『Resident Evil Requiem』がGOTY候補の先頭を維持する2026年の混戦
2026年のThe Game AwardsにおけるGOTY(Game of the Year)争いは、例年になく決め手を欠く展開になっています。年初から有力候補の首位に置かれていた『Resident Evil Requiem』はいまだその位置を保っていますが、圧倒的な対抗馬は現れていません。さらに、誰もが本命視するGrand Theft Auto 6の存在が、候補作の評価や注目度をいっそう難しくしています。
Grand Theft Auto 6が奪ったGOTY争いの焦点
2026年は、年が始まる前からGrand Theft Auto 6が本命になると見られていました。Rockstarが同作を実際にプレイできる形で公開することに慎重な姿勢を見せているため、受賞が確定する瞬間は年末ぎりぎりまで待たされる可能性があります。それでも、現時点で同作が最大の存在感を放っている状況は変わりません。
この大作が控えていることで、ほかの作品に注目が集まりにくくなるのは自然なことです。しかし原文筆者が驚いているのは、首位ではなく2位以下の争いまで停滞している点です。2026年の発売スケジュールそのものに偏りがあるうえ、多くのゲームが一定の品質水準までは到達しながら、GOTY候補として押し切れる一歩手前で止まっています。あるいは、ゲームメディアや批評家が例年よりも評価に慎重になっている可能性もあると原文筆者は見ています。
The Blood of Dawnwalkerも決定打にはならず
原文筆者が状況の変化を期待していたのが、The Witcher 3でGOTYを獲得したチームの一部が関わるThe Blood of Dawnwalkerでした。吸血鬼を題材にしたRPGで、物語面の野心、適したジャンル、実績のある開発者たちの存在を備えています。大手シリーズの新作ではなく、新興スタジオの作品であることも、典型的なAAAフランチャイズ作品とは異なる信頼感につながると期待されていました。
原文筆者はこの作品を高く評価していますが、The Game Awardsの投票に関わる幅広いゲームメディアの反応は、はっきりした熱狂からは遠いものになっています。Metacriticの評価は83点で、一定の評価を得ている一方、GOTY候補にノミネートされるには十分ではないかもしれないと原文筆者は指摘しています。プレイヤーの反応も、強い支持というよりは「悪くはないが、熱狂するほどではない」という程度にとどまっているとのことです。
同じ週には、Onimusha: Way of the SwordとOrbitalsも発売されました。後者は、GOTYを受賞したIt Takes Twoを思わせる協力プレイ型のインディーゲームです。どちらも当初から大本命ではなく、いわゆるダークホースという位置づけでしたが、The Blood of Dawnwalkerと同様に、予想を覆すほどの評価には至っていません。
高評価作にもジャンルや規模の壁
GOTY候補を予測するうえで目安になりやすいのが、ジャンル面での有利さとMetacritic 90点以上の評価です。しかし2026年は、その基準に届く作品自体が少なくなっています。90点以上に到達した作品にも、ノミネートを阻む事情があります。
Big Walkは高い評価を得ているものの、インディーゲームであり、友人と一緒に遊ぶことで魅力が増すマルチプレイ作品です。Forza Horizon 6は評価が高くても、レーシングゲームというジャンルが不利になる可能性があります。前作は非常に高いスコアを獲得しながら、候補作が少なかった年でさえノミネートを逃しました。Mina the Hollowerも評価面では有力ですが、カルト的な人気を持つ作品で、広い層にプレイされているとは言いにくい状況です。
90点を下回る作品だけでなく、それ以上の評価に近づいた作品にも弱点があります。Crimson Desertは批評家から強い反発を受けています。Pokopiaは、The Game Awardsの投票層がポケモン作品やライフシムを本格的なGOTY候補として扱いにくい傾向があるため、不利になると見られています。007 First Lightは多くの作品より有望に見えるものの、ライセンス作品は投票で低く見られがちです。
こうした事情が重なり、9月の時点でノミネートがほぼ確実だと考えられる作品は、堅実ではあるものの、圧倒的な傑作とまでは言えないResident Evil Requiemだけになっています。原文筆者は年初から同作をランキングの先頭に置いていましたが、ほかの候補が伸び悩んだ結果、予想に反して現在も首位にとどまっています。
秋の新作が流れを変える可能性
例年であれば、秋から年末にかけて有力なGOTY候補がまとまって登場し、年末の議論を大きく動かします。2026年も、Grand Theft Auto 6が業界の話題を覆い尽くす前に各パブリッシャーが作品を送り出そうとしており、今後数週間で情勢が変わる可能性は残されています。
候補として名前が挙がっているのは、Marvel's Wolverine、Gears of War: E-Day、Fire Emblem: Fortune's Weave、Phantom Blade Zero、Control Resonantなどです。ただし現時点では、いずれもMetacritic 90点台の大ヒットになると断言できる状態ではありません。原文筆者も、これらの評価が今後上向く可能性を否定してはいませんが、少なくとも現在は決定的な本命に見える作品はないとしています。
高い評価がほぼ確実視されている作品として、Legend of Zelda: Ocarina of Timeのリメイクも挙げられています。ただし、投票の締め切りまでに発売される保証がありません。仮に間に合ったとしても、リメイク作品であること自体が不利に働く可能性があります。過去作を再構成したタイトルは、作品の完成度とは別に、完全新作よりも評価上のハードルを抱えるためです。
業界全体が本命作を待つ状態
この状況には、AAAゲームの制作が歴史的に不安定になっていることや、前年のGOTY受賞作Clair Obscur: Expedition 33のような中規模作品が再び存在感を示し始めたことなど、複数の要因が関係しています。大作中心の開発体制が揺らぐ一方で、次の大規模タイトルを待つ空気も強まっています。
原文筆者は、業界、批評家、プレイヤーのいずれもGrand Theft Auto 6の発売を待っているように見えると指摘しています。同作の受賞が最初から決まっているように感じられるとしても、Rockstarの作品が必ず勝つわけではありません。2013年にはThe Last of Usが、2018年にはGod of WarがRockstarの作品を抑えてGOTYを獲得しました。2026年にも、少なくとも1本の作品がこの本命視を覆そうと名乗りを上げることを、原文筆者は期待しています。