『ゼルダの伝説』公式年表、ティアーズ オブ ザ キングダム時代を3つの時間軸の先に配置
2026年09月12日 | #その他 | DualShockers
『ゼルダの伝説』シリーズの公式年表が、任天堂によって再び大きく整理されました。今回の更新で注目されるのは、これまで従来の時間軸から切り離された“ソフトリブート”のように扱われていたブレス オブ ザ ワイルドとティアーズ オブ ザ キングダムの時代が、既存の3つの分岐のはるか未来に正式に置かれたことです。さらに、ハイラル王国の建国が1度ではなく、別々の時代に2度行われた形になっています。
公式サイトの年表に追加された出来事
任天堂は日本語版の公式サイトを更新し、シリーズ各作品の出来事を年表へ追加・再配置しました。細かな変更も複数ありますが、特に大きいのは、Echoes of Wisdomの背景にあたる出来事がSkyward Swordの直前に置かれた点です。これにより、シリーズの時間軸の最上部に、新たな創世神話の層が加わりました。
また、初代ゼルダ姫にまつわる悲劇も、別の位置に追加されています。眠り続ける姫というモチーフにつながる有名な背景設定が、敗北の時間軸における1986年のThe Legend of Zeldaの直前に配置されました。これまで個別に語られていた設定が、公式年表上の具体的な出来事として組み込まれたことになります。
ハイラル王国の「最初の建国」が2つに
今回の更新で最も議論を呼びそうなのが、ハイラル王国の成立時期です。従来、ファンの間では、ティアーズ オブ ザ キングダムに登場するラウル王がハイラルを築いた唯一の初代王だと受け止められることが多くありました。しかし新しい年表では、プライム時間軸においてハイラルの建国が2回存在する構成になっています。Spirit Tracksのニューハイラルまで含めれば、建国は3つあるとも解釈できます。
最初の建国は、Skyward Sword後の古代に起きた出来事として従来どおり扱われています。聖地の封印に関わる出来事が、王国の最初の成立に先行する形です。一方、ラウル王による建国は、そこからはるか遠い未来へ移されました。先行する時代の王国や文明が崩壊した後、別の時代にハイラルが再び築かれたという位置づけです。
この整理により、ラウル王が自らを「最初の王」とする設定も、以前の王国の存在と必ずしも矛盾しない形になりました。彼が治めるハイラルは、シリーズの最初期から続く王国そのものではなく、長い空白期間を経て再建された王国だと考えられます。つまり、同じ名前を持つ王国が、異なる時代に再び成立したことになります。
3つの分岐をつなぐ遠い未来
ブレス オブ ザ ワイルドとティアーズ オブ ザ キングダムは、これまでシリーズの既存年表から独立した時代、あるいは過去の歴史をいったんリセットした世界として考えられてきました。ゾナウの技術、ガノンとの間で起きた封印戦争、そしてラウル王が「初代王」と呼ばれる設定が、その見方を強めていたためです。任天堂の公式サイトでも、以前はこの時代が従来の年表から離れた孤立した位置にあるかのように説明されていました。
今回の更新では、その扱いが変わりました。ラウル王による建国は、敗北の時間軸、子ども時代の時間軸、大人時代の時間軸という3つの主要な分岐すべての先にある、非常に遠い未来へ配置されています。単独の並行世界や完全なリセットではなく、長い歴史の果てに成立した時代として、既存のシリーズと直接つながる形です。
この構成では、過去の作品で描かれた出来事が、未来の人々にとってはすでに失われた古代史になります。かつての戦いや王国の変遷は、古いタペストリー、伝承、歌などを通して受け継がれる伝説へと変わり、後世の人々が知る歴史の一部として残されていることになります。シリーズの各作品を結んでいた出来事が、作中世界では事実でありながら、長い時間の中で神話化したという解釈です。
年表の再整理が示すもの
この変更によって、シリーズ全体の歴史が一直線に整理されたわけではありません。むしろ、複数の分岐が存在したまま、それらがはるかな未来の時代で合流する構造が明確になりました。過去の3分岐を別々の歴史として維持しながら、そのすべての先にラウル王の時代を置くことで、ブレス オブ ザ ワイルドとティアーズ オブ ザ キングダムをシリーズ全体の後日談、あるいは大きな収束点として扱えるようにしています。
この整理は、過去作品とのつながりを説明する一方で、新たな疑問も生みます。各時間軸で起きた出来事がどのように失われ、どの段階で伝説へ変わったのか、3つの歴史が未来のハイラルでどのように統合されたのかは、更新された年表だけでは詳しく説明されていません。そのため、ファンが作品内の台詞や背景、伝承の表現をもとに推測する余地は依然として残されています。
原文筆者は、任天堂が長年にわたって公式設定を組み替え続けていることについて、シリーズの世界観を完全に整合させるよりも、各作品のゲーム体験を優先している結果だと見ています。約40年にわたって積み重ねられた作品群を、すべて矛盾なく1本の歴史へまとめるのは開発側にとっても難しく、今回の変更もその複雑さを改めて示すものとなりました。なお、記事末尾にはThe Legend of Zelda: Ocarina of Timeの項目が掲載され、発売日は2026年11月5日とされていますが、年表の変更との具体的な関係は説明されていません。