『Wardogs』で青チーム離れ、勝敗にも影響する深刻な偏り
発売から1週間足らずで200万本以上を売り上げた『Wardogs』で、青チームを避けるプレイヤーが急増しています。最大100人が3チームに分かれて戦う本作では、青が初心者や腕に自信のないプレイヤーの集まるチームだという認識が広まり、参加者不足で試合そのものが始まらないケースまで発生しています。単なるコミュニティ内の冗談にとどまらず、チーム選択がマッチングとゲームバランスに影響する状況です。
青チームを避けるプレイヤーが続出
本作では、マッチ参加時に青、赤、緑のいずれかを選びます。公式名称では青がLonestar、赤がValkyra、緑がManticoreです。チームごとの人数は均等に割り切れないにもかかわらず、開発元のBulkheadは最大100人・3チームという形式を採用しています。
問題になっているのは、青チームに対する極端なイメージが、実際のプレイ結果によってさらに強化されていることです。コミュニティでは青が初心者向けのチーム、あるいはゲームに不慣れなプレイヤーが集まる場所と見なされています。そのため、青はほとんど勝てないチームになっており、青の枠が埋まるまで試合が開始されないこともあります。
青を選びたくないプレイヤーは、チーム選択画面で赤や緑を何度もクリックし、空きが出るまで待ち続けることさえあるとのことです。参加者が少ないから青が不利になり、不利な結果を見たプレイヤーがさらに青を避けるという循環が生まれています。チーム選択を自由にしている本作の仕組みが、この偏りを直接的に拡大している形です。
赤はキル重視、緑はシステムを活用
赤チームは、3チームのなかでもっとも攻撃的な集団と認識されています。ボイスチャットなどで連携する分隊が多く、歩兵を中心に大規模な攻勢を仕掛ける一方、勝利条件となる目標の確保にはあまり関心を向けない傾向があるとされています。その結果、赤のプレイヤーは撃破数を競うランキングでは上位に入りやすいものの、試合そのものには勝てないことが少なくありません。
本作の得点は、敵を何人倒したかだけで決まるわけではありません。コントロールゾーンにより多くの味方が入っているチームがポイントを獲得するため、キル数で優勢でも目標を放置すれば勝利にはつながりません。赤では個人の戦果を優先するプレイヤーが多く、それがチームとしての敗北につながる構図です。
緑は反対に、本作の複数のシステムを理解し、それらを勝利のために利用するプレイヤーが集まるチームとされています。マップ上の塔を確保して前線作戦基地(FOB)を設置し、迫撃砲で敵を攻撃するほか、歩兵部隊が通常より多く得点できるホットゾーンを追いながら進軍します。目標を意識した連携が取りやすいため、緑は安定して試合を進めるチームとして扱われています。
ただし、試合に勝つことへの報酬は現状それほど大きくありません。本作では試合をまたいで引き継がれる現金を使った成長システムが採用されているため、個人で撃破を重ねる赤のほうが、プレイヤー自身の利益という点では効率的な場合があります。勝利を目指す緑と、個人報酬を求める赤の違いも、チームごとの性格を固定化する要因になっています。
青チームを象徴する飛行事故の動画
青に対する評価は、コミュニティ内のミームにもなっています。BulkheadのコミュニティマネージャーがXで共有した動画では、青チームのプレイヤーが戦場へ戻るため、輸送してくれるパイロットを探します。しかし、最初のヘリコプターは早く着陸しすぎてローターを壊し、次の機体はプレイヤーが乗り込む前に離陸します。
その後に到着した機体は不安定な着陸を見せ、別のヘリコプターではプレイヤーが客席に乗り込んだ直後、パイロットがほぼその場で機体を横転させます。機体は破壊され、乗客も危険にさらされました。さらに別のヘリコプターが離陸直後に味方機の進路へ入り、衝突して両機のうち少なくとも1機を失う展開も描かれています。
この動画は、青には飛行を扱えないプレイヤーが多いというイメージを極端な形で示したものです。もちろん、1本の動画だけでチーム全体の技量を判断できるわけではありません。しかし原文筆者は、週末に青だけを選んで複数の試合をプレイしたところ、青が空いていることが多い理由を実感したとしています。青側は毎回のように一方的に押し込まれ、緑が勝利した試合では、赤と青のどちらもポイントを獲得できなかったケースまであったとのことです。
原文筆者は、その後に赤や緑へ参加する機会を増やした結果、連携が取りやすく、1人で戦っているような感覚も薄れたと記しています。青チームの評判は、単なる先入観ではなく、プレイヤーが実際に感じる試合展開によって再生産されています。
開発側も把握、解決にはチーム自動選択が必要
この問題はSNS上で広がっており、開発側も状況を把握しているとのことです。Redditでは、問題を反転させるために仲間と青だけを選ぶと決めたプレイヤーが、開始からわずか1日で精神的に疲れたという趣旨の投稿を寄せています。青の不利を変えようとする動き自体はあるものの、青チームを題材にしたミームや動画が拡散されるほど、青を避ける流れも強まっています。
現時点で考えられる直接的な対策は、プレイヤーが自分でチームを選べないようにすることです。ただし、そのためにはまずパーティーシステムが十分に機能しなければなりません。現在、友人と遊ぶにはサーバーブラウザで同じサーバーを探し、同じチームに複数人分の空きがあることを祈る必要があります。友人同士での合流を支える仕組みが弱いまま自動振り分けを導入すれば、今度は一緒に遊べない問題が生じるためです。
チーム自動選択とパーティー機能の改善を組み合わせなければ、青チーム問題を根本的には解決できません。プレイヤーが自由にチームを選べる現在の仕様を残す限り、青を避ける行動は続く可能性があります。
また、原因がコミュニティの空気だけとは限りません。各チームの出撃地点は比較的均等に配置されていますが、青の出撃地点は赤と緑に挟まれるような位置にあります。さらに青の服装はほかの2チームより見分けやすく、周囲に紛れにくいため、敵からわずかに発見されやすい可能性も指摘されています。
心理的な要因も考えられます。青は赤や緑よりも初心者向けの色だと受け取られやすく、チーム選択画面で最初に表示される選択肢であることから、新規プレイヤーが深く考えずに選んでいる可能性もあります。結果として、青に不慣れなプレイヤーが集まり、評判が現実の戦力差として固定化されているのかもしれません。いずれにせよ、本作が抱える青チーム問題は、試合が始まらない事態まで招いている深刻な問題です。