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『Daggerheart』、D&D元中核デザイナーが拡張で新キャンペーン枠を手がける

2026年09月22日 | #ゲーム紹介 | Polygon

『Daggerheart』、D&D元中核デザイナーが拡張で新キャンペーン枠を手がける

D&Dの大型タイトルとは異なる道を進む『Daggerheart』が、かつて5版の設計を担ったクリス・パーキンス氏とジェレミー・クロフォード氏を迎え、初の拡張で新たなキャンペーンの形を提示しました。2人が手がけた「Reign of the Weredragon」は、単なる冒険シナリオではなく、プレイヤー自身が物語の中心的な悪役を組み立てる仕組みを備えています。原文筆者は、この静かに広がる作品が、ファンタジー系テーブルトークRPGの定番に変化をもたらそうとしている点に注目しています。

D&Dを離れた2人が初の本格参加

Critical Roleが展開するテーブルトークRPG『Daggerheart』は2025年5月に発売され、すぐに売り切れとなりました。大規模なクロスメディア展開を持つD&Dほど一般ニュースで取り上げられる機会は多くありませんが、すでにプレイヤー同士の結びつきが強いコミュニティを形成しています。原文筆者は、知名度の差がありながら、本作がルールブックを売るだけでなく、ファンタジーRPGの作り方そのものを変えようとしていると見ています。

その動きを象徴するのが、2025年6月に発表されたパーキンス氏とクロフォード氏の移籍です。D&D第5版の設計を形作った2人は、Wizards of the Coastを離れ、Critical Roleの出版部門Darrington Pressに加わりました。移籍後、2人はインタビューや公の場での発言を除けば比較的目立った活動を見せていませんでしたが、Gen Con 2026で本作に関わる複数の企画が明らかになりました。

その最初の成果となったのが、先月発売された初の拡張書籍Hope & Fearです。パーキンス氏によると、2人がチームに加わった時点で本の大部分は完成していたものの、まだ空白が残っており、そのうちの1つとしてキャンペーン枠の執筆を任されたとのことです。クロフォード氏も、2人はキャンペーン枠の制作に加え、ルール開発を含む拡張全体の作業に参加したと説明しています。

拡張書籍には4つのキャンペーン枠を収録

キャンペーン枠とは、特定の舞台や雰囲気、ジャンルに結びついた物語をひとまとめにした土台です。ゲームマスターは提示されたテーマ、ルール、キャラクター、場所などを広げることで、自分たちのキャンペーンを組み立てられます。完成済みの一本道の冒険というより、ゲームマスターとプレイヤーが発展させるための設定パッケージに近い形式です。

Hope & Fearには、4つの新しいキャンペーン枠が収録されています。さらに、新たなキャラクター選択肢、100体を超える敵、装備や戦利品の選択肢も追加されました。パーキンス氏とクロフォード氏が関わったReign of the Weredragonは、その中でも単独の強大な敵を軸にしたキャンペーンとして設計されています。

この形式は、2人がD&D時代に手がけた大型冒険にも通じます。Curse of StrahdやRime of the Frostmaidenのような作品は、長期キャンペーンとして遊べるだけでなく、舞台設定を構築するための情報も多く含んでいました。パーキンス氏は、キャンペーン枠を将来的に本格的な長編冒険へ発展させる考えが2人の中にあるとしつつ、実施する時期や物語はまだ決まっておらず、正式発表もないとしています。

『Curse of Strahd』を思わせる単独の悪役

Reign of the Weredragonが大きく影響を受けた作品は、D&Dの冒険作Curse of Strahdです。パーキンス氏は、1人の悪役を中心に据えたキャンペーン枠を作りたいと考え、クロフォード氏との共通の関心であるディズニー作品の悪役から、今回の敵を発想したと説明しています。

舞台となるWhelviaを支配する邪悪な魔術師Forlorne Lykonaは、ドラゴンへの変身能力を持ち、プレイヤーに複数の呪いを仕掛けます。マレフィセントを思わせる造形ですが、単に外見が似ているだけではありません。序盤から彼女と正面衝突すると、石化させられたり、呪われたワードレイクへ変えられたりする危険があるため、まずは最終決戦に必要な手がかりと協力者を探すことになります。

キャラクターたちに5つの「啓示」を与えるのは、Astromancerと呼ばれる預言者です。啓示は、決戦に役立つアイテムや味方を見つけるための手がかりとして機能し、Curse of Strahdに登場するMadame Evaに近い役割を担います。ただし、物語の舞台とキャラクターの関係性は大きく異なります。

プレイヤーが悪役の過去を決める仕組み

Curse of Strahdでは、キャラクターは外部からBaroviaへ迷い込み、閉じ込められた立場にあります。一方、Reign of the Weredragonのキャラクターは全員がWhelvia出身です。その土地に個人的な利害や過去があるため、悪役との対立は、外から訪れた冒険者が巻き込まれるだけの事件にはなりません。

さらに、プレイヤーはゲーム開始前のセッション0でForlorne自身の設定作りに参加します。ゲームマスターは用意された40個の問いからいくつかを選び、参加者に順番に答えてもらいます。悪役の性格や過去に起きた出来事を、ゲームマスターだけでなくプレイヤー全員で決めていく方式です。

この方法は、Darrington Pressが出版したゲームFor the Queenから影響を受けています。クロフォード氏は、プレイヤーが世界、舞台、冒険とつながり、物語を体験するだけでなく、その語り手でもあると感じられる仕組みを本作で追求していると説明しました。悪役の背景を先に共有することで、プレイヤーの選択が舞台設定や決戦への動機と結びつく構造になっています。

今後は大規模な舞台設定へ発展する可能性も

パーキンス氏とクロフォード氏は、キャンペーン枠を長期的な冒険や、より大きなキャンペーン設定へ展開する可能性を検討しています。ただし、どの枠をいつ、どのような物語として拡張するかは決まっていません。現時点で、Reign of the Weredragonの完全版にあたる企画が正式発表されたわけではありません。

なお、同キャンペーンが実際にどのような雰囲気で進むのかは、今後配信されるCritical Roleのライブ・アクチュアルプレイのミニシリーズで確認できます。このシリーズではパーキンス氏自身がゲームマスターを務める予定です。