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『Marvel's Wolverine』が過激な暴力描写を採用する理由

2026年09月08日 | #ゲーム | IGN

『Marvel's Wolverine』が過激な暴力描写を採用する理由

『Marvel's Wolverine』でひときわ注目を集めているのは、ウルヴァリンの戦闘に描かれる凄惨な暴力表現です。敵を1人倒しただけで血まみれになり、自身の肉体も切り刻まれる描写は、これまでのスーパーヒーローゲームでも類を見ないほど過激に見えます。原文筆者は、こうした表現は単なる刺激ではなく、ジェームズ・ハウレットことローガンの本質を描くために欠かせないものだと分析しています。

本作には、流血表現を苦手とするプレイヤーに向けたカスタマイズ設定も用意される見込みです。しかし原文筆者は、暴力描写を弱めすぎれば、ウルヴァリンという人物そのものを薄めることになると指摘しています。映画版では抑えられてきた彼の怒りや殺意を、コミックに近い形でゲームへ落とし込もうとしている点が、本作の大きな特徴になりそうです。

コミックで描かれてきたウルヴァリンの暴力性

マーベル作品には子ども向けという印象もありますが、ウルヴァリンを主役にしたコミックの多くは、血と死に満ちた大人向けの内容です。彼は仲間を守るために仕方なく戦うヒーローというだけではなく、危機に直面したとき、怒りと暴力へ反射的に飛び込んでしまう人物として描かれてきました。原文筆者は、暴力は彼が使える手段の1つではなく、彼の人格に組み込まれた衝動だと説明しています。

その性質を象徴する例として挙げられているのが、2020年のコミックシリーズ Wolverine: Black, White & Bloodです。同作でのローガンの凄惨な戦いぶりは、本作のゲーム内能力「Rage Mode」に直接つながっているように見えると、原文筆者は述べています。ゲームプレイでも、敵を倒す爽快感だけでなく、怒りに身を任せた結果として戦闘が激化していく感覚を表現できるかが重要になりそうです。

X-MEN映画を中心に彼を知る人にとって、ゲームの暴力性は意外に映るかもしれません。ヒュー・ジャックマンが演じたローガンは、皮肉や荒々しい態度こそ原作に近い一方、シリーズの多くではコミックのような「目を覆いたくなる」残酷さが抑えられていました。R指定となったローガンやデッドプール&ウルヴァリンは、彼の本来の姿に近い作品です。それでも原文筆者は、セイバートゥースの首を切断する場面でさえ、コミックに比べれば控えめだとしています。

映画で暴力を抑えることには、作品の対象年齢や興行面を考えれば理由があります。しかし、その結果として、ウルヴァリンが抱える怒りや殺人へのためらいのなさも弱められてきました。原文筆者は、コミックのウルヴァリンは必要に迫られたときだけ戦う人物ではなく、怒りそのものを抱え、暴力なしには生きられない存在だと指摘しています。ハルクの体内から彼を切り裂いた過去の描写まで考えれば、極端な残虐さこそがゲーム版に求められる要素だという主張です。

ジェームズ・ハウレットがウルヴァリンになるまで

ウルヴァリンの暴力性を理解するうえで重要なのが、コミック Wolverine: Originで描かれた少年時代です。幼いジェームズは病弱で、父親のジョンは優しく、母親は長男を病気で失った悲しみから引きこもっています。家族の状況に傷つきながらも、ジェームズ自身は誰かを傷つけるような子どもではありませんでした。

その人生を一変させたのが、ローガンという男による父親の殺害です。ジェームズがショットガンで父を撃ち殺す場面を目撃すると、両手から初めて骨の爪が飛び出します。そして悲しみと怒りに突き動かされ、ローガンの腹部を引き裂きます。原文筆者は、この攻撃が訓練された戦士の動きではなく、長年そうしてきたかのように自然で素早いものとして描かれている点に注目しています。

この瞬間、ジェームズは純真な少年ではいられなくなりました。自分が生み出した惨状の前でうなり声を上げる姿は、悲嘆と怒りが混ざり合い、暴力だけが答えになったことを示しています。原文筆者は、ここで彼がウルヴァリンへ変わったと捉えています。悪い出来事が起きたときに立ち止まったり逃げたりせず、即座に攻撃へ移る性質は、1974年の初登場以来、彼の一貫した特徴として描かれてきました。

さらにコミックでは、ジェームズの父を殺したローガンが、成長後のウルヴァリンとほとんど同じ外見をしていることが示唆されています。髪型まで似ているものの、2人の血縁関係が明言されたわけではありません。ただし原文筆者は、この設定から、ウルヴァリンの暴力性は過酷な環境への反応だけでなく、父親から受け継いだものでもある可能性を読み取っています。暴力が彼のDNAに刻まれているという見方は、ウルヴァリンをウルヴァリンたらしめる要素をさらに強調するものです。

Weapon Xが植え付けた「怪物」の自己認識

1960年代、ウルヴァリンはWeapon PlusとCIAが運営する極秘部隊Team Xに所属し、契約殺人者として任務に従事しました。彼は敵を爪で切り裂き、銃弾を浴び、血を流しながら戦い続けます。しかし原文筆者が特に問題視しているのは、彼が任務中にどれだけ殺したかだけではありません。任務を終えるたび、兵士たちは彼を銃撃し、ヒーリング・ファクターで蘇生するまで待つという扱いを繰り返していました。

Weapon Xの計画は、すでに不安定だった彼の精神と暴力性をさらに悪化させます。彼らはヒーリング・ファクターを妨げる放射性金属カーボナディウムを飲ませ、回復能力を抑えました。ヒーリング・ファクターは肉体を治すだけでなく、生き延びるための仕組みとして記憶を抑制する性質も持ちます。そこでWeapon Plusは記憶を抑えるのではなく、完全に消去しようとし、拘束したウルヴァリンを電気椅子にかけて拷問しました。

彼らは彼をローガンという人間として扱わず、「Experiment X」と呼びます。目的は人格を持つ兵士を作ることではなく、究極の殺人兵器を完成させることでした。コミックでは、無数のチューブや針が刺さったタンクにウルヴァリンを沈める実験や、人体実験による苦痛が描かれています。原文筆者は、その画面が鮮やかなオレンジ、ピンク、赤、紫で彩られていることで、実験そのものと同じような吐き気を催す印象を生み出していると説明しています。

アダマンチウムを骨格へ結合し、爪まで金属化する手術も、彼を兵器へ変えるための工程でした。皮膚を剥がされた状態で目を覚ましたウルヴァリンは、苦痛のなかで自分に何をしたのかと叫びます。原文筆者は、この場面を、彼が人間として認識できないほど拷問され、野蛮な骨だけの存在へと剥ぎ取られたことを象徴する場面だとしています。

やがてウルヴァリンは施設から脱走します。そのとき彼が兵士たちを切り裂いて進む場面では、ページの一面が血で染まるほどの暴力が描かれます。彼は言葉を発することもなく、Weapon Xによって人間ではなく獣のような存在へ変えられていました。後に意識と記憶を取り戻しても、その野生的な感覚が完全に消えることはありません。周囲から暴力しか使えない獣として扱われ続けた結果、彼自身も自分をそのように見るようになったというのが、原文筆者の分析です。

X-MEN加入前だからこそ描ける物語

ウルヴァリンが暴力以外の自分を見つけるきっかけになるのが、チャールズ・エグゼビアと出会い、X-MENに加わる経験です。チームの一員として大義のために戦うことで、彼は自分が単なる殺人兵器ではないと理解し始めます。温かく、仲間を思いやる人物としての側面も育っていきますが、荒々しさや皮肉屋としての性格が消えるわけではありません。

本作の物語は、ローガンがX-MENに加入する前の時期を扱います。そのため、この段階の彼が知っているのは、原文筆者の表現を借りれば、ほとんど攻撃性だけです。ゲーム内では、彼が善のために力を使うようになる前に、怒りと殺意へ直行する人物として描かれる可能性があります。過激な戦闘は、単に敵を派手に倒すためではなく、まだ自分を怪物としてしか理解できない男を操作する体験に結びつくことになります。

ただしマーベル・コミックには複数の時間軸が存在するため、本作のウルヴァリンがどの設定に位置づけられるのかは、原文執筆時点では断定できません。ゲームでは、3年間離れていたTeam Xへ彼が戻る展開が描かれ、チームにはコミック版では所属していないジーン・グレイが加わっているようです。また、すでにアダマンチウムの爪を備えているため、Weapon Xでの体験にも触れる可能性があると原文筆者は見ています。

原文筆者は、インソムニアックが過去のウルヴァリン作品やX-MEN作品以上に、キャラクターへ暴力が染みついていることを理解しているようだと評価しています。重要なのは、残虐描写の量だけではありません。爪を振るうたびに、ローガンが自分をどう見ているのか、怒りを制御できるのか、それとも怒りこそが彼の正体なのかをゲームプレイと物語の両方で示せるかです。本作は9月15日に展開を迎える予定とされており、ウルヴァリンの暴力性をどのように物語へ結びつけるのかが注目されます。