『Grand Theft Auto VI』の11月19日発売を前に、Rockstar Gamesがオープンワールドの基準を築いた歩みを振り返る
2026年11月05日 | #ゲーム紹介 | DualShockers
『Grand Theft Auto VI』の発売まで2週間強となりました。この記事は、Rockstar Gamesがスコットランドの小さな開発会社から、オープンワールドの定番を作るスタジオへ成長した道のりを、筆者の思い出を交えてたどる振り返り記事です。シリーズの転機となった作品を順に見たうえで、最新作への期待と課題にも触れています。
小さなスコットランドのスタジオから始まった歴史
Rockstarの前身は、スコットランドのダンディーで1988年に設立されたDMA Designです。創設者はDavid Jonesと仲間の開発者たちで、当初は小規模なスタジオでした。初期にはMenaceやBlood Moneyなど、アーケード色の強いアクションを手がけていました。1991年にはパズルゲームのLemmingsが予想外の大成功を収め、各プラットフォーム合計で約2000万本を売り上げたと推定されています。
スタジオの将来を大きく変えたのは、1997年に発売した初代Grand Theft Autoです。見下ろし型の犯罪サンドボックスで、車の強奪、雑多なミッション、警察からの逃走、架空の街での暴れ回りといった遊びを用意していました。実験的な第1作でありながら勢いを増す中で、DMA Designは何度か所有者が変わり、2000年前後にTake-Two InteractiveとRockstar Gamesの一員となります。その後、拠点をダンディーからエディンバラへ移し、2002年に正式にRockstar Northとなりました。
Grand Theft Auto IIIが変えたオープンワールド
筆者はVIの発売に備え、メインシリーズを遊び直している最中だといいます。GTA 3については、セールで安かったDefinitive Editionを選んだそうです。子どもの頃にPS2で原作を遊んでいるため、あえて違う形で触れたかったとのことです。
オープンワールドのゲーム自体は、GTA IIIより前から存在していました。ただ、自由度、探索、物語性をここまで高い水準でまとめた例は多くなかったと筆者は見ています。同僚のMaddieからは、Mucky Foot Productionsが1999年に出したUrban Chaosが、GTA 3の2年前に3Dの都市、自由な探索、ミッション制のゲームプレイを試していたと教わったそうです。広大なサンドボックスと呼べるほどではなかったものの、3Dの街を自由に動き回るという発想の可能性を示した作品でした。それでも、前の2作の決まりきった作りを超えたGTA IIIは、当時の世代を代表する作品だったと言えます。
プレイヤーは車を奪い、街の各地区を巡り、通行人と関わり、銃撃戦を繰り広げ、思わぬ騒動に巻き込まれます。運転、射撃、探索が別々のモードではなく、ひとつの大きな体験としてつながっていました。Rockstarは単に広いマップを用意したのではなく、アクティビティや寄り道、試行錯誤の余地が詰まった環境を作りました。この成功は多くの開発者に影響を与え、その後のオープンワールドの型になったとされています。
その後、2002年のGrand Theft Auto: Vice Cityでは、Miami Viceを思わせる1980年代の雰囲気と印象的なサウンドトラックが加わりました。2004年のGrand Theft Auto: San Andreasでは、複数の都市、キャラクターのカスタマイズ、RPG的な要素が加わり、内容が大きく広がっています。筆者は、この3作を立て続けに出したことを驚異的だと評価する一方、近年のリマスター版を外部の開発会社に任せたことは残念だと述べています。
GTAの外へ広がった野心
GTAは商業面で最大の成功を収めましたが、Rockstarは単一のシリーズにとどまりませんでした。2000年代には、傘下のスタジオ群がさまざまなジャンルや語り口、舞台に挑戦し、カルト的な人気作が生まれています。
Bullyは、オープンワールドの形式を、下品ながら愛嬌のある成長物語に落とし込んだ作品です。Manhuntは不穏な雰囲気と残酷なステルスで、会社の暗い一面を示しました。筆者は子どもの頃に怖かったと振り返っています。Midnight Clubは、Fast and Furiousの人気もあって盛り上がっていた2000年代のストリートレースに、街を自由に走る遊びを持ち込みました。NFSなど他のシリーズも同じ流れに乗っていたとのことです。
筆者は、これらのシリーズが再び作られていないことに、長年のファンと同じく根強い不満を抱いています。特にBullyの続編を望んでおり、Xbox 360で最も遊んだ作品のひとつがScholarship Editionだったそうです。いずれにせよ、これらの作品は、Rockstarの野心が犯罪風刺のサンドボックスにとどまらず、各スタジオがジャンルごとに独自の個性を築けたことを示しています。
現実味を増したGTA IVと、記録を塗り替えたGTA V
2008年のGTA IVでは、シリーズの路線が大きく変わりました。ニューヨークを思わせるLiberty Cityが、より重く現実的に描かれています。復讐、権力を争う犯罪組織、アメリカンドリームを追う中での不快な現実といったテーマが扱われました。ラグドール物理や重さを感じる運転モデルも、犯罪ドラマを引き立てています。筆者は、脚本面ではシリーズ最高の作品だと考えています。
2013年のGrand Theft Auto Vでは、再びLos Santosが舞台となり、Michael、Franklin、Trevorの3人が主人公になりました。絡み合う物語、豊富なアクティビティ、高い自由度によって、この世代を代表するオープンワールド作品になっています。史上最も売れたゲームの一つで、Minecraftに次ぐ販売本数とされ、発売以来数十億ドル規模の収益を生み出しました。
ストーリーモードとは別に、GTA Onlineも巨大なマルチプレイヤー基盤へと育ちました。年月をかけて新しいミッション、乗り物、強盗、アクティビティが追加されています。筆者は、あまりにも多くの時間を費やし、このモードのおかげで親友を2人得たと振り返っています。一方で、このモードの長寿ぶりと、マイクロトランザクションによる収益が、GTA Vを複数のハード世代で支えた文化現象にした面もあると見ています。
技術面の到達点となったRed Dead Redemption 2
2018年のRed Dead Redemption 2は、多くのオープンワールド作品が比較される基準になったと筆者は述べています。初代を前節の他作品と並べることもできたものの、GTAの姉妹作のような位置づけなので、ここで扱ったそうです。ミッションの作りに加え、Honorシステムや作り込まれた野生動物の生態系など、GTAとの近さを感じさせる要素が見られます。
2010年の前作に続く本作は、Arthur Morganの視点でVan der Linde団の衰退を描き、初代の出来事へと少しずつつながっていきます。最大の功績は、過ぎ去った時代の世界に詰め込まれた細部の密度でしょう。野生動物のふるまい、NPCの日常、主人公や時間の経過に応じて変わる動的なイベントなど、ほぼすべての要素が没入感に寄与しています。
近年は、ミッション設計の欠点を指摘する声もあります。筆者自身は少し評価が高すぎると感じているそうですが、本作がRockstarを没入感の高いオープンワールドの正統な担い手にした作品だという点は認めています。さらに、立ち止まって周囲を楽しむ人に報いる作りは、注意力が続きにくい現在の主流層を考えると最高の褒め言葉だとしています。
『Grand Theft Auto VI』への期待と課題
『Grand Theft Auto VI』は、Rockstarにとって最も野心的な作品になり得ると筆者は見ています。発売日は2026年11月19日で、対応機種はPS5、Xbox Series X、Xbox Series Sです。開発・販売はRockstar Gamesで、ESRBの年齢区分は未定ですが、Mature 17+になる見込みです。
筆者は憶測を並べるつもりはないとしつつ、これまでに公開された内容を見る限り、RDR2で示された技術力を踏まえて期待できる点は多いと述べています。ゲームプレイ映像もすでに公開され、各メディアで細部の情報も伝えられており、シミュレーション的な作りになりそうです。筆者はSan Andreasで導入されたRPG要素の復活を望んでいたため、この方向を歓迎しています。確認されていないとしながらも、運転教習所のような要素が戻り、LuciaとJasonの管理するステータスが増えることも期待しています。
筆者が最大の課題に挙げるのは、GTA IVに並ぶ物語を届けられるかどうかです。Niko Bellicの旅は、ありがちな犯罪劇を超え、主人公を単なる犯罪者以上の存在に感じさせたからこそ印象に残っているといいます。JasonとLuciaにも、その人なりの形で同じことを成し遂げてほしいと願っています。2人の関係は探求しがいのある土台ですが、重要なのは、騒動の裏にいる人物に、プレイヤーが本当に愛着を持てるかどうかです。また、ボウリングの誘いのようなNPCとの交流を再び見たいとも述べています。
Leonidaと新しく描き直されたVice Cityを目前にして、筆者はこの作品を、ひとつの世代のゲームの楽しみ方を形作ってきた系譜の次の章だと捉えています。ファンコミュニティには複雑な思いもあるそうですが、今はFlower in HurricaneとInner Lightを繰り返し聴いて発売を待っているとのことです。Rockstarが再び画期的なオープンワールドを届けられるかは、まだ分かりません。筆者は、この13年の間に準備されたものを楽しめることを願っています。