ソニー・ピクチャーズが『Mouthwashing』映画化の権利取得に動く、監督は『ジェニファーズ・ボディ』のカリン・クサマ
2026年10月30日 | #その他 | DualShockers
ソニー・ピクチャーズが、Wrong Organ開発のホラーゲーム『Mouthwashing』の映画化に向けて、制作権の取得に動いています。Deadlineの報道によると、ソニーはすでに脚本家と監督を選定済みで、監督は『ジェニファーズ・ボディ』や『イクイリブリアム』ではなく『ジェニファーズ・ボディ』『The Invitation』などカルト的人気を持つ作品で知られるカリン・クサマ氏が務めます。
映画化の概要
『Mouthwashing』は高い評価とユーザーからの支持を集め、小規模なWrong Organdのチームが想定していた以上の成功を収めました。ファン同士の議論やクリエイターの発言、次回作の示唆などもあり、映画化の話は数か月前から業界内でうわさされていました。今回、ソニーが制作権の取得に動いたことで、その話が現実味を帯びてきました。
脚本を手がけるのはMatt Manfredi氏とPhil Hay氏です。両氏はクサマ監督と過去にも組んでおり、ほぼ全編が同じ狭い空間で進む心理スリラー『The Invitation』を制作しています。制作の正式な続報までには、まだ時間がかかる見込みです。
原作との相性について
DualShockersの筆者は、発表されている顔ぶれが原作に合っていると見ています。『Mouthwashing』は、怠慢や責任、被害者意識を描いたシンプルながら重い物語で、トーンや方向性がずれると損なわれやすい作品だと筆者は述べています。筆者はMatt Manfredi氏とPhil Hay氏の脚本参加に大きな期待を寄せる一方、原作を超えることはないだろうとも見ています。
筆者によると、閉鎖された場所と孤立感は、作品全体のトーンに欠かせない要素です。プレイヤーは登場人物たちと同じように、閉塞感と取り残された感覚を味わいます。一方で、最も難しい点は「信頼できない語り手」の扱いだとしています。特に冒頭のシーンでは、CurlyとJimmyの視点の切り替えが意図的に曖昧にされています。
筆者は、この構造がプレイヤーを誤解させつつ、事件の真相を自分で組み立てさせるものだと説明しています。主人公が悲劇の責任を逃れようとする中、プレイヤーは最も責任が重い2人の背後に座らされる形になります。筆者はこれを、ゲームというメディアに合った語り方だと評価しています。
筆者が懸念しているのは、映画という別の形式になることで、ゲームで前面に押し出された表現が薄れる可能性です。ただし利点もあるとしています。原作ではJimmyについて、不安を抱えていること以外はあまり描かれていません。映画ではJimmyとCurlyの人物像をより深く描き、2人の選択が一時的なパニックだけでなく、内面の深い部分から生じたものであることを示せるかもしれない、と筆者は期待しています。
ファンコミュニティと今後への期待
筆者は、キャスティングが決まった後の出演者に同情するとも述べています。筆者の見方では、『Mouthwashing』のファンコミュニティは批判の方向が単調になりがちです。多くの長年のファンコミュニティと同様に、登場人物を物語上の役割だけに単純化し、掘り下げや考察の余地を狭める傾向があるといいます。
作品は非常に暗い題材を扱っていますが、各登場人物がそれぞれ異なる形で苦悩に向き合う描き方に、Wrong Organのチームの脚本力が表れていると筆者は評価しています。映画では、主要2人の内面の語りによる人物描写と会話を、説得力のある形に置き換えられるかが脚本家の課題になります。筆者はそれでも期待しているとしています。
また筆者は、制作の中心となる3人が、日常的な映像で大きな心理の変化を表現することに慣れていると指摘します。原作の見どころすべてを映画にできるわけではないものの、重要な場面を丁寧に掘り下げれば、映画は原作の良い補完作品になり得るとの見方です。
『Mouthwashing』は2024年9月26日に発売されました。発売から2年が経った現在も色あせず、短いながらエンドロール後も印象に残る物語を提供している、と筆者は評価しています。
『Mouthwashing』はWrong Organが開発し、Critical Reflexが販売するサイコロジカルホラーです。