『Queen's Domain』はPS1時代風のElder Scrollsを求める人に刺さる、King's Field直系の硬派なRPG
『Queen's Domain』は、まるでElder ScrollsシリーズがPlayStation 1向けに作られたかのような雰囲気のファンタジーRPGです。IGNは序盤約6時間のプレイをもとに、高く評価しています。FromSoftwareがDark Souls以前に手がけたKing's Fieldに明確に影響を受けた作品で、地図も目的地の表示もなく、プレイヤー自身に探索を委ねる設計が最大の魅力だといいます。ただし、本記事は巨大なゲームの序盤を扱ったもので、完全なレビューではありません。スコアも付けられていません。
不親切な序盤と、手探りの探索
主人公は、悪魔のような女王に船ごと海へ引きずり込まれ、ジャングルの島に流れ着きます。人間大のテントウムシやコオロギが襲いかかるなか、最初の武器は生存者から渡されるさびた剣だけです。コオロギは動き出しに合わせて後退して避け、羽を震わせるテントウムシの周りを回り込み、壁に張り付いた目玉の植物が放つレーザーはジャンプで避けます。序盤の戦闘は面倒で、決して親切な導入ではないと筆者は述べています。それでも、掘り進めれば良いものが見つかると信じて進めたそうです。
クエストマーカーやウェイポイントはなく、King's Fieldから持ち込まれた丸いコンパスがあるだけです。重要なアイテムはピクセル調のグラフィックに溶け込んで見つけにくく、筆者も投げナイフのベルトを見つけるまでに思った以上に時間がかかりました。ナイフが手に入ると目玉の植物を倒せるようになり、石の扉の脇にある奥まったスイッチも狙えます。スイッチはセーブ地点への近道と地下墓地への道につながっていましたが、そうした手順は誰も教えてくれません。世界をつつき回すうちに自然と発見できる作りです。
武器の使い分けとスタミナが生む駆け引き
槍は刺突、木の棍棒は打撃で、さびた剣の斬撃と組み合わせて使えます。敵ごとに弱点、通常、耐性となるダメージ種別が異なり、武器の持ち替えも戦闘の一部になります。剣は使い込むだけで熟練度が上がりました。さらにスタミナが与ダメージを左右し、攻撃のたびに減って、残量が多いほど威力が上がります。回復は早いものの、連打では押し切れません。
地下墓地に入る頃には、この仕組みを理解して攻撃パターンにも対応できるようになり、戦闘が滑らかになったと筆者は言います。敵は古いゲームらしく単純で、攻撃は単調、行動も読みやすい作りです。面白くなるのは複数の敵を同時にさばく場面だとしています。棍棒の特殊攻撃で骸骨に突進して反撃の突きをかわしたり、通常攻撃をためてコオロギを少ない回数で倒したりできます。
オートセーブはなく、死ぬと進行を失います。セーブ地点もわざと少なくしてあります。墓地の奥で門の鍵を手に入れてから唯一のセーブ地点へ戻るまでの緊張感は高まりました。苛立つこともある仕様ですが、世界の作りや挑戦のあり方とかみ合っていると評価しています。
最初のボスである骸骨のShrine Guardianは、それまでの敵より大きく攻撃的で、ためた剣撃で相手を倒れさせます。射程から逃げるのが最も難しく、筆者は初見で倒されました。そこで、槍の特殊攻撃である高速バックダッシュで誘ってから反撃し、スタミナの回復を待つあいだは投げナイフで牽制する戦法に切り替えて勝てたそうです。
行ける場所が広がる設計の巧みさ
ボスを倒すと、短時間空中を滑空できる特殊攻撃を持つ聖剣が手に入ります。これにより、行けないと思っていた場所への道が次々に開きました。壊れた橋の先ではメインクエストに関わる発見と魔法の松明があり、木の枝を足場にした先では、骸骨と虫の群れを倒したあとに松明で塔へ火をともして先へ進みます。意味深な碑文が世界への興味を引き、建物の壁の割れ目にはエアダッシュ強化などの報酬や重要アイテムが隠されています。
筆者が天才的だと挙げるのは、探索へ自然に導くレベルデザインです。マップがないため、視覚的な手がかりを観察し、地形を覚えておく必要があります。未探索の場所や、新しい能力を得たあとに戻るべき道も自分で記憶しなければなりません。求められる内容自体は画期的ではないものの、自力で解く負担をプレイヤーに任せることで、体験がずっと面白くなっているといいます。
気になる点
一方で、不満点もあります。回復アイテムは序盤は乏しく、セーブ地点で休むと敵が復活します。攻撃中に地形に引っかかる問題は、命がかかった場面では腹立たしく、扱いが面倒な敵もいます。筆者はこうした不満で熱意が削がれることがあると認めています。それでも、古めかしく見える設計思想の中に、不思議と新鮮で満足感のあるRPGがあると感じ、荒れた道も進む価値があるとしています。
6時間目のWater Templeで見えた作品の規模
クリア時点で約6時間が経過していたWater Templeでは、テンポが大きく変わりました。ダンジョン探索のペースは非常によく、迷うことはなく、直感的でありながら好奇心も刺激する構造だったそうです。能力の拡張で新しい道が開く、メトロイドヴァニア的な要素にも気づきました。ここで2つ目のエアダッシュ強化を得て、大きな裂け目を越えて終盤へ進みます。
戦闘にも慣れ、2種類のダメージを持つモーニングスターや、魔法の松明の火球などの武器も増えました。それでも、毒を持つ海の生物やハサミムシとの厳しい戦いが続き、限られた手段を賢く使う慎重さが求められます。ボスは、毒の水の波を起こし、手下も呼び出す堕落したクジラの王でした。
下水道を出て別の塔に火をともすと、テレポーターが見つかり、少なくともあと8つのエリアがあると分かりました。次のエリアであるTower of Knowledgeは、呪われた螺旋状の図書館です。その入口のボスSkeletal Executionerは、斧の飛び道具をかわし、松明の魔法と聖剣のため攻撃を使って、ほぼ無傷で倒せたそうです。筆者は「フロー状態に入った」と述べています。
雰囲気を支えるサウンドと、先への期待
古代のコインを集めて、より扱いやすい武器や能力を上げるお守りを手に入れる小さな報酬も楽しいと筆者は感じています。新しい地域に入るたびに好奇心と不気味さが同時に湧き、どんな敵が待つのかという期待と恐れを抱くそうです。進むほどに、単なるレベルや数値だけではないプレイヤーとしての成長を実感できたといいます。
当初は過去作への素直なオマージュだと考えていた筆者ですが、実際は昔ながらのRPGを賢くひねった作品だと感じています。現代的に磨かれつつも、難しく、ときに不親切な懐古的な魅力を損なっていないと評価しています。
サウンドも、PS1風の見た目に合わせた雰囲気づくりに欠かせません。焚き火のぱちぱちという音は、レトロな敵の雄叫びと同じくらい丁寧に作り込まれています。足音のせいで角を確認したり振り返ったりしたくなり、ファンタジーらしくはないものの、ローファイな曲調がよく合うサウンドトラックには、耳に残る曲もあるそうです。表面的には仕掛けに見えかねませんが、数あるレトロ調の作品の中で際立つ意図的な設計があるといいます。ピクセル調の見た目をなめらかにする設定もありますが、筆者はこの見た目が必要だと考えています。
序盤の結論
反応するNPCや分岐するクエスト、会話の選択肢を備えた広大なオープンワールドではありません。それでも、Elder Scrollsのような一人称ファンタジーRPGの戦闘を求める欲求には応えてくれると筆者は述べています。ダンジョン探索は素晴らしく、King's Fieldが何をやろうとしていたのかを、現代でも遊びやすい形で振り返り、理解できる作品でもあります。巧みなレベルデザインと適度な不便さが独自の体験を生み、まだ奥行きがあると感じさせる序盤です。
6時間のプレイは苦労の連続でしたが、見どころはまだ多く残っています。ベスタリーによると、188種の敵のうち出会ったのは約40種です。筆者は長い旅になるとしつつ、最後まで続けるつもりです。新鮮さが薄れたあとも深いゲームが続くか、これまでの驚きを保てるかが今後の注目点だそうです。完全なレビューではないものの、『Queen's Domain』には隠れた名作になる素質があるとまとめています。