『NBA 2K27』でDLSS 5の負荷を検証、RTX 5090でもフレームレート半減
2026年09月07日 | #レビュー | Eurogamer
NVIDIAの生成AI技術を使ったDLSS 5は、画面の見た目を向上させる一方で、ゲームのフレームレートを大きく低下させることが確認されました。Digital Foundryの検証では、RTX 5090でも有効化によってフレームレートが128.4fpsから62.7fpsまで落ちています。画質への効果は評価されたものの、「きれいなライティングのために、非常に高い処理コストを支払う技術」との見方が示されています。
RTX 50シリーズ全体でフレームレートが大幅低下
Digital Foundryは、DLSS 5が初めて正式採用されたNBA 2K27を使い、複数のGeForce RTX 50シリーズで性能を比較しました。RTX 5090でUltra設定、4Kのネイティブ解像度で動作させた場合、DLSS 5を無効にした状態では128.4fpsでしたが、有効にすると62.7fpsまで低下しました。フレームレートは約51%減少した計算です。
下位モデルでも傾向は変わりません。RTX 5060をUltra設定の1080pで動かした場合は、72.8fpsから42.3fpsへ低下しています。Digital Foundry創設者のRichard Leadbetter氏は、この負荷について「とても、とても重い」と説明し、ノートPCを含むRTX 50シリーズ全体で動作する点は予想していなかったとしています。ただし、今回のタイトルは大規模なAAA作品と比べれば比較的軽いゲームであり、その点も結果に影響しているとのことです。
解像度に左右されにくい固定コストが課題
検証で焦点になったのは、DLSS 5の「フレームタイムコスト」です。グラフィックスカードや解像度によって8.2~13.7msの処理時間が発生しており、解像度を変えても一定に近い負荷がかかるとみられています。Leadbetter氏は、RTX 5090で4K映像を処理する際に8msが必要になることについて、「非常に高価な処理コストだ」と指摘しました。
従来のDLSSは、内部解像度を下げてからアップスケールすることで、画質を保ちながらパフォーマンスを向上させる技術として利用されてきました。これに対してDLSS 5は、生成AIを利用した「ニューラルレンダリング」によって映像そのものの見え方を変える方向へ踏み込んでいます。そのため、従来のDLSSとは異なり、性能向上ではなく画面効果の追加に処理能力を使う点が大きな違いです。
効果は控えめなら自然な仕上がりに
DLSS 5は3月の発表時、ゲーム内キャラクターの外見を生成AIで大きく変える機能として強い批判を受けました。Digital FoundryのJohn Linneman氏も当時、この方向性に特に厳しい見解を示していましたが、今回の実装については印象が異なったとしています。
本作では、観客席のライティングや選手のユニフォームに、通常なら存在しないような立体感や落ち影の表現が加わります。一方で、キャラクターのテクスチャーを大きく変える処理はありません。Linneman氏は効果を「非常に控えめ」としながらも、実際にはよく機能していると評価しました。3月に見られた、論理的には光が届かない場所にまで光源が追加されたような大幅な画面変更とは違い、今回は説得力のある初採用例だったとのことです。
ただし同氏は、最終的に「画像へきれいなライティングを加えるための、非常に高価な方法に見える」とも述べています。初めに予想されたほど極端ではないものの、画質の変化に対してフレームレートの犠牲が大きいという評価です。
今後の改善と対応タイトルに注目
Digital Foundryの映像では、本作のほか、Final Fantasy 7 Rebirth、Monster Hunter Rise、StarfieldにDLSS 5を組み込んだ映像も紹介されました。チームは、現時点では改良の余地がある初期段階の技術と捉えており、NVIDIAが今後パフォーマンスを改善すると約束している点とも一致します。一方で、これからDLSS 5がどのような方向へ発展するのかについては懸念も残っています。
現在、DLSS 5に正式対応しているのはNBA 2K27のみで、利用できるGPUもGeForce RTX 50シリーズに限られます。フレームレートを重視するプレイヤーにとっては、ライティング表現の向上と大幅な性能低下のどちらを選ぶかが、当面の判断材料になりそうです。