『Fire Emblem Fortune's Weave』は『Echoes』の試みを受け継ぐ作品に
2026年09月06日 | #ゲーム紹介 | Polygon
『Fire Emblem Fortune's Weave』は、直近のシリーズ作品だけでなく、見過ごされがちだった3DS向けタイトルの試みを大きく受け継いでいるようです。原文筆者は、物語とゲームシステムの両面で本作に最も強い影響を与えた作品として、ファイアーエムブレム Echoes もうひとりの英雄王を挙げています。ターンの巻き戻しやダンジョン探索、複数ルートといった要素は、Echoesで試された方向性の延長にあると指摘されています。
シリーズの歴史を振り返るファイアーエムブレム
ファイアーエムブレムは、過去作の要素を新作へ取り込むことに積極的なシリーズです。Nintendo 3DS向けのファイアーエムブレム 覚醒には、マルスの名を名乗るキャラクターや、歴代タイトル名を叫ぶ演出、初代作品から登場するキャラクターなど、シリーズの歴史を意識した要素が数多く盛り込まれていました。
ファイアーエムブレム エンゲージでは、その傾向がさらに強まっています。シリーズ30周年から3年後に発売された同作は、実質的な記念作品として設計され、シリーズ17作品の主要主人公たちを召喚する「紋章士の指輪」が物語とゲームプレイの中心になりました。
一方、シリーズの過去作を重視する姿勢に比べると、リメイクされた作品は多くありません。これまでにリメイクされたのは、DS向け2作品と3DS向け1作品です。その3DS作品であるEchoesは、1992年発売のファイアーエムブレム外伝を現代向けに作り直したタイトルでした。
外伝は、シリーズ初期の作品でありながら、後の作品とは異なる特徴を備えていました。フィールドを自由に探索する要素、ダンジョン攻略、2つの軍を別々に指揮する仕組みなどは、長いあいだ外伝独自のものとして残っていました。Echoesはこれらを引き継ぎながら、新キャラクターや自由に歩けるダンジョン、ファイアーエムブレム 封印の剣で導入された支援会話システムを加えています。
Echoesが現代的なシステムを形作った
Echoesは、現代のシリーズ作品で定番となったいくつかの仕組みを先に試していました。代表例が「ミラの歯車」です。これはターンを巻き戻し、味方の撃破や戦闘中の判断ミスをなかったことにできるシステムで、後のファイアーエムブレム 風花雪月にも引き継がれました。
原文筆者は、巻き戻し機能が初心者をシリーズへ呼び込むためだけに導入されたとは考えていません。初心者向けのカジュアルモードは、3DS最初期の2作品ですでに成功していたためです。ミラの歯車には、キャラクターへの愛着が強まったシリーズで、より難しいマップに挑戦させる役割があったと説明されています。
初期のファイアーエムブレムは、戦闘でユニットが失われることを前提に、新しい仲間が次々と加入する構造を採用していました。しかし、キャラクター同士の関係や個性が深く描かれるようになると、プレイヤーは特定の仲間を失うことを受け入れにくくなります。原文筆者は、ユニットを失うたびに3DSのソフトリセット操作を繰り返した経験に触れ、キャラクターへの思い入れが従来の設計と衝突していたとしています。
マップが長く複雑になる一方で、キャラクターを失うたびに最初からやり直す構造を維持するのは困難です。ミラの歯車は、危険なマップで戦略的な賭けに出ることを可能にしながら、1人の仲間を失っただけで長時間の戦闘をやり直す必要をなくしました。原文筆者は、この仕組みがなければ、中盤以降に新たな仲間をほとんど迎えられない風花雪月のような作品は成立しにくかったと見ています。
評価を分けたEchoesのマップ設計
Echoesは、アートや物語、フルボイスの演出についておおむね好意的に評価されました。その一方で、ゲームプレイ、とりわけマップ構成には不満も集まりました。広大なマップには砂地や沼地が多く、軍の移動速度を下げるうえ、似たような戦場が繰り返されます。
原文筆者も、Echoesのマップがシリーズ最大の弱点だという批判は妥当だと認めています。敵をほぼすべて倒したあと、遠く離れた場所に動かない騎兵が1体だけ残っていることがあり、何ターンもかけて近づいた末に、回避率を高める地形の上で攻撃を外し続ける展開も起こります。これは難しいというより、単に時間がかかるだけの設計だと批判されています。
ただし、原文筆者はそのマップを好意的にも捉えています。覚醒やファイアーエムブレム ifでは、強力なユニットを前線へ押し出す戦法が通用しやすかったのに対し、Echoesでは敵をどこまで引きつけるか、回復役からどれだけ離れるかを慎重に考える必要がありました。特に、機動力の高いペガサス系ユニットは打たれ弱く、単純な突撃が危険になっています。
また、砂漠を軍全体で何ターンも進む展開は、戦闘が起きないため客観的には退屈です。しかし原文筆者は、その長い移動が、これから待ち受ける戦闘への不安や緊張を生んでいたと説明しています。素早く戦闘を終えるのではなく、包囲戦を前にした軍隊が広大な場所を進むような感覚があり、実際のマップ以上に戦場が広く、威圧的に感じられたとのことです。
Fortune's Weaveにつながる要素
発売を控える『Fire Emblem Fortune's Weave』は、物語とゲームプレイの両面でファイアーエムブレム 風花雪月の後継作として捉えられています。しかし、その風花雪月自体がEchoesから多くを受け継いでいます。ターンの巻き戻し、戦技、3D空間の探索はいずれもEchoesで先に試され、後の作品で発展した要素です。
さらに、ダンジョン探索や並行して進むルートもEchoesが生み出した特徴として挙げられています。原文筆者は、Fortune's Weaveで注目を集めているこれらの追加要素も、Echoesから続く流れの中にあるとしています。
外伝を忠実に再現しようとした結果、Echoesには現代のシリーズ作品と比べて独特な部分が残りました。マップの冗長さなど、明確な弱点を抱えていたことも事実です。それでも原文筆者は、同作を単なる過去作のリメイクではなく、キャラクター重視の物語、長大で複雑なマップ、巻き戻しシステムを両立させるための転換点だったと評価しています。シリーズの進む先を見据えた作品だったからこそ、その試みが後続作やFortune's Weaveへつながったという見方です。