『Wardogs』CEOがクランチ疑惑に反論、週4日勤務と12月休業を説明
早期アクセス中のマルチプレイシューター『Wardogs』をめぐり、開発スタジオBulkheadのクランチ(長時間残業)疑惑にCEOのJoe Brammer氏が反論しました。Steamで発売から1週間ながら200万本以上を販売する注目作で、同氏は報道が発言の一部を文脈から切り取ったものだとして、勤務制度や休暇に関する事情を説明しています。
CEOが「クランチは必須」とした報道に反論
Brammer氏は、Chris Dring氏との約40分間のインタビューでクランチを「必須」と発言したわけではないと説明しました。インタビュー内容はGame Developerが報じ、その後PC GamerやIGNなども取り上げています。これに対して同氏はXへの投稿で、一部の記事を「文脈から切り取られた記事」と表現し、自身が伝えたかった事実を改めて示しました。
同氏によると、Bulkheadの株式の80%はスタッフの50%が保有しています。また、本作の開発期間の半分は週4日勤務で進められ、スタジオ全体には12月の1カ月間を休暇として与える予定だとしています。Brammer氏は、これは同スタジオが評価されてきた誠実さと透明性の「もう一つの側面」だと説明しました。
クランチを認める一方、補償と回復期間を用意
Brammer氏はインタビューで、自身がスタッフにクランチを求めることを想定しているとも話しています。ただし、その場合は金銭面での補償に加え、燃え尽きから回復するための休暇も与えるとしています。同氏は「クランチをする会社だと言うなら、その代わりに何かを受け取れるとも言わなければならない」と説明しました。
ゲーム業界でクランチは、締め切りに間に合わせるため長時間労働を続け、スタッフの燃え尽きや士気低下を招く深刻な問題として扱われています。近年ではGrand Theft Auto 6をめぐっても、Rockstarの従業員がより良い労働環境を求めていると報じられ、クランチの問題が改めて注目されました。そのため、クランチを前提とするようにも読める発言が切り取られた形で広がったことが、今回の反論につながっています。
インタビューでは育児休暇や報酬制度にも言及
原文筆者はインタビュー全体を確認したうえで、断片的な発言だけから受ける印象よりも、内容は複雑で細かな議論だったと紹介しています。Brammer氏は、スタジオ内で世代によってクランチに対する考え方が変化していることや、新しく父親になった従業員にどの程度の育児休暇を提供するのが適切か、会社のボーナスをどのように分配するかについても話したとのことです。
Bulkheadは以前から、開発の進み具合や問題点をBrammer氏ら幹部がSNSで発信してきました。プレイヤーが本作のコミュニティに深く関わるほど、こうした率直な発信を歓迎しやすい一方、情報量が多いぶん、発言の一部が公に分析されやすくなる側面もあります。
スタジオの透明性を示す過去の発信
同スタジオは、本作を買わない理由を挙げる動画も公開していました。そこでは、定期的なコンテンツ配信を予定していないこと、過去作Battalion 1944が開発途中で放棄されたこと、将来的には本作へ収益化要素を導入する予定であることなどを自ら説明しています。収益化の導入はかなり先になるとされていました。
今回のBrammer氏の投稿は、クランチをめぐる発言を撤回するものではなく、勤務日数、休暇、報酬という条件を含めて説明し直すものです。クランチが実際にどのような頻度と形で行われるのか、また提示された補償が従業員にどう受け止められているのかまでは、今回の情報だけでは明らかになっていません。