『Nekome: Nazi Hunter』のディレクターが「政治的ではない」発言への反響に回答、10月19日からSteamでデモ版を配信
2026年10月16日 | #ゲーム紹介 | Game Informer
ProbablyMonstersが開発中のアクションゲーム『Nekome: Nazi Hunter』について、Game Informerがゲームディレクターのジェロニモ・バレラ氏にメールでインタビューを行いました。同作は10月19日からSteamでデモ版が配信され、10月26日まで遊べます。インタビューでは、作品の政治性をめぐる議論への見解や、敵役ハイエナの位置づけ、ビジュアルの着想元などが語られています。
新トレーラーとデモ版の概要
配信に先立ち、Galaxies Autumn Showcaseで新トレーラーが公開されました。トレーラーでは物語と、敵役となるナチス幹部の集団「ハイエナ」が紹介されています。プレスリリースによると、ハイエナは占領下のヨーロッパや世界で恐れられた、極端な残虐さで知られるナチスの工作員たちです。プレイヤーは主人公のヴァノを操作し、多数のナチスを暴力的に倒しながら、ハイエナを1人ずつ追い詰めていきます。
ハイエナを敵役にした理由と物語の舞台
ヒトラーのような分かりやすい人物ではなくハイエナを敵にした理由について、バレラ氏はグラインドハウス調の演出を打ち出すと決めていたため、倒して楽しい嫌悪感のある悪役が必要だったと説明しています。プレイヤーが味わう体験は、大小問わずできるだけ多くのナチスを狩ることであり、そこには度を越した楽しさが求められるとのことです。
ハイエナは物語の序盤からすぐに登場します。ヴァノが彼らを追う構図で、ボス戦はそれぞれプレイヤーの腕前を試す独自の挑戦になるといいます。
舞台はヨーロッパにとどまりません。ヴァノが暮らすニューヨークでは、実際にナチ党の集会が開かれていたことが調査で分かり、開発チームも驚いたそうです。ヴァノはこの地で悲劇的な偶然からナチスとの戦いを始め、その後ヨーロッパへ向かいます。バレラ氏は、ヴァノは追われる側ではなく狩る側だと強調しています。
超常的な要素については、ナチスは醜悪な怪物だったという考えから、そのテーマを能力や見せ方に反映していると述べています。形而上的と受け取れるテーマも扱いますが、解釈はプレイヤーに委ねるとのことです。
グラインドハウス映画とグラフィックノベルの影響
ビジュアルの最大の着想元はグラインドハウス映画です。『イングロリアス・バスターズ』のような様式化された大衆娯楽的な暴力表現をゲームにすることに、チームは意欲的に取り組んだといいます。
もう1つの大きな影響がグラフィックノベルです。目指したのは、扱う題材の重さに敬意を払いつつ、度を越して楽しめる絵作りです。現実的すぎると遊びの楽しさが失われるため、物語の暗さや暴力にも耐えられる、視覚的に面白い表現をグラフィックノベルから見出したとしています。
開発体制
開発は2024年に始まりました。きっかけは、ProbablyMonsters社内で『イングロリアス・バスターズ』の台詞を引用し合った会合で、語られてこなかった第二次世界大戦の物語でナチスを狩るゲームを作ろうと全員の意見が固まったそうです。
開発は、ブレット・ボービン氏、ブランド・インマン氏、セルゲイ・クプレヤノフ氏、ケイ・ウィリス氏、バレラ氏が社内で主導し、共同開発パートナーが支援しています。コンセプトから18カ月でプレイヤーに届ける体制は大きな挑戦であり、経験豊富な開発者がいるからこそ可能だと語っています。AAA級の感覚が社内に根付いている一方、インディーとしての独立したアプローチにより、市場に出にくい独自の物語を作れる点が強みだとしています。
「政治的ではない」発言への見解
Gamescom後、ButWhyThoがウィリス氏の「このゲームは政治的ではない」という発言を報じ、議論や反発が起きました。インタビュアーは、ナチスを視覚的に描写しながら倒す作品は明確なメッセージを持ち、すべての芸術は政治的だと指摘したうえで、現在のチームの考えを尋ねています。
バレラ氏は次のように答えました。
「この問題を複雑に考えすぎていると思います。ナチスは悪です。それは政治的な主張ではなく、常識であるべきです。『Nekome』は、ナチスの手で恐ろしい残虐行為を受けた人々の復讐の物語です。現代政治についての主張をしているのではありません。疑いなく邪悪な悪役が登場する物語を語っているのです」
さらに「ナチスを倒すゲームに政治的に攻撃されたと感じる人がいるなら、自分自身を厳しく見つめ直すべきでしょう」とも述べています。
ロマとシンティの迫害という視点
バレラ氏は最後に、本作を作った理由として、ゲームがほとんど描いてこなかった視点から第二次世界大戦の物語を語る機会を見出したことを挙げています。第二次世界大戦は最も一般的な題材の1つですが、ロマとシンティの迫害を扱ったゲームはほとんどありません。
これは歴史上の深刻な事実であり、物語には責任が伴うといいます。チームは歴史家や文化面のコンサルタントと協力し、ヴァノの出自や共同体、歴史的背景に慎重かつ信頼できる形で向き合っているとのことです。そのうえで、ヴァノの物語を誠実に、配慮をもって語ると約束しています。