『Fallout 3』『Fallout: New Vegas』リマスターで変えてはいけない10要素
2026年09月18日 | #ゲーム紹介 | DualShockers
『Fallout 3』と『Fallout: New Vegas』のリマスター化をめぐり、原文筆者はグラフィックの刷新だけではなく、作品の個性を形作るゲームシステムや音響、キャラクター表現を維持すべきだと主張しています。『The Elder Scrolls IV: Oblivion Remastered』で大胆な変更が行われたことを踏まえつつも、本作では現代化の名のもとに独自性を失わせてはならない、というのが記事の中心的な論点です。特にV.A.T.S.や派閥ごとの評判、キャラごとの奇妙さは、単なる古い仕様ではなく、ゲーム体験の核と位置づけられています。
リマスターでも残すべきゲームシステム
原文筆者が最も強く残すべきだとしているのが、V.A.T.S.です。Fallout 4のV.A.T.S.は、より快適で手応えのある銃撃戦に合わせた方式として評価できる一方、旧作の方式を置き換えるべきではないとしています。初期シリーズのRPG的な計算と、ベセスダ作品の一人称アクションをつなぐ仕組みとして、旧作のV.A.T.S.は重要な役割を果たしていました。
旧作のV.A.T.S.では戦闘を一時停止し、各部位への命中確率を確認しながら行動を選びます。命中率にはPerceptionや武器改造だけでなく、スキル、Perk、SPECIALの能力値などが関係するため、キャラクターの育成方針が戦闘結果に反映されます。原文筆者は、この仕組みこそクラシックなRPG要素を楽しめる本作に適しているとし、Fallout 4向けに調整された方式をそのまま移植することには否定的です。
同じく維持を求めているのが、スキルチェックです。会話中に特定スキルの条件が表示されることで、現在のキャラクターに可能な行動や、別の選択肢の存在が明確になります。異なるスキルやPerkに投資したキャラクターが、同じ場面でも別の方法で問題を解決できるため、育成の違いがゲームプレイの違いに直結します。
雑誌やスキルへの投資を意味のある選択にしている点も、スキルチェックの重要な役割です。会話システムの見た目や演出を現代化すること自体は妨げないものの、条件判定の仕組みまで簡略化すれば、キャラクターを作り分ける理由が薄れてしまいます。原文筆者は、現代のゲームで不足しがちな「能力の違いが体験の違いになる設計」として、スキルチェックを慎重に扱うよう求めています。
SPECIALについても、単純化や再設計を急ぐべきではないとしています。Fallout 4では能力を訓練できる仕組みが作品の長期的なプレイ方針と噛み合っていましたが、旧作ではSPECIALがキャラクターと結果を差別化するための基盤でした。成長システムに変更を加える余地はあっても、能力値がキャラクターの個性や選択肢を生むという原則を取り除いてはいけない、という考えです。
New Vegas独自の選択と対立構造
New Vegasの要素として特に挙げられているのが、派閥ごとの評判システムです。プレイヤーの行動を単一の善悪メーターだけで処理せず、各勢力がそれぞれ異なる評価を下すため、ある派閥から敵視される一方で、別の派閥からは英雄として扱われることがあります。全体的な人格を示すカルマの仕組みと並行して動くことで、プレイヤーの行動が単純な善悪では整理できないものになります。
原文筆者は、この細かな派閥別評価を整理・統合することは間違いだと考えています。扱いやすさを優先すればシステムの説明は簡単になるかもしれませんが、勢力同士の対立や、プレイヤーがどの陣営に肩入れしたかという結果まで均質化されるおそれがあります。記事では、可能であればFallout 3にも同様の仕組みを追加してほしいという希望にも触れていますが、実際に導入される見込みは低いとの見方も示しています。
New Vegasに登場するCaravanも、完成度とは別の理由で残すべき要素とされています。原文筆者自身は、このミニゲームを遊びにくく、得意でもないとしています。それでも作品を象徴する要素の一つであり、削除して別の現代的なミニゲームに差し替えるべきではないとのことです。
変更を加える場合も、ルールの説明をゲーム内メニューで確認できるようにしたり、ユーザーインターフェースを見やすくしたり、AIの問題を修正したりする範囲にとどめるべきだとしています。Caravanのデッキや拡張要素を追加するファン製MODが現在も作られていることから、一定の支持層が存在すると原文筆者は指摘しています。分かりにくさを改善することと、ミニゲームそのものを別物にすることは分けて考える必要があります。
キャラクター作成時のTraitsも同様です。Traitsは単なる追加Perkではなく、長所と短所を同時に与えることで、プレイヤーに明確なトレードオフを選ばせる仕組みです。古いFallout作品に通じる設計思想を持つため、説明不足な項目があるとしても、基本構造を撤去する理由にはならないとしています。
新しいTraitsや類似コンテンツを追加することについては、原文筆者は肯定的です。ただし、変更する場合でも、メリットだけを積み上げるのではなく、代償を含めた選択にするという元の思想を守る必要があります。分かりにくい部分は説明を増やして補うべきであり、システムを一般的なPerk選択へ置き換えるべきではない、という整理です。
世界観を支える音、場所、人物
リマスターで最も目に見える変更になるのはグラフィックですが、原文筆者は各居住地の視覚的な個性を残すことが重要だとしています。新しいテクスチャやモデル、追加の小物によって画面を現代的にすることには問題ありません。しかし、MegatonがMegatonらしく、GoodspringsがGoodspringsらしく感じられなければ、刷新は成功とはいえません。
同じ荒廃した世界を舞台にしていても、集落ごとに建物の構造、生活感、色合い、周囲の環境は異なります。Vaultも一様な地下施設ではなく、それぞれが独自の不気味さや設定を持っています。原文筆者は、解像度が上がった結果としてすべての場所が似た印象になることを警戒しており、「元の場所をより良くしたもの」に見える改修を望んでいます。
音楽と環境音も、見た目と同じく作品の時間や場所を伝える要素です。ラジオで流れる楽曲は雰囲気づくりのために選ばれており、環境音も荒野や居住地の印象を支えています。原文筆者は新曲や新たな環境音の追加そのものを禁じるべきだとはしていませんが、元からある選曲や音響設計を損なわないよう、変更は慎重に行う必要があるとしています。
NPCについては、単に高精細なモデルへ置き換えるのではなく、人物の奇妙さや強い個性を維持すべきだと指摘しています。Three DogやArcade Gannonのようなキャラクターを現代的な見た目にすることは許容されますが、デザインや声、性格まで別人のように変えてしまえば、それは改善ではなく置き換えです。新規ボイスを収録する場合も、人物像を根本から変えないことが求められています。
さらに、セントールのような不快感を狙った敵についても、原文筆者はその恐ろしさを薄めるべきではないとしています。高精細化によって見栄えを整えるのではなく、ボディホラー的な嫌悪感を含めて、元の印象を保ったまま描写を強化することが望ましいという立場です。リマスターで残すべきなのは、きれいな画面だけではなく、見たくないものまで含めた世界の手触りです。
パワーアーマーの扱いと作品の境界線
パワーアーマーについては、Fallout 4の方式自体は高く評価されています。装備品の一つを着替えるというより、軍用ハードウェアに乗り込むような感覚があり、専用の訓練を受けて扱う装備らしさも感じられるためです。ただし、その方式を旧作のリマスターに採用することには反対しています。
旧作におけるパワーアーマーの実装は、作品の魅力と結びついた象徴的な仕組みです。別作品でうまく機能したシステムだからといって、作品の設計思想が異なるゲームへそのまま持ち込む必要はありません。原文筆者は、将来の新作がFallout 4型のパワーアーマーを採用することには賛成しつつも、旧作のリマスターでは元の方式を維持すべきだと線引きしています。
記事全体を通じて示されているのは、リマスターは古い要素を一律に現代化する作業ではないという考えです。操作性や説明不足、AI、画面の見やすさは改善できても、Caravan、Traits、派閥評判、スキルチェック、V.A.T.S.といった仕組みを一般的な現代仕様へ置き換えれば、作品を特徴づけていた選択の重みが失われます。原文筆者は、変えてよい部分と変えてはいけない部分を見極めることこそが、両作のリマスターに必要だと結論づけています。