『Attack on Titan 3』はアニメの完全な再現ではなく、トラウマを抱えた新主人公が教官として物語を歩む作品
『Attack on Titan 3』のプレビューをお届けします。前作『Attack on Titan 2: Final Battle』から7年ぶりとなる本作は、数字こそ付いていますが直接の続編ではなく、アニメと同じ大筋をたどる「語り直し」の作品です。筆者は第1シーズンを最後にアニメから離れていたとのことですが、今回の体験で、ゲームとしてならもう一度触れてみたいと感じたそうです。
続編ではなく「語り直し」を選んだ理由
プロデューサーの鈴木氏(Hideo Suzuki)によると、前作の直後から続編の話は始まっていたものの、当時はアニメがまだ続いていました。新しい部分だけを扱う案もありましたが、ゲーム単体の作品としては足りないと判断したそうです。そこで、アニメが終わりを迎えるのを機に、物語を最初から最後まで追う形にしたと説明しています。
ただし、単純な再現ではありません。プレイヤーはオリジナルキャラクターとして立体機動装置を身に着けます。分隊長として初任務に出たものの分隊が全滅し、そのトラウマからティタンと戦えなくなった人物です。優れた技師であり、立体機動の才能にも恵まれているため、装備の整備や新兵の訓練を担う立場で残ることになります。筆者は、深く傷ついて得意だったことから距離を置かざるを得ない人物を演じさせるゲームは珍しいと述べています。
鈴木氏によると、この設定は意図したものです。まずティタンが人類の敵であることを示す必要がありました。また、エレンたちの先輩にあたる人物が最初から強ければ語るべき物語が少なくなるため、序盤に挫折を用意したとのことです。主人公はエレンたちの指導役になり、ともに戦いながらトラウマを乗り越えて成長していきます。
教官として新兵と向き合う
キャラクターを作成した筆者は、第104期訓練兵団の教官になります。担当するのはエレン・イェーガー、アルミン・アルレルト、ミカサ・アッカーマンたちで、厳しい教官キースとともに彼らを一人前の兵士に育てる役目です。訓練兵はただの白紙ではなく、それぞれが強い個性を持っています。入団式が終わるとすぐ、エレンが調査任務の少なさや壁の奪還について詰め寄ってきて、主人公が自身の挫折を思い返す場面は印象的だったそうです。
本作では、仲間との関係づくりも中心的な要素です。鈴木氏は、プレゼントを贈る、食堂で一緒に食事をする、自室に招いて会話をするといった方法で親交を深められると説明しています。仲良くなった仲間は壁外の任務や調査に連れて行くことができ、ティタンとの戦いでは「Buddy Arts」と呼ばれる特殊スキルを一緒に使えます。関係が深まるほど、壁外での任務や調査の成果も良くなるとのことです。
進化した立体機動とティタン
訓練では立体機動装置の操作を学びます。岩や木にワイヤーをかけて次の場所へ飛ぶ動きは爽快で、移動のあらゆる面を自分で操れる感覚があったそうです。建物や木に体を固定する、高度を細かく調整する、アーチの下をくぐり抜けるといった、シリーズ初の動作も加わっています。
鈴木氏は、前作は上級者でなくても遊びやすかった一方で、本作では上級者がより上手に戦え、ティタンを倒したときの達成感も味わえるようにしたかったと語っています。操作できる範囲が広がり、状況に合わせて戦術を絞り込めるようになりましたが、基本は簡単なままだそうです。
立体機動だけが強くなればティタンの脅威が薄れるため、ティタン側のアルゴリズムや戦闘パターンも改良されました。人間にとって大きな障害であり続けるようにしたとのことです。
ウォーハンマーの巨人との戦い
物語の後半に飛んだ筆者は、人間の敵を倒して戦闘に慣れたあと、ウォーハンマーの巨人と対戦しました。チュートリアルで戦ったティタンとは違い、直接ダメージを与えることはできません。まず「Break Gauge」をためて弱らせ、そのうえでとどめを刺す流れです。回避や受け流しをしつつ攻撃を重ねていく、忍耐の戦いだったと筆者は振り返っています。象に挑む蚊のようなもので、相手が少し動くだけで自分はやられてしまうと表現しています。
使える手段も用意されています。攻撃を受けたら回復薬で立て直し、刃が欠けたら新しいものに替え、ダメージを重ねると「Combat Arts」が使えるようになります。なかでも「Buddy Arts」は派手で、決めるたびに格好よさを感じたそうです。それでも最後の最後で力尽き、倒しきれませんでした。
戦闘の合間の時間が印象に残った
筆者にとって最も心に残ったのは、戦闘そのものよりも、戦いの外で他のキャラクターと過ごした時間でした。日常の場面があるからこそ、ティタンとの戦いがより重く感じられたといいます。
鈴木氏は、これは狙ったものだと述べています。この作品は戦闘だけでも成立するものの、キャラクターに魅力と深みがあるため、日常を描けばファンも喜ぶと考えたそうです。原作漫画やアニメにはコミカルな場面も多く、緊張と緩和の関係がゲームをより楽しくするとも話しています。
新キャラクターとオリジナル要素
鈴木氏は、新しいキャラクターを加えることで、既存のファンには物語を違った視点で見てもらい、新規のプレイヤーには作品に入るきっかけにしてほしいとしています。アニメの再現にとどまらず、サブストーリーやイベントといったオリジナルの内容も多く用意されており、IPの権利元である講談社と密に連携して作ったそうです。
さらに、オープニングアニメーションをMAPPAが制作することはすでに発表済みですが、鈴木氏は制作途中の映像を見て、品質が素晴らしかったと明かしました。この点は、まだ他では話していなかったことだといいます。
筆者のまとめ
筆者は、本作がさまざまな要素を同時に抱えており、シリーズで新しいことに挑む姿勢は称賛に値すると評価しています。自分が『Attack on Titan』のファンになるかは分からないとしつつも、もう一度立体機動装置を身に着け、主人公が償いの旅を終える姿を見届けたい気持ちがあると述べています。