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『Marvel's Wolverine』のX-MEN再解釈をMCUも参考にすべきと海外メディアが提言

2026年09月15日 | #その他 | GamesRadar+

『Marvel's Wolverine』のX-MEN再解釈をMCUも参考にすべきと海外メディアが提言

『Marvel's Wolverine』が示した、過去の映画版X-MENに寄りかからず新たなミュータント世界を描く方法に注目が集まっています。海外メディアは、2028年公開予定のマーベル・スタジオ版X-MENにも、本作のように既存の設定を尊重しながら大胆に組み替える姿勢が必要だと論じました。単なる原点回帰ではなく、観客がX-MENの見方を改めるような再解釈が求められているという主張です。

スパイダーマン映画がゲームから取り入れた演出

ソニーとスーパーヒーロー作品の関係は、PlayStation向けゲームだけにとどまりません。ソニー・ピクチャーズはトム・ホランド主演のスパイダーマン映画も手がけており、映画とゲームの両方でキャラクターを展開してきました。トム・ホランドは、映画Spider-Man: Brand New Dayのスタントや格闘シーンの一部が、Marvel's Spider-Manシリーズから影響を受けていると認めています。

原文筆者は、この関係性をX-MENにも広げられると考えています。Marvel Studiosは、これまでにも過去の映画や俳優を活用しながら、マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)にミュータント関連の要素を取り込んできました。しかし、過去作への目配せを続けるだけでは、2028年の新作X-MEN映画が新しい始まりになるとは限りません。そこで参考になるのが、過去の映画版X-MENの影響を受けながらも、その長い影から距離を置いた本作の作りだとしています。

Fox版X-MENとは異なるミュータント世界

2000年から2017年までに公開されたX-MENシリーズの中心作品は10本に及び、スピンオフのDeadpoolなどを除いても、スーパーヒーロー映画の歴史を形作った存在です。初期2作品は、サム・ライミ監督のSpider-Manシリーズとともに、コミック原作映画を大規模な娯楽作品として定着させる役割を担いました。特にウルヴァリンはシリーズの多くで重要な位置を占め、ヒュー・ジャックマンの演技とともに、映画版X-MENを象徴するキャラクターになっています。

Marvel Studiosが2019年、ディズニーによる20世紀フォックス買収を通じてミュータントの映像化権を取り戻して以降も、過去作とのつながりは繰り返し利用されてきました。Doctor Strange in the Multiverse of Madnessではパトリック・スチュワートがプロフェッサーXを演じ、Deadpool & Wolverineではヒュー・ジャックマンがウルヴァリンを再演しています。WandaVisionでも、エヴァン・ピーターズがクイックシルバー役を再び演じるのではないかという期待を利用した展開がありました。

こうした過去作の再登場はファンにとって大きな話題になりますが、新たな世界観を作ることとは別の方向性です。一方、Insomniac GamesがPlayStation上で展開するマーベル世界は、映画シリーズの設定をそのまま再現するのではなく、知っているキャラクターを別の歴史へ置き直すことで独自の世界を構築してきました。Marvel's Spider-Manでは、ピーター・パーカーがすでにスパイダーマンとして活動している時点から物語を始め、既存のヴィランに新しい背景を与えながら、親しみやすさと新鮮さを両立させています。

本作は、その方針をさらに押し進めた作品です。ローガンの起源を最初から描く物語ではなく、ウェポンX計画によって骨にアダマンチウムを融合された過去は、断片的な記憶として示されるにとどまります。また、この世界にはまだX-MENという組織が存在していません。物語の冒頭でローガンは、かつての仲間たちによるTeam Xを助けるため、半ば引退状態から復帰します。Team Xの創設者であるネイサン・エセックスが、ボリバー・トラスクの違法なミュータント収容施設に囚われたことが、事件の発端となります。

そこからローガンは、ミュータント全体を危機にさらす、より大きな陰謀へ巻き込まれていきます。Team Xは、コミックに登場するウェポンX被験者による特殊部隊とも、後のX-MENとも完全には一致しません。ネイサン・エセックスに率いられ、ミュータントの権利のために活動する非公式の集団ですが、社会から追い詰められた結果として、極端な暴力に頼らざるを得ない立場に置かれています。序盤から戦死した仲間の慰霊が描かれることで、穏健な手段だけでは生き残れない世界であることが示されます。

ローガンとジーン・グレイの新たな描き方

ローガンは長い人生を送ってきた一方、暴走した後に記憶を失っており、覚えているのは直近30年ほどの出来事だけです。過去の技能は自然に戻ってくるため、複数の言語を流暢に話せる場面もあります。原文筆者は、これを起源の物語にせず、ローガンが自分の過去を掘り返すのではなく、これからどのような人間になるかを決めていく物語として評価しています。

ローガン自身の再出発と並行して、迫害によって散り散りになったミュータントたちの運命も描かれます。大量の流血を伴う戦闘がある一方で、仲間を失った悲しみや、社会から居場所を奪われた人々の苦しみを扱う静かな場面も多く、作品全体は単純なアクションゲームにはとどまりません。原文筆者は、原作で知られた要素を残しながら展開を予測できない世界が作られている点に魅力を感じたとしています。

ジーン・グレイも本作の中心人物です。近年の映像作品では若い姿で描かれることが多かった彼女が、ここでは自分の能力や望み、戦う理由を理解した大人として登場します。ジーンはカリストや、本作独自のモーロックスたちとともに成長してきました。モーロックスは、住む場所を失い、社会から虐げられたミュータントたちが築いた、血縁に限られない家族のような集団です。

この関係性によって、ジーンは単にローガンの物語を支える人物ではなく、彼女自身の過去と信念を持つキャラクターとして描かれています。ローガンがジーンに思いを寄せるという、ほかの作品で見られた構図も、本作では別の形に組み替えられています。キャラクターの関係を完全に捨てるのではなく、立場や感情の向きを変えることで、既知の設定に新しい意味を与えているというわけです。

ローガン役のリアム・マッキンタイア、ジーン役のクリジア・バホス、ネイサン・エセックス役のトロイ・ベイカーについて、原文筆者はそれぞれの演技を高く評価しています。特にゲームは映画1本よりも長い時間を使えるため、登場人物が抱える感情を幅広く描けると指摘しました。ジーンやウルヴァリンはコミック版の核となる部分を保ちながら、映画版とは異なる人物像として成立しています。

MCU版X-MENに求められる方向性

本作には、ウルヴァリンに関するイースターエッグや将来の展開を示す要素、複数のカメオが用意されています。それでも舞台となる世界は、Fox版X-MENのどの時間軸とも異なるものです。映画との関連衣装として現時点で解除できるのが、Deadpool & Wolverineに登場した黄色いコスチュームだという点も、過去作をそのまま再現するのではなく、別の文脈で引用する姿勢の一例として紹介されています。

原文筆者は、当初はFox版X-MENの影響が強すぎて本作が独自性を失うのではないかと懸念していたものの、実際にはその逆だったとしています。そのため、次に控えるMCU版X-MENにも、プロフェッサーX、ローグ、ストーム、サイクロップス、エマ・フロストを中心とした基本編成をそのまま再利用するだけではなく、観客の予想を裏切る新しい切り口を望んでいます。

もちろん、基本に立ち返ること自体が悪いわけではありません。しかし、X-Men: First Classもすでに原点回帰を成功させており、同じ方法を繰り返すだけでは過去作との差別化が難しくなります。さらに、新作映画にはネイサン・エセックスも関わるとされているため、ゲームと映画がどのように異なる設定を組み立てるのかも注目されます。原文筆者は、MCU版X-MENには、本作をプレイしたときと同じように「これまで考えていたX-MEN像を見直させる」体験が必要だと訴えています。

一方で、本作に問題がないわけではありません。原文筆者は、レビューで展開のテンポが悪く、構成も急いで組み立てたように断片的だと批判しています。それでも、ニューゲームプラスで2周目を終えた後も、ローガンやジーン、Team Xに施された新しい解釈について考え続けているとのことです。

その評価からは、欠点を抱えながらも、キャラクターと世界の再構築が強い印象を残したことがうかがえます。原文筆者は、PlayStation上で描かれるこのウルヴァリンやジーン・グレイ、Team Xの物語が続編でさらに広がることを望んでいます。そして2028年の劇場公開後、MCU版X-MENについても、観客が同じように次の物語を求める気持ちを抱いて帰れる作品になってほしいと結論づけました。