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『Star Wars: Zero Company』の音楽はBattlefront IIと前日譚時代の楽曲を出発点に制作

2026年09月09日 | #ゲーム紹介 | IGN

『Star Wars: Zero Company』の音楽はBattlefront IIと前日譚時代の楽曲を出発点に制作

『Star Wars: Zero Company』のサウンドトラックは、Gordy Haab氏が手がけたBattlefront IIの音楽を足場に、前日譚シリーズやクローン・ウォーズ期の雰囲気を発展させた作品になっています。Haab氏は、ジョン・ウィリアムズ氏の影響を受けながらも、シリーズの過去曲をなぞるのではなく、自身の作曲家としての個性を加えることを重視したと明かしました。新作のテーマ曲は、開発チームに提出するまでに約15種類の案を制作したとのことです。

Battlefront IIを出発点にしたサウンドトラック

Haab氏は、EAとBit Reactorが手がける本作の発売直後に行われたインタビューで、今回の音楽を過去のクローン・ウォーズ関連作品の「続編」のように捉えていたと説明しています。自身が2017年のBattlefront IIで作曲した音楽に手応えを感じており、その経験を新作へつなげることが制作の出発点になったそうです。

初代Battlefrontでは、オリジナル映画の楽曲を補完するような、いわば“B面”の音楽を書く意識が強かった一方、Battlefront IIでは、そこから離れて自分自身の方向性を広げていったとHaab氏は振り返っています。本作ではBattlefront IIを土台にしながら、「前日譚時代の音楽が持つ輝き」と自身の美学を両立させることを目標にしたとのことです。

Haab氏はこれまで、The Old Republic、初代Battlefront、Battlefront II、Squadrons、Jedi: Fallen Order、Jedi: Survivorなど、複数のスター・ウォーズ作品で楽曲を制作してきました。作品ごとに求められる音楽の方向性は異なり、過去の経験をそのまま再利用するのではなく、それぞれの物語やゲームの雰囲気に合わせて作り分けているとしています。

作品ごとに異なる音楽のルール

Haab氏によれば、シリーズに関わり始めた当初のルーカスフィルムからは、「独自性を持たせること。ただし、目指す星はオリジナル映画の音楽」という方針が示されていました。しかし、複数の映像作品やゲームがそれぞれ独自の物語を描くようになったことで、プロジェクトごとの制約や許容範囲は大きく変化したといいます。

たとえばStar Wars: Huntersでは、オーケストラとヘヴィメタルバンドを組み合わせた音楽を制作しました。一方で、Jediシリーズはより暗く、重厚で、ホラー要素も強いため、同じ手法は合いません。本作についても、戦術ゲームとしての戦闘やクローン・ウォーズ期の物語にふさわしい、別の音楽的な設計が必要になったと説明しています。

Haab氏はインディ・ジョーンズ関連作品の作曲も担当しており、2024年のIndiana Jones and the Great Circleにも参加しています。ジョン・ウィリアムズ氏の音楽と並べて語られることは光栄だとしながらも、当初は大きなプレッシャーを感じていたそうです。映画の楽曲は自身が作曲家を目指すきっかけになったため、その水準に応えなければならないという意識があったとのことです。

ただし、評価や称賛を意識しすぎると自分の仕事に集中できなくなるため、Haab氏は褒め言葉を受け取った後、すぐに頭から切り離すようにしているとしています。「偉大な音楽家と同じ文脈で語られるのは大きな賛辞だが、そこで満足してはいけない。自分の声をシリーズの中で作り、仕事に戻らなければならない」という考え方です。

15種類の案から絞り込んだ主要テーマ

本作のメインテーマは、実際に楽譜を書き始める前の段階だけで数カ月を費やして検討されました。Haab氏は開発チームへ送る前に約15種類のバージョンを制作し、自身のスタジオから外へ出すことさえためらうほど、完成度を慎重に見極めたと説明しています。

初期案には多くの装飾や華やかな展開が含まれていましたが、制作を進める中で要素を削り、非常に簡潔で覚えやすい形へと整理していきました。壮大さを加えるだけでなく、テーマそのものを短く明確にすることで、物語や戦闘の場面に組み込みやすい音楽を目指したとのことです。

Haab氏が本作で特に気に入っている曲の1つは、主人公チームのリーダーであるHawksのテーマです。メロディーが上向きに漂うような形を持ち、英雄的な印象を与える点を評価しています。大きな作戦や見せ場で流れても、キャラクターの存在感を支えられるテーマとして設計されたそうです。

もう1つのお気に入りは、Plagueのテーマです。Hawksのテーマが大きなセットピースを支える一方、Plagueの音楽は、病そのものが広がっていくように楽曲の中へ入り込み、次第に暗く、重く、異様なものへ変化していく構成を目指しました。明確な旋律を前面に出すのではなく、音楽の質感全体を変化させることで、脅威の存在を表現しているといいます。

ウィリアムズ氏の楽曲から学んだ作曲の原則

Haab氏が長年の作曲活動で繰り返し影響を受けてきた曲として挙げたのが、フォースのテーマと帝国のマーチです。フォースのテーマは映画の中で何度も使われ、ルークが2つの太陽を見つめる場面で聞いたホルンの独奏が、音楽を知らない子どもの頃から強く印象に残っていたと振り返っています。シリーズ全体を象徴するだけでなく、映像と結びついたメロディーの力を示す存在だと捉えています。

帝国のマーチについては、冒頭部分が非常に歌いやすく、メロディーの輪郭をすぐに思い出せる点に注目しています。その一方で、中盤以降は音の跳躍や半音階的な展開が増え、正確に歌うのは難しくなります。それでも、曲全体の形や旋律の流れは記憶に残るため、単純な親しみやすさと高度な音楽性を両立した例として意識しているとのことです。

Jedi: Survivorでグラミー賞を受賞したHaab氏は、今後もスター・ウォーズ作品に関わり続けたい意向を示しています。ただし、自分は広大なシリーズの中にいる1人の作曲家にすぎないとも話しており、過去の名曲に頼るのではなく、作品ごとに新しい音楽を作る姿勢を重視しています。

将来このシリーズで作曲する人への助言として、Haab氏はテーマの重要性と、フルオーケストラで利用できる洗練された和声や複雑さを手放さないことの2点を挙げました。その基本を守る限り、どのような物語や場面を描くかは作曲家の自由であり、そこから先は各自の個性を発揮すべきだとしています。本作はPC、PS5、Xbox Series X/S向けに提供されています。