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『Escape From Tarkov』のBattlestate Games、ハードコア系インディー向け出版部門を始動

2026年09月04日 | #その他 | DualShockers

『Escape From Tarkov』のBattlestate Games、ハードコア系インディー向け出版部門を始動

高難度とリアルな戦闘表現で知られるBattlestate Gamesが、ゲームパブリッシャーとして新たな事業に乗り出します。自社タイトルの開発にとどまらず、他社が「野心的すぎる」「ニッチすぎる」「リスクが高い」と判断した作品も含め、独自性の強いインディーゲームを世界に届ける方針です。

Battlestate Gamesが出版事業へ

Battlestate Gamesの責任者であるNikita Buyanov氏は、同社がパブリッシング部門を新設し、ハードコアなインディーゲームの企画を受け付けると発表しました。Buyanov氏は、同社にとって未知の領域へ踏み出す取り組みだと説明しており、厳格で妥協のないゲームデザインや、深い没入感を重視した作品を支援するとしています。

募集する作品について、ジャンルや舞台設定、シングルプレイかマルチプレイかは問わないとのことです。例として挙げられているのは、シミュレーター、没入型シミュレーション、軍事を題材にしたゲーム、複雑な内部システムを中心に据えた知的なゲームなどです。ただし、これらに限定するわけではなく、幅広いタイプの企画を受け入れる方針です。

特に重視されるのは、一般的なパブリッシャーから扱いにくいと見なされる可能性がある作品です。大規模な構想を持つタイトルや、対象となるファン層が限られる作品、商業的な不確実性が高い企画であっても、創作の余地を狭めずに検討するとしています。開発者から寄せられたアイデアを実現し、近年広がっている苛烈でリアルなゲームの流れを途切れさせないことが、今回の事業の狙いです。

『Escape From Tarkov』で培った高難度路線

同社が手がける『Escape From Tarkov』は、オンラインのレイドで死亡すると所持品の多くを失う、非常にリスクの高いゲームシステムで知られています。一般的なFPSに用意されているミニマップやHUDの目印、クロスヘアなどを排し、プレイヤー自身の観察と判断を重視する設計です。

負傷の扱いも単純な体力ゲージにはとどまりません。ダメージは部位ごとに管理され、軽い出血から重度の骨折まで状態が変化します。負傷した場合は、治療用の副木、止血帯、外科用キットなど、症状に応じたアイテムを使って対処しなければなりません。戦闘に勝つことだけでなく、負傷後に生還できるか、装備を失わずに持ち帰れるかまでがプレイの緊張感につながっています。

こうした仕組みは、プレイヤーのミスに大きな代償を与え、操作の習熟や状況判断を強く求めるものです。高難度ゲームそのものは、Dark Soulsに端を発するソウルライク作品の人気にも見られるように、すでに広く受け入れられています。一方で本作の方向性は、遊びやすさを優先しがちな従来型のFPSとは異なり、緊張感、システムの複雑さ、失敗への厳しい罰を中心に組み立てられています。

Buyanov氏が新部門で支援しようとしている「ハードコア」作品の具体的な基準は明らかにされていません。しかし、同社自身が高い難度と徹底したリアリズムを特徴とする作品を長く展開してきたことから、一般的な市場向けタイトルとは異なる設計思想を持つ企画に理解を示しやすい立場だといえます。

リアルなゲーム表現の広がりと論点

近年は、とりわけFPSを中心に、現実の戦場や暴力を思わせる映像、音響、状況描写を取り入れた作品が増えています。単純に難しいだけではなく、ファンタジーや娯楽的な誇張から距離を置き、現実らしさそのものを体験させることが支持を集めている状況です。

フランスのReissad Studioが開発したBodycamは、その傾向を示す作品の1つとして記事内で紹介されています。胴体に装着したカメラから見たような視点で銃撃戦を描く同作は、プレイヤーを戦場の内部に置くような独自性を評価する声がある一方、没入感が強すぎるとの批判も受けています。警察による暴力や銃撃を記録した現実の映像を連想させるとして、表現の生々しさに不快感を示すユーザーもいるとのことです。

さらにBodycamの塹壕戦を追加するアップデートをめぐっては、現実に続いている紛争、とりわけウクライナとロシアの戦争を想起させるほど映像が似通っているという指摘が出ています。前線の兵士が経験する過酷な状況をゲームで描くことは、その現実を軽視しているように見えるとして、オンライン上で批判するユーザーもいたとされています。

記事では、Activisionが第二次世界大戦を題材にした作品やModern Warfareシリーズを展開してきたことにも触れています。ただし原文筆者は、それらの作品はBodycamほど深刻なリアリズムを追求しておらず、戦争をゲームとして消費しやすい形にしていると批判的に述べています。リアルな表現を売りにする作品が増えるほど、没入感の向上だけでなく、現実の暴力や紛争をどのように扱うのかという問題も避けられません。

新部門が探す作品の方向性

Battlestate Gamesが新たに受け付ける企画が、Bodycamのような軍事・戦闘ゲームに限られるのかは明らかになっていません。同社はジャンルを限定しないとしており、軍事作品以外のシミュレーターや、複雑なルールと内部システムを持つゲームも対象に含めています。

一方で、同社が自らのコミュニティとして数百万人規模のプレイヤーを抱え、開発面のリソースも持っていることは、今回の出版事業における強みとして示されています。Buyanov氏は、そのコミュニティと社内資源を活用し、次の大きなゲームを世に送り出したい考えです。

現時点では、契約を結んだ開発者や具体的な出版タイトルは発表されていません。高難度・高リアリズム路線をさらに広げるのか、それとも既存のパブリッシャーが扱わない別ジャンルの作品を見いだすのか、新部門の最初の成果が注目されます。