ブランドン・サンダースンの『Mistborn』TTRPGが、次の3部作に向けた土台も築いていることが判明
2026年11月05日 | #ゲーム紹介 | Polygon
Brotherwise Gamesが、ブランドン・サンダースンの小説『Mistborn』の世界を舞台にしたTTRPG(テーブルトークRPG)の書籍を発売しました。『Mistborn Handbook』『Mistborn World Guide』『Mistborn Legacy』キャンペーンの3冊で構成され、サンダースンが次に手がける3部作の下地にもなっているといいます。
2つの時代を扱う3冊
Brotherwise Gamesは昨年、サンダースンの『The Stormlight Archive』を題材にしたTTRPG書籍3冊を刊行しました。その後すぐにCosmere RPGの拡張として『Mistborn』版を発表しており、今回の新刊でその狙いの大きさが明らかになっています。
3冊は、惑星Scadrialを舞台にサンダースンが書いた2つのシリーズ、つまり2つの時代にまたがっています。
『Mistborn World Guide』の共同リードデザイナーであるメリック・モイア氏は、Polygonのオンライン取材に次のように話しています。「開発の3分の1ほど進んだ時点で、Era Oneだけを扱うことになりかねない局面がありました。ブランドン・サンダースンはEra Threeの小説の執筆に本格的に着手していて、構想が固まるにつれ、Era Twoに誰かが要素を足すことをとても気にしていました。自分の可能性を狭めないでほしいと、はっきり伝えられたのです」
Era Twoの拡張とサンダースンとの協力
Brotherwiseのチームは、サンダースンとDragonsteel Booksと密に連携し、Era Twoの内容を一部拡張しました。Era Twoは金ぴか時代に近い時代で、Era Threeは世界の年表を1980年代に相当する時代へ進めることになります。新作に干渉しない範囲で、神のような存在Autonomyが最初にScadrialを認識した経緯と、Setと呼ばれる秘密組織を設立した経緯について設定が加えられました。
モイア氏によると、その後は少し自由度が増したそうです。「ブランドンが確認して、『それは思いつかなかった、その方向でいこう』と言ったり、『そこは計画がない。何か考えてくれれば、使えるかどうか伝える』と言ったりしてくれるようになりました」
共同オーナー兼クリエイティブディレクターのジョニー・オニール氏は、Dragonsteelと毎週ミーティングを開き、書籍内のすべてのアートについて設定の正確さと一貫性を確認しました。『Mistborn World Guide』には、AppleTVで配信予定の『Mistborn』実写化に登場するキャラクターが先行して掲載されているため、この確認は特に重要だったということです。
モイア氏は、DragonsteelやAppleがどうするかは分からず、こちらの設定に縛られることもないだろうと前置きしたうえで、こう述べています。「ブランドンがこちらで正式な設定にしたことが、実写版にも反映されればと期待しています。特にFinal Empireの人々の人種的な背景です。たとえばDocksonは黒人として、Shan Elarielは混血に見える人物として設定できました」
16種の金属と32の能力
『Mistborn』TTRPGでは、16種類の金属で32の能力を使えるキャラクターを作れ、選択肢は非常に多くなっています。『Stormlight』TTRPGにあった10種類のサージバインディングを大きく上回ります。
一方で、金属ごとに掘り下げの深さには差があります。モイア氏は「ゲーム用に作られたものではないので、深さには大きな差がありますし、意図的に役に立たないものもあります。すべての金属に同じ重みのメカニクスを持たせるのは無理だと、早い段階で分かりました」と説明しました。
たとえばゴールドのアロマンサーは、自分のあり得た姿を見ることができますが、これを表すタレントはわずか2つです。これに対し、アイアンで金属の物体を引き寄せる能力は、7つのタレントからなるツリーで表現されています。
サンダースン側からは、「Brotherwiseには申し訳ないが、ゴールドでできることはファンもまだ知らない。今後明らかになるが、現時点では公開できない」と伝えられたといいます。モイア氏は「話せるのは分かっていることだけで、今はそれが少ない状態です。今後情報が増えたら、ツリーを追加できるのがこのシステムの良い点です」と語っています。
世界をまたぐ遊びへの布石
ルールには、Cosmereの世界全体を遊ぶ「ワールドホッピング」の可能性を示す要素もあります。Scadrialではアルミニウムを燃やしても役に立たないように見えますが、アートには、これを使ってRosharのサージバインダーの能力を打ち消す人物が描かれています。モイア氏によると、プレイテストでは『Mistborn』の能力同士のバランスだけでなく、『Stormlight』の書籍や、『Warbreaker』『Elantris』の魔法を取り入れる企画との相性も確認したそうです。
モイア氏は「Cosmereのファンは、このゲームの話をするとき最初か2文目でワールドホッピングを挙げます。それをより本格的に支えることは、今後の視野に入っています」と話しました。
モイア氏は、Brotherwiseの基盤となるルールシステムPlotweaverのRPGディレクターでもあり、Cosmereに応用できる形でルールを設計しているといいます。例として挙げたのが乗り物のルールです。「現在はSF設定の作品を作っているので宇宙船がありますが、そのルールの中核はモジュール化されています。CosmereがSpace Ageに入ったときにそれを持ち込み、ブランドン・サンダースンが『Isles of the Emberdark』の物語を語るのに必要な形にカスタマイズできます」
『Mistborn』TTRPGは本日発売されました。Brotherwiseは12月のDragonsteel Nexusで、次のCosmere関連プロジェクトを発表する予定です。