← 最新記事一覧

『Ace Combat 8: Wings of Theve』は機体ごとの飛行感覚と戦時の英雄像が際立つ

2026年09月25日 | #レビュー | DualShockers

『Ace Combat 8: Wings of Theve』は機体ごとの飛行感覚と戦時の英雄像が際立つ

『Ace Combat 8: Wings of Theve』のPS5版は、機体ごとの手応えを生かした空戦と、戦時に作られる英雄の物語が強く印象に残る作品です。政治的な題材にも踏み込みつつ、多彩な任務を飽きずに楽しめると筆者は高く評価しています。一方で、操作を求められる場面が多いカットシーンなど、没入感を損なう部分もあります。

敗戦の混乱から始まる抵抗の物語

Sotoan軍の侵攻でFCU軍が混乱に陥るなか、プレイヤーは空母Enduranceに救助され、生き残ったパイロットと機体で編成された飛行隊に加わります。苦境に立たされたCentral Useaの抵抗を、Project Acesらしい大胆な演出で描いています。

飛行服や甲板員、機材に至るまで作り込まれ、F-14Aの可動部や計器が動くコックピットからも航空機へのこだわりが伝わります。Baxter、Tasha、Costerら僚機のパイロットは、カットシーンだけでなく戦闘中にも存在感を発揮します。

ただし、雲の中で敵を追う際には、三人称視点で姿勢を示す表示を常時出せない点が惜しまれます。コックピット視点では視線を動かせる範囲が狭く、カメラの動きも遅いため、後方を確認しにくく感じられます。

僚機への指示が任務の幅を広げる

僚機には一緒に攻撃させるほか、敵戦闘機からの護衛や、各自での目標捜索を指示できます。筆者が電子戦機EA-6B Prowlerで防空網への対処に集中した任務では、戦闘機への対応を僚機に任せられました。以前のシリーズ作品にはなかった支援役を楽しめる点も魅力です。

一方、僚機ごとに個別の指示は出せません。防空網への対処を任せたい場面でも戦闘機のパイロットまで同じ命令に従うため、操作が煩わしく感じられることがあります。それ以上に気になるのはカットシーンです。周囲を見回せる演出自体は臨場感につながるものの、進行のために何度もボタンを押す必要があり、特に序盤では優れた映像演出への集中を妨げます。

重さと癖が伝わる機体操作

操作はゲームとして親しみやすい一方、機体には確かな重量感があります。筆者は、より現実的なフライトシミュレーターでの経験と比べても、各機の個性がよく表れていると感じています。初期機体のF/A-18C Hornetは扱いやすいものの、低速での機動を除けば重めです。F-14は機動の自由度が高い反面、大きな迎え角では不安定になります。Mirage 2000-5の力強さと機動性の組み合わせは、筆者がDCS WorldのMirage 2000Cで慣れ親しんだ感覚に近いそうです。大型のA-6EやEA-6Bはロールが遅く、重さをはっきり感じさせます。

特殊兵装は種類が豊富で、1種類または2種類を十分に積めるため、任務に合わせた準備が楽しめます。筆者は厳しい対地攻撃でSuper Hornetにレーザー誘導爆弾だけを搭載し、敵戦闘機を僚機に任せました。自機で戦闘機に対抗しにくくなる選択でしたが、厳重に守られた目標を急いで爆撃する場面では功を奏しています。使いどころが限られ、数回試した後は選ばなくなりそうな兵装もあります。

作られた英雄が背負う期待

物語の中心にあるのは、実在しない英雄「Wings of Theve」をプレイヤーが演じることです。侵攻を退ける最後の希望として人々の期待を集める一方、作り上げられた伝説に応えられなければ反感も生まれます。筆者は、戦時の宣伝が人々に与える希望と、その名を背負う者への重圧の両方を描いた点を評価しています。

航空機が死と救いの双方をもたらし、架空の英雄譚さえ現実の人々を動かす。そうした人間の側面まで描く本作を、筆者は空戦への愛情が詰まった作品と捉えています。細かな操作上の不満は残るものの、物語と機体操作、変化に富んだ任務が結び付いた、強く勧めたいPS5の空戦ゲームだと結論づけています。