『Call of Duty 2』がXbox 360で示したHalo時代の転換点
Xbox 360のローンチを支えた『Call of Duty 2』は、単なる新ハード向けの第二次世界大戦FPSではありませんでした。原文筆者のRyan McCaffrey氏は、本作がXbox 360の性能を印象づけると同時に、コンソールFPSの王座がHaloから移り始めた瞬間だったと振り返っています。
Xbox 360のローンチで存在感を高めた作品
2003年にPC向けとして登場した初代Call of Dutyは、第二次世界大戦を題材にした優れたミリタリーFPSでした。ただし当時、シリーズは現在のようなゲーム業界最大級のブランドではありませんでした。続編は2005年、発売を控えていたXbox 360のローンチタイトルとして投入される予定でしたが、Xbox 360の発売時点で最も期待されていた作品だったわけではないと、原文筆者は説明しています。
初代XboxにはHalo: Combat Evolvedという、発売時から新ハードを象徴する大作がありました。一方、Xbox 360のローンチラインナップには、Project Gotham Racing 3やCondemned: Criminal Originsなど有力作がそろっていたものの、Halo級の「これを遊ぶために本体を買う」タイトルが明確に存在していたわけではありませんでした。そのなかで本作は、発売前の取材をきっかけに大きく注目度を高めていきます。
原文筆者は2005年夏、Infinity Wardを訪れて続編のカバーストーリーを制作しました。そこで見せられたキャンペーンの初期ミッションに登場したのが、Xbox 360の性能を活用した立体的な煙の表現です。煙幕は単なる視覚効果ではなく、敵の視界を遮り、その隙に危険な場所を走り抜けるための戦術としてミッションに組み込まれていました。新ハードの処理能力が、ゲームプレイ上の判断に直接結びついていた点が強い印象を残したとしています。
煙幕とサウンドが生んだ新世代の臨場感
当時のXbox 360では、煙の量や広がりが従来よりも説得力をもって描かれ、煙幕を投げる意味が明確に感じられました。原文筆者は、この表現がXbox 360の新機能をアクションへ自然に取り込む好例だったと振り返っています。画面上の派手さを見せるだけではなく、敵の射線を切る、移動のタイミングを作るといった実用的な要素になっていたためです。
さらに、銃撃音や爆発音を含むサウンド面も高く評価されています。Xboxは初代機の時点から5.1chサラウンドに対応していましたが、Xbox 360で展開される戦場の音響は、煙の表現と組み合わさることで、より強い没入感を生み出していました。取材前は「期待作のひとつ」だった本作が、原文筆者にとってXbox 360のローンチラインナップで最も楽しみなゲームへ変わった理由は、こうした新世代らしい演出にありました。
キャンペーンの完成度と厳重なレビュー環境
当時のゲーム雑誌は、印刷や数十万規模の配送に時間がかかるため、発売の約2カ月前にレビュー用ビルドへ触れることも珍しくありませんでした。発売直前の提出ビルドが比較的完成版に近く、現在のような発売初日の大型パッチも一般的ではなかったためです。
しかし、新型Xboxと新作Call of Dutyの情報管理は厳しく、原文筆者はゲームのレビューを受けるのではなく、南カリフォルニアのInfinity Wardを再び訪れて数日間プレイすることになりました。まずキャンペーンを進め、その後にマルチプレイヤーを試しています。
キャンペーンは初代PC版よりも大幅に進化していたとされます。アクションの密度、ドラマ性、緊張感のいずれも増しており、原文筆者は「どの基準で見ても非常に印象的」な内容だったと評価しています。当時はまだ、Call of Dutyシリーズのマルチプレイヤーが各作品を買う最大の理由として定着していませんでした。そのため、キャンペーンだけでも新ハードのローンチ作品として十分な価値を示していたことが重要でした。
HaloからCall of Dutyへ移る王座
マルチプレイヤーも、複数のゲームモード、短いキルタイム、当時として印象的なグラフィックを備えていました。現在のようなパーティーチャットが普及する前の時代で、Xbox 360に同梱されたチャットヘッドセットを使い、プレイヤー同士が実際に声を掛け合って戦っていたことも特徴です。
もっとも、レビュー時の対戦相手はInfinity WardのQAテスターやマルチプレイヤーチームでした。原文筆者は、ほとんどプレイ経験がない状態で、数十時間、場合によっては数百時間も対戦していた開発スタッフと戦うことになったと記しています。それでもマルチプレイヤー自体の魅力は明らかで、シリーズが後に大規模な対戦ブランドへ成長する土台を感じさせるものでした。
Xbox 360の発売後もHalo 2は多数のプレイヤーに遊ばれていました。Halo 1とHalo 2はXbox 360の後方互換に対応した最初の2タイトルであり、その機能が本体に標準搭載されていたことも、従来の人気を支えていました。さらに2年後にはHalo 3が大きな盛り上がりを見せます。
それでも原文筆者は、本作を「HaloがコンソールFPSの王者であり続けた時代の終わりの始まり」と位置づけています。最終的に王座を決定的に奪ったのは、Infinity Wardの次回作であるCall of Duty 4: Modern Warfareでしたが、その流れを作った先行例が本作だったという見方です。
新ハードの力を示したローンチタイトル
原文筆者は、本作がXbox 360にとって「正しい時期に登場した正しいゲーム」だったとまとめています。新型ハードで可能になった煙の表現や音響を示しながら、対応ハードの性能に頼らず、ゲームそのものとしても完成度の高い作品だったためです。
一方で、現在プレイしても同じように通用するとは限らないとも率直に述べています。それでも発売当時に体験したプレイヤーにとっては、Xboxの歴史に残る大きな瞬間でした。Haloが築いたコンソールFPSの勢力図に変化が生じ、Call of Dutyが次の時代の中心へ進み始めたことを、Xbox 360のローンチという形で示した作品だったとしています。