サイバーパンク店主シム『Probably Stolen』は12種の開始設定で遊び方が広がる一方、単調さが課題
2026年10月28日 | #レビュー | DualShockers
tinyBuildが販売するカナダのQuesting Goose Studioのデビュー作『Probably Stolen』は、サイバーパンクの宇宙ステーションで店を営むシミュレーションです。今回の評価対象はゲーム全体で、スコアは示されていません。分かりやすい操作と奥深いシステム、豊富なリプレイ性が魅力ですが、日々の作業が単調で、NPCのセリフや内容にも変化が乏しく、長く遊び続ける人は多くないと評価されています。
12種類のスペシャライゼーションで広がる遊び方
起動してまず目に入るのは、12種類のスペシャライゼーションです。これは店を運営する際のシナリオにあたり、選ぶものによって開始時のアイテム、クレジット、マニュアルが変わります。
たとえばApprenticeは、チュートリアルのような位置づけです。謎めいた師匠から学びながら、好きな専門分野に進めます。開始時のクレジットは多めで、Household GoodsやFoodも十分にあり、Storage Bayもそれなりの広さです。
一方、Rock Bottomは非常に難しい設定で、アイテムもクレジットもない状態から始まります。Hydroponic Farmerは水耕栽培の販売業を目指す設定です。Hydroponic SystemsやFarming Supplies、Seedsを持って始められますが、大家(The Landlord)への家賃は高くなります。
難易度は4段階から選べるほか、宇宙ステーション内で出会う人物や勢力との関係も、プレイごとの違いを生みます。たとえば、盗品を持ち込む客や地元のレジスタンスに関わって指名手配されている人物を、毎回当局に通報する規則重視の店主にもなれます。逆に、店に禁制品を隠し、通報せずに自由の戦士を助ける無法者のような店主にもなれます。
接客だけでなく交渉や探索もある
レビュー筆者は、トレーラーを見た際に『Papers, Please』を連想したといいます。カウンター越しに一人称視点で人々の要望に応える点が共通しているためです。ただし本作は、客との会話、アイテムの検品、当局への通報に加え、値段交渉、アイテムの製作や強化など、より多くの要素を備えています。
営業終了後は店を出て、素材を探したり、ほかの店と取引したり、カードを交換してHousehold GoodsやFoodを仕入れたりすることもできます。
ただし『Cyberpunk 2077』のように街を歩いて探索するゲームではありません。外出は特定の場所へのテレポートに近い形で、移動によって寝過ごし、翌日の客を逃す危険もあります。店にいても安全とは限りません。アラームを購入して設置しないと、夜間に侵入される可能性があります。また、人間に化けた凶暴な改造アンドロイドを見抜き、見つけ次第撃つという、ある程度楽しい仕組みもあります。
日々の繰り返しが単調
こうした要素を除くと、ゲームの大半は1日ごとのサイクルで進みます。客との売買を行い、アイテムが禁制品かどうかを調べ、毎週の家賃を払える利益を確保し、最終的には大家から店を買い取って独立した事業にすることが目標です。
仕組みは複雑ではありませんが、非常に早く繰り返しで単調に感じられるようになります。NPCとは会話できず、ほとんどのNPCが毎日同じ数種類のセリフを使い、同じ種類のアイテムを売ります。音楽もBGMが流れるのではなく、数本のカセットテープから選ぶ程度で、雰囲気の変化は乏しいようです。
筆者は、店や接客業で働いたことがある人なら誰でも日々の仕事の単調さを知っているため、ある意味では非常に忠実な店舗経営シミュレーションだと述べています。接客業の経験がない人には興味深いかもしれません。しかし、現在そうした仕事をしている人や経験者の多くは、余暇に仕事を思い出させるゲームを遊びたがらないだろうと指摘しています。
なお本作はMODに対応しており、発売後に世界が広がり、店の運営がより面白くなる可能性があります。
総評
初のタイトルとしては、分かりやすい操作と複雑なシステムで、宇宙ステーション内の多様な稼ぎ方を長時間試せる点が印象的な作品です。見た目のデザインにも興味を引かれます。
一方で、店の運営がすぐに単調になることや、現実の仕事に近い仕組みであることが、遊ぶ人を遠ざける恐れがあります。難易度、スペシャライゼーション、人間関係によるリプレイ性は高いものの、ゲームプレイとセリフの多様性が足りず、多くの人が長く遊び続けるには不十分だというのが結論です。
『Probably Stolen』は2026年10月28日に発売されました。対応は1人用で、Steam Deckでは「Playable」と判定されています。ジャンルはシミュレーション、マネジメント、クラフト、RPGです。