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『No Law』はプレイスタイルを問わず報酬するサイバーパンク・イマーシブシム

2026年09月04日 | #ゲーム紹介 | Eurogamer

『No Law』はプレイスタイルを問わず報酬するサイバーパンク・イマーシブシム

Gamescomで披露されたNo Lawは、サイバーパンクFPSという一言では収まらない、選択の自由を重視したイマーシブシムです。Neon Giantが手がける本作は、ステルス、会話、探索、銃撃戦といった複数の攻略手段を用意するだけでなく、特定の行動を選ばなければ損をするというジャンルの不満にも向き合っています。原文筆者は、短いデモながらGamescomで特に注目すべき作品のひとつだったと伝えています。

未来都市ではなく、過去と自然が残るポート・デザイア

本作の舞台は、未来的な技術と古い建物が混在する都市ポート・デザイアです。主人公は、引退後に植物の世話をしながら静かに暮らしていた元軍人グレイ・ハークナー。何らかの理由で再び暴力と陰謀の渦中へ引き戻され、都市で起きている事件の背後にいる人物や組織を追うことになります。原文筆者は、ハークナーを1990年代以前のアクション映画の主人公を思わせる、毛深く大柄な人物として紹介しています。洗練された英雄というより、ジャン=クロード・ヴァン・ダムのような肉体派の存在感が特徴です。

ポート・デザイアの景観は、サイバーパンク作品で定番となった、企業広告と巨大建築に覆われた無機質な都市とは異なります。色あせたパステルカラーで塗られたレンガ造りの建物のそばをドローンが飛び、現代にもありそうな集合住宅の隣に、サイバー化された新しい建物が立ち並びます。地中海沿岸の街を思わせる雰囲気があり、原文筆者はニースやモナコを歩いているようだったと表現しています。

自然も都市から完全には追い出されていません。木々は建設を押しとどめるように立ち、舗装の割れ目からは緑の芽が伸びています。開発者の説明では、ポート・デザイアでは自然の広がりに対する一種の戦いが起きているとのことです。住民にとっては問題でも、コンクリートと暗い路地が中心になりがちなサイバーパンクの舞台設定に、別の印象を与える要素になっています。

建物単位で作り込まれた探索と行動の自由

Gamescomで公開されたのは、ゲームの一部を切り出したハンズオフ形式のデモでした。開発者の操作する画面では、主人公が近隣の賃貸住宅にいる人物を探します。そこへ向かう通りには多くの人々が行き交い、それぞれが日常を送っていました。開発者によれば、都市内の建物は実在する通りに配置され、個別の番号も設定されているとのことです。HUDによる案内を無効にするモードも用意され、プレイヤーは街路標識を読み、必要なら自分でノートを取りながら目的地を探すことになります。

買い物でさえ、単なるメニュー操作にはなっていません。店内に並ぶエナジードリンク、刺激剤、ジャンクフードなどは、棚から1つずつ手に取ってインベントリへ入れられます。そのままレジで会計することもできますが、商品を持って店外へ逃げることも可能です。さらに、出口のセンサーを盗んでグレネードに取り付ければ、遠隔地雷として利用できます。店主との争いに発展して店主を殺した場合、翌日にはその店が閉店するという結果も生じます。

このように、建物やNPCはプレイヤーが触れられる対象として配置されています。デモでは、賃貸住宅へ昼と夜の2回侵入する場面が示されました。昼間は警備する敵が多く、建物の外周を避けて進み、金属製のひさしを使って内部へ入るステルス行動が有効でした。受付にはマフィア映画の登場人物のような太った大家がおり、上階へ進むための鍵を金で買うこともできます。しかし、近くの洗面所に隠された合言葉を探せば、支払いを避けることもできました。

ステルスと銃撃戦のどちらでも不利にならない報酬設計

本作が特に注目される理由のひとつが、経験値の与え方です。原文筆者は、近年のDeus Exシリーズが抱えていた問題を引き合いに出しています。同シリーズでは、鍵を開ける、敵をステルスで気絶させるといった個別の行動に経験値が与えられます。その一方で、気絶させた敵を殺しても経験値を得られるため、実際には必要のない扉まで開け、眠っている敵まで倒すことが最も得になる場面がありました。ステルスや非殺傷を選びたいプレイヤーにとって、プレイの自然な動機と報酬の仕組みが噛み合っていなかったという指摘です。

本作では、鍵を開けたこと自体ではなく、その部屋へ到達したことや、より大きな目標を達成したことに対して経験値が与えられます。どの方法で問題を解決したかではなく、目的を達成したかどうかを評価する設計です。デモのステルス場面では、テーザーで警備員を倒し、別の敵を背後から絞め落とし、通気口を通って先へ進みましたが、その選択による数値上の不利益はありませんでした。

世界の各所には、特定スキルの専門化に役立つ収集可能な雑誌も配置されているとのことです。原文筆者はデモ中に実物を確認していないものの、プレイヤーが望む能力へ特化していく仕組みとして説明されています。探索の結果、追跡対象がかつての仕事で利用権限を得た隠しトンネルにいる可能性が浮上し、金庫から入手したキーカードによって次の手がかりへ進む場面もありました。金庫の暗証番号には、イマーシブシムでおなじみの「0451」も試されています。

一方、夜の場面では雨が降り、警備する敵の数が少なくなっていました。主人公はマシンガンを装備し、電撃グレネードで敵をまとめて攻撃します。電撃が連鎖して敵が激しく爆発し、床や壁、玄関前のソファに血肉が飛び散る、ステルスとは正反対の展開です。開発チームにはBulletstormに携わったメンバーがおり、金属製のシャッターを脚で蹴り飛ばす動作などに同作のDNAが感じられたと原文筆者は述べています。Bulletstormほど派手にアクションを叫ぶ印象ではないものの、暴力を組み合わせて突破する精神は残されているとのことです。

選択した行動が会話の態度にも反映

受付の大家との会話では、旧来のダイアログホイールに頼らない設計が示されました。プレイヤーは話題を選びますが、ハークナーがどのような態度で話すかは、それまでの行動によって変化します。ステルス中心で進めた場合は、上階へ通してもらうために交渉を試みる態度になります。逆に、周囲の住民を銃撃して敵を肉片に変えた後は、より攻撃的で脅迫的な話し方になりました。画面上で選んだ文章と、操作キャラクターの実際の口調が食い違う問題を避ける狙いがあるようです。

武器の扱いにも、本作の過激な方向性が表れています。探索の報酬として非殺傷武器を見つけた場合でも、それを単に敵を無力化するためだけに使う必要はありません。スタンガンは、電圧を流し続けることで対象を燃え上がらせる使い方が可能です。非殺傷を前提に見える装備にも別の用途を持たせ、どの武器を手にしてもプレイヤーが戦闘を楽しめるようにしています。

今回のデモは30分ほどの短い縦切り版であり、探索や物語の謎が本格的に広がる長時間のプレイを示すものではありません。それでも原文筆者は、作品の規模が大きいだけに、Neon Giantが最後まで完成させられれば、注目しなかったことを後悔する人が出るかもしれないと見ています。なお、このプレビューはドイツ・ケルンで開催されたGamescomでの試遊取材に基づくもので、Kraftonが渡航費と宿泊費を提供したと記されています。