『DOOM: The Dark Ages』DLC開発で最大17時間労働、発売直後に担当開発者が解雇
2026年09月01日 | #その他 | Eurogamer
『DOOM: The Dark Ages』の大型DLC「Revelations」をめぐり、id Softwareの元プロデューサーが、発売前の2カ月間に連日12時間以上働き、数日には17時間に達したと明かしました。しかも、完成に向けて長時間労働を重ねた開発者の一部は、DLCの発売と同じタイミングでMicrosoftの大規模な人員削減の対象になったとのことです。作品を届けるために生活を犠牲にした直後の解雇という、ゲーム開発現場の厳しい実情が改めて浮き彫りになっています。
発売直前の2カ月に最大17時間労働
「Revelations」は7月に発売されましたが、その直前の開発は短期間に集中していたとされています。プロデューサーのAndrew Willis氏はInsider Gamingの取材で、発売までの2カ月間は「少なくとも毎日12時間ほど」働いていたと説明し、数日には17時間働いたこともあったと明かしました。ゲームの大部分は3〜4カ月で作られたといい、短い期間に作業量が膨らんだことが長時間労働につながったとみられます。
Willis氏によると、子どもに一日会えなかった日も複数あり、チーム全体が完成と品質のために長時間働いていました。スタジオから残業を命じられたわけではないものの、1週間分として60時間相当の仕事を抱えれば、品質を落とさず終わらせるために働き続けるしかなかったとしています。最低限通用する内容に仕上げることはできても、プレイヤーや自分自身が期待する水準で名前を出すには、事実上の「自発的なクランチ」を避けられない状況だったという説明です。
完成に貢献した開発者も人員削減の対象に
「Revelations」の発売時期には、Microsoftが約3,200人を対象とする大規模な人員削減を発表しました。影響はXbox関連スタジオのほぼ全体に及び、id Softwareも対象となりました。発売に向けて数週間にわたってクランチに参加した開発者の中には、拡張DLCが発売された直後に解雇された人もいたとのことです。
Willis氏は、完成のために「人生のエネルギーや時間を大量に使い、さまざまなものを犠牲にしたのに、その翌日に解雇される」という状況について、非常に異様な感覚だったと語っています。チームにはハリウッドで20年、ゲーム開発で10年働いた経験者もいましたが、そうしたベテランでさえ、今回のクランチはこれまで経験した中で最悪だったと話していたといいます。
id Softwareの大規模な縮小と今後
id Softwareでは、報道によればメンバーの半数以上が人員削減の影響を受けました。id Techエンジンや中核分野を長年支えてきた主要スタッフも含まれていたとされ、スタジオの将来にどの程度影響するのかが議論されています。一方、共同スタジオディレクターのHugo Martin氏は、残ったチームはDoom(2016)を制作した当時と同程度の規模だとして、スタジオが完全に機能を失ったという見方には反論しています。
現在もid Softwareに在籍するリードサービスプロバイダーのChris Hayes氏は、Xboxの人員削減を批判し、残された人数でDoom(2016)のようなゲームを作るのは「不可能」だと発言しました。原文筆者も、今回の削減はスタジオの状況を悪化させるだけでなく、判断として合理性に欠けると論じています。なお、「Revelations」は本作でリリースされた唯一の追加コンテンツで、id Softwareの次回作が何になるのかは、現時点で明らかになっていません。