『Tarae: The Unbound』は開発途中の試遊版でも重みのある戦闘が光ります
2026年10月06日 | #レビュー | Eurogamer
『Tarae: The Unbound』の開発途中のバージョンは、斬撃の重みと素早い移動が生む戦闘の楽しさに、確かな期待を抱かせる内容でした。短い試遊だけで作品全体を評価することはできませんが、ARPGの土台はしっかりしています。キャラクター育成の奥深さや、仏教神話に根ざした世界をどこまで楽しめるかが、今後の注目点です。
剣を振るたびに伝わる重み
韓国のスタジオBoundaryが開発し、Kraftonが販売する本作は、斜め見下ろし視点のアクションゲームです。今回の先行試遊は、ドイツ・ケルンで開催されたGamescomで行われました。完成にはまだ遠い段階ながら、ARPGで何より大切な「戦っていて気持ちいい」という感覚を、開発陣が理解していることはすぐに伝わってきます。
試遊版では、特徴の異なる3つのクラスから選択できました。筆者が選んだSamuraiは、敵に接近して暴れることを得意とする近接戦闘型です。回避ロールと上限のあるスタミナゲージ、数本の回復ポーションを頼りに、危険な世界を進んでいきます。
剣を振るたびに、音と映像がずっしりとした手応えを伝えてくれます。なかでも印象的だったのが、敵へ突っ込む突進斬りです。大技を放っても攻撃が軽く感じられると興ざめですが、本作ではアニメーション、視覚効果、効果音がかみ合い、狙いどおりの重さを生んでいます。斬り込むたびに敵から血が飛び散る様子も相まって、攻撃を繰り出すこと自体が楽しくなります。
投げた短剣が移動と攻撃をつなぐ
戦場を素早く移動できることも、ARPGの重要な要素です。本作でその楽しさを支えていたのが、投げ短剣でした。
単なる飛び道具としては特別なものではありませんが、投げた短剣が止まった場所へ、ボタン1つで瞬間移動できます。移動するとキャラクターの周囲に爆発が起き、タイミングを合わせれば近くの敵をまとめて攻撃できます。位置を変える行動が、そのまま攻撃につながる仕組みは魅力的です。
これらのアビリティは、多数のサブスキルで調整できます。試遊版ではすべて解放されていましたが、筆者が試せたのはほんの一部でした。確認できた範囲では、数値を割合で変えたり、小さな修正を加えたりするものが中心です。劇的な変化をもたらすとは限らないものの、ビルドの細部を詰めるうえで、選択肢の多さには興味を引かれます。
序盤のボスでも攻撃の種類は豊富
試遊中に出会った敵は、大きく分けて通常の敵とボスの2種類です。通常の敵は、小型の敵が群れで接近して殴ってきたり、離れた場所から飛び道具を放ったりします。特に難しい相手ではありませんでしたが、少し気を抜くと回復ポーションに手が伸び、慌てて回避を連打する場面もありました。
より面白かったのは、2体のボスです。どちらもゲーム序盤に登場する相手とのことですが、繰り出す技の多さが印象に残りました。
最初のボスは、巨大なヒキガエルの妖魔のような敵です。横向きに転がるため、安全な位置から攻撃し続けることはできません。跳躍攻撃も、タイミングよく回避しなければ大きなダメージを受けます。それでも全体としては準備運動に近い相手で、さまざまな技を存分に叩き込む楽しさがありました。
一方、続く術師との戦いは、明確に手ごわいものでした。次々に襲いかかる攻撃をしのぐには、それまでの戦闘では求められなかったほど正確な位置取りが必要です。さらに、無敵状態で攻撃を繰り返す局面もあり、闘技場内の光っている場所に立つまで、その状態が続きました。
体力も多く、筆者は試遊の制限時間内に倒し切れませんでした。あと一歩届かず、筆者を含め、その場にいた全員から落胆の声が上がりました。
本当の奥深さは長時間のプレイで確かめたい
短い試遊を通じて、『Tarae: The Unbound』にはARPGとして堅実な基盤があると感じられました。ただ、このジャンルの真価が見えてくるのは、もっと長く遊び、アビリティの調整を掘り下げて、自分に合う戦い方を見つけられるようになってからです。今回の内容だけでは、その奥深さまでは判断できません。
仏教神話に根ざした世界の表現も、まだ一端を見たにすぎません。豊かな題材を今後どのように生かすのか、期待が高まります。DiabloやPath of Exileに並ぶ存在になれるかは未知数ですが、このジャンルが好きなら動向を追っておきたい作品です。
本記事はGamescomでの先行試遊に基づいています。渡航費と宿泊費はKraftonが提供しました。