するローガンを、引かれ合いながらも引き離される存在として描いているようです。
エセックスとの決戦と、消えた記憶
プロフェッサーXやX-MENがいない本作では、ネイサニエル・エセックスがローガンの導き手となります。エセックスは、ミスティークやセイバートゥースらを含む部隊「チームX」にローガンを招き、ミュータントのための安全な場所を作ろうとします。しかし、ミスター・シニスターの名でも知られる彼は、善意の人物ではありません。
エセックスの狙いは、ヘリックス装置を使って世界中に眠るミュータントの力を目覚めさせることでした。この装置はローガンを「死」に変えたものでもあり、アポカリプスの力を帯びているため、使われた人に危険な影響を与えます。エセックス自身はミュータントではなく、何世紀にもわたってミュータントの遺伝子を集め、自分の体に移植していました。最初の犠牲者は妻だったと明かされます。
また、ローガンの記憶喪失を引き起こしたのもエセックスでした。彼はローガンの暗い一面を目覚めさせ、ジーンを殺させたうえ、その出来事を何度も追体験させて精神を壊したのです。物語の終盤、エセックスはさらに多くのミュータント遺伝子を取り込み、ミスター・シニスターの装甲を身につけます。センチネルの軍団を放ち、ミュータントの力を目覚めさせて支配する計画でした。
ローガンとジーンはセンチネルを止め、ローガンはかつての師エセックスと死闘を繰り広げます。敗北寸前のエセックスは、ローガンに高濃度のヘリックスのエネルギーを浴びせ、「シニガミ」の力を完全に呼び覚まします。殺戮衝動をかろうじて抑えるローガンは、フェニックスの力で自分の心から「死」を焼き払うようジーンに頼みます。ジーンは、その後にローガンの人格が残らないのではと恐れますが、ローガンは「君がいればいい」と伝えます。
ジーンは願いをかなえますが、その結果、ローガンは再び記憶を失います。取り戻すために戦ってきた過去だけでなく、ジーンとの思い出も消えてしまいました。マドリプールのロウタウンでジーンが仲間と復興を始める一方、ローガンは自分の人生の真実を探すために旅立ちます。再会した2人は、また離れ離れになります。
エンドロール後に現れる新たな「戦争」
エンドロール後の場面では、セイバートゥースがマドリプールでの最終決戦を生き延びていたと分かります。謎の声に導かれて人里離れた寺院へ向かった彼の前に、アポカリプスが姿を現します。ローガンは「死」として役目を終えたため、アポカリプスは次の手先に「戦争」を求め、セイバートゥースを選びます。
この場面は、セイバートゥースが続編に戻ることを示しています。続編が『Marvel’s Wolverine 2』になるのか、X-MENを主役にした作品になるのかは分かりませんが、ローガンとヴィクターの対立やアポカリプスの脅威が、今後さらに描かれそうです。
アポカリプスは地球最古級かつ最強クラスのミュータントで、天界人の技術によって力を増し、自分の体の大きさや形を自在に変えられます。コミックでは「飢餓」「疫病」「戦争」「死」の4人の騎士を従え、選んだミュータントを強化して使者とします。アークエンジェル、ガンビット、ウルヴァリンなど、X-MENのメンバーが騎士になったこともあります。
Insomniacの世界では、アポカリプスは一度にひとりの騎士に集中しているようです。長年ローガンを「死」として使ってきた彼は、長い眠りから目覚めようとする今、「戦争」へと目を向けています。続編に向けた不穏な展開です。
ローガンが最後に取り戻す記憶
すべての悪夢の試練をクリアすると、追加ミッションが解放され、ローガンの最後の記憶を見られます。舞台は75年前です。何世紀にもわたるローガンとの歴史を思い出したジーンは、かつて彼をアポカリプスから救うため、「シニガミ」の力を彼の心から焼き払ったと明かします。ローガンはそのときも記憶を失いましたが、ジーンを追い、転生を重ねる彼女を世界各地で見つけ出しました。
この記憶は、ローガンが過去にも記憶を失いながらジーンとの幸せを取り戻したことを示し、続編でも2人が再び引き寄せられる可能性を感じさせます。
一方で、ジーンとローガンの関係にサイクロップスが加わる展開も考えられます。エセックスの計画で力を目覚めさせたミュータントのひとりとして、ジーンが復興を進めるなかでスコット・サマーズと出会うかもしれません。ローガンが不在の間にジーンが新たな相手を見つけたり、ローガンが彼女を探し出す頃にはX-MENに誘われていたりする可能性もあります。これらは今後の展開についての推測です。
プロフェッサーXとX-MENはどこにいるのか
Insomniacのマーベル世界には、ベテランのスパイダーマンやアベンジャーズ、デアデビル、ドクター・ストレンジはいますが、X-MENはいません。今のところ、ミュータント側の主な部隊はローガンとチームXです。
エセックスと仲間たちは、トラスクの資料から、世界中にいるミュータントが約1万人にとどまると知って驚きます。彼らが予想していた数百万には遠く及びません。一方、エセックスの側近ウォルターのように、ミュータント遺伝子を持ちながら能力が現れていない人々もいます。チャールズ・エグゼビアや他のX-MENの候補者も、まだ能力に気づいていない可能性があります。センチネルの襲撃が、彼らにとって力を自覚するきっかけになるかもしれません。すでに強いテレパシー能力を持つチャールズがこの世界にいるとしても、日本での破壊を見て初めて、ミュータントのヒーローチームが必要だと考える可能性があります。
Insomniacは、X-MENの登場に向けて世界を作っているようですが、彼らはまだ姿を見せていません。2023年の情報流出で見つかった資料からは、開発元が3部作を計画しているように見えました。次に『Marvel’s Wolverine』の直接の続編、その後に本格的なX-MEN作品を出す構想です。その計画が現在も変わっていないかは分かりませんが、この世界にX-MENが登場する展開は期待できそうです。