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『マジック:ザ・ギャザリング』新セット「Reality Fracture」、デザイナーが語るジェイスの物語とEchoed Pairsの狙い

2026年10月31日 | #ゲーム紹介 | IGN

『マジック:ザ・ギャザリング』新セット「Reality Fracture」、デザイナーが語るジェイスの物語とEchoed Pairsの狙い

『マジック:ザ・ギャザリング』の新セット「Reality Fracture」は、Universes Beyondが2セット続いたあとのUniverses Withinのセットです。プレインズウォーカーのジェイス・ベレレンによって姿を変えられた、おなじみのキャラクターや呪文が登場します。IGNは、プリンシパル・ゲームデザイナーのヨニ・スコルニク氏(元プロプレイヤー)と、ワールドビルディング・デザイン・マネージャーのメリス・マリー氏に、セットの着想元やパックの中身、Secret Lair Bundleについて話を聞きました。なお、記事の最後でストーリーに関するネタバレを含む話題に触れます。

着想の源は2007年の「Planar Chaos」

「What If」的な別世界の描写は、ポップカルチャーでは珍しくありません。昨年のMarvel's Spider-Manセットの影響を尋ねたところ、発想の源はもっと古いセットにあるとのことでした。

スコルニク氏は「アイデアの一部は、What Ifの要素が多かった2007年のセット『Planar Chaos』にさかのぼります」と明かしました。同セットは、マジックのカラーパイをひっくり返し、本来その色にはない効果を各色に持たせるものでした。今回は同じ手法に戻るつもりはなかったものの、What Ifという発想は熱心なファンへの敬意を示せる点で魅力的だといいます。ヘッドデザイナーのマーク・ローズウォーター氏がこの発想を再び試したがっていたこと、そしてジェイスの物語の締めくくりに合致したことも、実現につながりました。

Echoed Pairsとジェイスの3つの姿

Echoed Pairsの制作では、複数のレジェンドが登場する過去のマジックIPセットから多くを学んだと、マリー氏は話します。選んだのは、現在のマジックの時間軸で活動している、もしくは活動していてもおかしくないキャラクターです。また、多元宇宙のキャラクターがジェイスを止めるためにヘクスヘイヴンへ集結する構図は避け、多くをそれぞれの故郷の次元にとどめました。これにより物語の焦点が絞られ、「なぜこの人物がここにいるのか」という疑問も減らせたといいます。

ジェイスのプレインズウォーカーカードが3種類ある点については、「Edge of Eternities」や「The Lord of the Rings: Tales from Middle-earth」のレジェンドと同様に、1人のキャラクターを物語の複数の時点で描く手法だそうです。3枚はそれぞれジェイスの旅路の異なる段階を表し、力を蓄え、最後の計画を実行する準備が整っていく過程を反映しています。

青の悪役としてのジェイス

ジェイスは2007年の「Lorwyn」から登場している青のプレインズウォーカーですが、近年のセットでは物語の背景に回っていました。スコルニク氏によると、Empower Jaceというメカニズムは、セットにあまり深く関わらないプレイヤーにも主人公の存在を感じさせるのに最適でした。ジェイスの歴史をさらに知りたい新規プレイヤーのために、ジェイスのプレインズウォーカーカードと組み合わせると強くなるカードも用意されており、過去のカードを振り返る作業が報われるようにしてあります。

物語面については、ワールドビルディングチームの手腕に感銘を受けたとスコルニク氏は語ります。新規プレイヤー向けには、「闇の魔法使いの塔」や「かつての味方が敵になる」といった普遍的なファンタジーの定番を用いて入りやすくしつつ、イラストには深い設定への言及を多く盛り込みました。ウェブ小説では、ジェイスの物語に引き込まれる結末も描かれます。さらに、ジェイスが非常に青らしいキャラクターであることから、彼の役割を理解することが青の立ち位置を理解することにも重なります。「マジックで最初に学ぶことの1つが、青のプレイヤーは悪者だということ。だから典型的な青の悪役は自然な選択でした」とのことです。

Echoed Pairsは、通常版とEchoverse版のカードがペアになったものです。たとえば「Karn, Argent Defender」と「Karn, Gilded Guardian」がその例です。スコルニク氏は、パックにつき1枚のカードを確実に入れる仕組みは、パックにレジェンド1枚を入れた「Dominaria」の登場以来、非常に好評だと述べました。Reality Fractureではレジェンドを1パックあたり3枚に増やしていますが、これは印刷上の制約のもとでEchoed Pairsを確実に入れるために必要でした。ファンに喜ばれる、わくわくするパックになっているそうです。

同氏は、関連のある3枚をパックに入れる手法を、いつか別の場面でも使えるだろうと見ています。今回の試みは2027年のパック変更とは直接関係がないものの、両者を合わせると、絶えず新しさと再発明を求めるデザインの要請と、成長する顧客層向けに全商品を印刷する現実とのあいだで、生産チームが向き合う課題の幅広さがわかると語りました。

Secret Lair Bundleは今後も継続

取材後、Reality Fracture向けのSecret Lair Bundleは発売が延期されています。今後も続くのかを尋ねると、「はい」との答えでした。Secret Lair Bundleはマジックのマルチバース系セットの定番となり、今後のセットにも登場する見込みです。

このバンドルを始めた理由の1つは、Special Bundleを1つの充実した商品にまとめ、セットごとに繰り返せるようにすることでした。Reality Fractureのテーマと、ジェイスの聖域を探る趣向が、この新商品ラインの出発点として理にかなっていたそうです。

開発陣のお気に入りカード

お気に入りのカードを尋ねると、スコルニク氏は2種類のアジャニのプレインズウォーカーカードを挙げました。スタンダードのライフゲイン系デッキで活躍している「Ajani Resolute」は、マナ2のプレインズウォーカーという調整の難しい枠です。プレインズウォーカーがセットの大きな柱であるため、ぜひ印刷したかったといいます。「Ajani Unrelenting」はドラフトで圧倒的な強さを見せており、プレインズウォーカーを軸にした統率者戦のデッキでの活躍も楽しみにしているそうです。

マリー氏の選択はストーリーのネタバレを含むため、物語を楽しみにしている方はここで読むのをやめてください。

マリー氏が挙げたのは「Vindictive Triumph」です。リリアナが、Echoverseの自分自身をリッチとして蘇らせ、ジェイスに戦いを挑む場面を描いたカードで、物語の初期稿でこの場面を読んだときに、すぐカードにしなければと思ったそうです。