← 最新記事一覧

『Doom: The Dark Ages』元プロデューサーがGame Passを批判「本作を入れるべきではなかった」

2026年09月16日 | #その他 | GamesRadar+

『Doom: The Dark Ages』元プロデューサーがGame Passを批判「本作を入れるべきではなかった」

『Doom: The Dark Ages』の元プロデューサーであるAndrew Willis氏が、Microsoftのサブスクリプションサービス「Game Pass」の運営を強く批判しました。氏は、同サービスの成功指標が社内で明確に定められていなかったと指摘し、本作を発売時からGame Passに含めた判断についても「愚かな考えだった」としています。id Softwareでは2026年7月に大規模な人員削減が実施されており、氏は本作の売上が期待を下回った背景にGame Passが関係していた可能性を示しました。

元プロデューサーが指摘するGame Passの問題

Willis氏は、インタビュー番組「Kiwi Talkz」でGame Passについて語り、サービスの運営を「ひどく管理されている。極めてひどい管理だ」と表現しました。氏によると、サービスは将来を見通した計画や細部への配慮、消費者市場への理解が不足したまま進められたといいます。Microsoftが「すべてをNetflixのようにすればいい」という発想に陥ったことが、混乱の一因だったとの見方も示しています。

さらにWillis氏は、MicrosoftがGame Passの成功を何によって測るのか、最後まで決められなかったのではないかとしています。プレイされた時間なのか、ゲームのインストール数なのか、ユーザーの継続率なのか、それとも加入者がタイトルを見つけてすぐにインストールすること自体を重視していたのか、開発者側には達成すべき指標が共有されていなかったとのことです。

氏は、ゲームを「投資家の都合」に基づいて判断すると、消費者や開発者の視点から離れ、大きな間違いにつながると説明しました。特に、作品を長時間プレイさせることが目的なのか、何度も継続的に遊ばせることが目的なのか、あるいは一度触れてもらうだけで十分なのかが不明確なままでは、開発側が商業的な判断を下すのは難しいとしています。

Microsoft自身も事業の不調を認める

Willis氏の発言は、Microsoft側が近年示してきたGame Passへの見解とも重なります。XboxのCEOであるAsha Sharma氏は、2026年5月、サービスの改善に向けた価格引き下げを「良い第一歩」と説明しました。そのうえで、持続的な成長を取り戻すには、目の前の問題に対してXboxのスタッフがさらに努力しなければならないとの考えを示しています。

しかし、Microsoftがその後に発表したXbox関連の人員削減は、合計3200人規模に及びました。Sharma氏は2026年7月にも、現在の事業は健全ではないと説明しています。成長のためにGame Pass、マルチプラットフォーム展開、より幅広いコンテンツへの投資に賭けてきたものの、それらの事業が生み出した価値は、会社が期待していたペースでは成長しなかったとのことです。

この状況についてWillis氏は、MicrosoftがGame Passの成果を適切に把握できていなかったのではないかと改めて疑問を呈しました。加入者数だけでなく、各ゲームがサービス内でどれほど遊ばれたのか、購入予定だったユーザーが加入に流れたのか、プレイ後にシリーズや追加コンテンツへつながったのかなど、作品ごとに異なる影響を検証する必要があると考えられます。ただし、氏が実際にどの指標を採用していたのかを確認できたわけではなく、開発者にはその情報が届いていなかったとしています。

本作のGame Pass提供と売上への影響

Willis氏は、Microsoftが本作をGame Passに含めたこと自体を問題視しています。氏は「Doomはそこに入れるべきではなかった。あれは愚かな考えだった」と述べ、サブスクリプションで遊べる状態にしなければ、作品の売上はより良い結果になった可能性があると推測しました。

本作の商業的な結果がid Softwareの大規模な人員削減に直接つながったと、Willis氏が明確に説明を受けたわけではありません。氏自身も、2026年7月の削減でid Softwareが大きな打撃を受けた理由を把握していないとしています。それでも、本作の売上が期待されていた水準に届かなかったことについては、Game Passが大きな要因だった可能性があると考えています。

本作の発売後、権利元のBethesdaは、シリーズの前作にあたるDOOM Eternalと比較して、300万人のプレイヤー到達が7倍速かったと報告しました。Bethesdaはこの記録を、id Software史上最大のローンチとして紹介しています。ただし、The Game Businessの報道では、300万人のうち200万人以上がXbox側のプレイヤーで、PS5では約50万人だったとされています。この数字はプレイヤー数の大きさを示す一方で、購入者数や売上本数を直接示すものではありません。

Willis氏は、プレイヤー数が伸びたにもかかわらず売上が期待を下回ったのだとすれば、Game Passによって本来ならゲームを購入していた人が、サービス内でプレイする選択肢へ移った可能性があると見ています。インストール数やプレイ時間を重視するなら、Game Passで多くのユーザーに触れてもらうことは成果になり得ます。しかし、ゲーム本体の販売本数を重視する場合、その成果との間には大きなトレードオフが生じます。

id Softwareの人員削減をめぐる見解

Willis氏は、Game Passと本作の売上が人員削減にどの程度影響したのかについて、あくまで推測にとどまると強調しています。id Softwareが半分に削られた理由について、氏は「なぜこのような扱いを受けたのか、よく分からない」と語っており、社内で示された具体的な説明を持っているわけではありません。

一方で、作品の評価やプレイヤー数だけではなく、どのように収益へ結びついたかを企業が判断できなければ、開発チームは予測不能なリスクを負うことになります。Game Passによって多数のプレイヤーに届いたとしても、その数字が販売減少を補うほどの価値を持ったのか、Microsoftがどのように比較したのかは明らかになっていません。

今回の発言は、Game Passの利用者数やプレイ時間が伸びているかどうかだけでは、ゲーム事業の健全性を判断できないという開発者側の懸念を示すものです。Microsoftが同サービスを成長戦略の中心に据えながら、成功の基準を開発者と共有できていなかったとすれば、本作を含む個々のタイトルに対する判断にも影響した可能性があります。