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『No Law』は24人の小規模チームが手がけるDeus Ex系没入型シム

2026年09月09日 | #その他 | IGN

『No Law』は24人の小規模チームが手がけるDeus Ex系没入型シム

『No Law』で注目を集めているのは、未来都市を舞台にした銃撃戦そのものではなく、プレイヤーの行動が環境やNPCの状態を変え、1つの目的に複数の攻略法を生み出す点です。IGNの原文筆者は、開発元Neon Giantによる試遊を通じて、ステルス、会話、探索、爆発を組み合わせた自由度の高いプレイを体験しました。24人の小規模チームが作る作品ながら、都市の細部や物理的な反応にも力が注がれていると紹介されています。

Deus Ex型の没入型シムとして描かれる都市

舞台となるPort Desireは、ネオンに彩られた地中海風の大都市です。原文では、Cyberpunk 2077のNight CityとDishonored 2のKarnacaを組み合わせたような街と表現されており、ガラスや鉄筋コンクリートの建物には植物のつるが絡み、都市の隙間を自然が取り戻そうとしています。地下鉄にはネズミが徘徊し、地上には高層の屋上が広がるなど、街は横方向だけでなく縦方向にも探索できる構造です。

本作は、未来都市を舞台にしたRPGではなく、Deus Exに連なる没入型シムのシューターとして作られています。一般的なオープンワールドよりも街の規模は小さい一方、各エリアの密度を高める方向性が採られています。建物の内部、地下、屋上など複数の階層が単なる背景ではなく、目的地へ到達するためのルートとして機能します。サイバーウェアによるスーパージャンプを習得すれば、通常なら届かない高さにも移動できるようになり、都市の立体構造をさらに活用できます。

プレイヤーが操作するのは、軍務経験を持つGrey Harkerです。静かな引退生活を望んでいたものの、トラブルに巻き込まれ、再び暴力の渦中へ戻ることになります。屈強な肉体と推理力を備えた人物として描かれていますが、原文で強調されているのは彼自身の設定よりも、その能力を使って街の問題へどう対処するかというプレイヤーの判断です。

1つの任務に用意された複数の侵入方法

原文筆者が体験した任務では、アパートの2階にある部屋へ入ることが目的でした。しかし、建物の外には武装したギャングが集まり、受付係は通行を拒み、目的の部屋には鍵がかかっています。Neon Giantは、この一見単純な任務を、ステルス中心の進め方と、正面から破壊する進め方の2通りで実演しました。

ステルスルートでは、正面入口を避けて建物の側面から高所へ回り込み、敵の背後を通って内部へ侵入します。受付係に階段を通してもらうには賄賂を渡す方法もありますが、ロビーを調べると掲示板にパスワードを書いた紙が見つかります。周囲を探索するだけで金を使わずに先へ進めるため、目の前の選択肢に飛びつかず、別の解決策を探すことが報われる設計です。

階上では巡回する敵を避け、鍵のかかった目的の部屋へ向かいます。ロックピックを持っていなかったため、原文筆者は隣の部屋を利用しました。隣室の住人はドアを開けたまま眠っており、音を立てずに中へ入ると、室内の通気口から目的の部屋へ移動できます。住人を起こさないための姿勢や移動音への配慮が必要ですが、正規の入口を開ける装備がなくても、周辺環境を調べれば別の進入経路を見つけられます。

同じ任務を別のセーブデータからやり直すと、展開は大きく変化します。建物の外にいるギャングには、時間を停止させるステイシスグレネードを投げ、効果範囲内の敵を停止させたうえで銃撃を加える方法が使えます。原文筆者は、密集した群衆の中でグレネードを使い、停止した人物の1人をヘッドショットしたところ、周囲の人物へ連鎖するように肉体が破壊され、近くの弾薬箱まで誘爆して追加の銃弾が飛び交う状況を体験しました。これは単なる演出ではなく、複数のシステムを組み合わせた結果として発生する混乱の一例です。

受付係は、賄賂やパスワードを使わず、銃撃によって排除することもできます。さらに夜間に訪れると、上階にいる敵の行動が昼間と変わります。1人は手すりから身を乗り出しており、背後から近づいて倒せます。もう1人はベッドで眠っているため、起きている敵とは異なる方法で処理できます。時間帯によってNPCの配置や状態が変化することも、同じ場所を別の手順で攻略できる理由になっています。

プレイヤーの行動が残す環境への影響

2回目の侵入では、セーブデータの状態によってロックピック装置と、侵入能力を強化するためのスキルポイントが用意されていました。そのため、今回は鍵を開けて目的の部屋へ直接入ることができました。ただし、直前に外でステイシスグレネードを爆発させていたため、部屋の中では棚から物が落ち、床に散乱していました。自分が少し前に起こした爆発が、別の場所の状態にも反映される形です。

街の店も、単にアイテムを購入するためのメニューではありません。店内の商品は棚に実際に並べられており、飲料や食品を購入して所持品に加えられます。これらはさまざまな強化効果やボーナスをもたらすとされています。通常の客として代金を支払うだけでなく、商品を盗むことも可能ですが、店主は盗難を記憶し、次に訪れた際の反応が悪くなります。

別の手段として、夜まで待って店主が眠ったあと、裏口の鍵を探して忍び込むこともできます。いったん鍵を破れば、その侵入方法はプレイ中ずっと利用可能な状態として残ります。こうした持続的な変化により、プレイヤーの行動がその場限りで終わらず、以降の探索や再訪にも影響します。原文筆者は、派手な爆発だけでなく、店の鍵やNPCの記憶まで含めて世界が反応する点を評価しています。

Neon Giantは、店に並ぶ飲料ボトルや食品のパッケージを1つずつ手作業で作り込んでいるとのことです。原文では、生成AIに制作を置き換えさせず、チームの手による美術表現を重視していると紹介されています。街は汚れていながら明るく、近代的でありながら人が暮らしている実感もあるとされ、外見の派手さと生活感の両立が目指されています。

物語への懸念と期待

一方で、物語面についてはまだ不透明な部分が残ります。原文筆者は、今回の試遊範囲だけでなく、Neon Giantの過去作The Ascentも物語を中心にした作品ではなかったため、開発チームがこの世界へプレイヤーを十分に引き込めるだけの語りの力を持つかは判断できないとしています。ゲームプレイの自由度が高い一方で、世界観や登場人物の物語がどこまで強く印象に残るかについては、現時点で明確な評価を下していません。

ただし、原文筆者が最も期待しているのは、あらかじめ用意された物語の展開だけではなく、プレイヤー自身が道具や環境を使って生み出す出来事です。Deus Ex: Human Revolutionには企業倫理や陰謀を扱う物語があり、Dishonored 2には王位をめぐるクーデターから始まる復讐劇がありますが、原文筆者が長く記憶しているのは、そうした物語の中で自分の選択によって起きた出来事だとしています。

銃撃、ステルス、会話、探索、スキル強化、時間帯によるNPCの変化、破壊や物理演算を組み合わせることで、同じ任務でも異なる結果を作れることが本作の中心的な魅力です。Port Desireでどのような騒動を起こし、どこまで環境を利用できるのか。そして、1発の銃弾で何人の頭部を破壊できるのか。原文筆者は、こうしたプレイヤー自身の逸話を生み出せる可能性に強く期待を示しています。