『Valor Mortis』先行プレイで判明した魅力と深刻な難易度バランスの問題
2026年09月22日 | #ゲーム紹介 | Game Informer
『Valor Mortis』の先行プレイ版では、One More Levelが得意とする一人称アクションと、慎重な立ち回りを求めるソウルライクの融合が、確かな手応えを見せています。一方で、ボスや一部の通常敵が与えるダメージは極端に大きく、戦い方を学ぶ前に倒されてしまう場面も少なくありません。15時間にわたって序盤4章をプレイした原文筆者は、本作が優れた土台を持つ一方、難易度調整の不均衡によって大きく損をしているとしています。
一人称視点で描くソウルライク
本作は、Ghostrunnerシリーズを手がけたOne More Levelにとって初めての一人称視点ソウルライクです。舞台となるのは、荒廃した塹壕や戦場、放棄された建物、焼け落ちた村などが広がる18世紀フランス。主人公のWilliamはゲーム冒頭で命を落とした後に目を覚まし、自分が置かれた状況も、頭の中で語りかけてくる死者のNapoleon Bonaparteの存在も分からないまま、周囲を探索していきます。
探索の過程では、右手に炎や時間停止などの超自然的な力を取り込みます。敵には炎に弱い者が多く、燃焼ゲージを満たせば簡単にひるませることが可能です。時間停止の力も、凍結ゲージを満タンにした敵へ大ダメージを与える手段として機能します。銃器や複数の剣と組み合わせて戦う仕組みは、ソウルライクとしては個性的なだけでなく、BioShockを思わせる能力の使い分けも魅力になっています。
武器ごとの役割も明確です。サーベルは通常のダメージと防御を両立できる扱いやすい武器である一方、レイピアは突き攻撃によって敵の弱点を狙い、パリィ時のよろめきを大きくできます。ただし、レイピアでは防御ができません。武器ホイールにはまだ使用されていない枠も複数あり、製品版でどのような武器が追加されるのかにも注目が集まりそうです。
美しい環境と物語重視の冒険
環境デザインも先行プレイで好印象だった要素です。広いエリアには寄り道できる小道が適度に用意され、移動が単調にならないように設計されています。道中には短いパズルも配置されており、戦闘以外の場面で頭を使う機会になっています。
フランスの田園地帯や戦後の戦場そのものは、ゲームの舞台として特別珍しいものではありません。しかし、One More Levelはそこに異世界的な植物や地形、奇妙な成長物を加え、見慣れた風景を独自のものへ変えています。原文筆者は、18世紀フランスを舞台にした世界へRemedy Entertainment作品を思わせる雰囲気が加わっていると評しており、約15時間のプレイ中、環境を見て回ること自体を楽しめたとのことです。
また、一般的なソウルライクに比べて物語の存在感が強い点も特徴です。主人公とNapoleonの関係や、死後の世界でなぜ会話が成立しているのか、Williamが得ていく力の正体など、先へ進む動機となる謎が複数用意されています。先行版だけでも相当な時間を遊べたことから、製品版にはさらに多くの展開が残されていると原文筆者は見ています。
ボス戦で浮き彫りになった難易度の問題
最大の懸念は、エリアや敵ごとの難易度がうまく釣り合っていないことです。原文筆者はソウルライクに不慣れなプレイヤーではなく、Sekiro: Shadows Die Twiceのプラチナトロフィーも獲得しています。それでも、先行版のボス戦では合計100回以上倒され、なかには約30回の敗北を重ねたボスもいたとしています。
特に問題なのは、体力を可能な限り強化していても、ボスの攻撃1回で最大体力の約60%を失うケースがあることです。ソウルライクのボス戦は、敵の動きを観察し、攻撃パターンを覚え、適切な反撃を重ねて攻略するものです。しかし、攻撃を受けた時点で大幅に体力を削られると、相手の行動を学習するために生き残ること自体が難しくなります。原文筆者は、こうした戦闘が技術を試す場ではなく、ほぼ完璧なプレイを要求する場になっていると指摘しています。
この問題はボスだけに限りません。通常の雑魚敵の中にも、名前を持たない敵とは思えないほど強力な個体が存在し、進行中にミニボス級の敵と遭遇することがあります。ミニボス自体は歓迎できるものの、1つの章に7体も配置されると、戦闘の密度が過剰になってしまいます。章の終わりを飾るはずのボス戦も、盛り上がりより理不尽さが先に立つ場面があるとのことです。
発売前の調整に期待
それでも原文筆者は、倒されるたびにゲームオーバー画面から再開を選び続けたとしています。能力、武器、探索、物語、そして独特のビジュアル表現には、本作を魅力的なアクションゲームへ押し上げるだけの基礎があるためです。一人称視点でありながら、銃撃と剣技、特殊能力を組み合わせて敵を攻略する方向性も、既存のソウルライクとの差別化につながっています。
本作は10月13日に発売予定で、原文記事の時点では調整の時間が残されています。原文筆者は、発売前に敵の攻撃力や配置、章ごとの戦闘密度が見直されることを望んでおり、調整が不十分なままだと、優れたゲームになり得る作品が「楽しい」よりも「うんざりする」印象を強く残す可能性があると警告しています。魅力的な土台があるだけに、最終版で難易度の不均衡がどこまで改善されるかが重要になりそうです。