『Warlock: Dungeons & Dragons』は魔法の組み合わせを軸に、密度の高いオープンワールドを描く
2026年09月30日 | #ゲーム紹介 | Eurogamer
Invoke Studiosが開発する『Warlock: Dungeons & Dragons』は、魔法を工夫して戦闘や探索に活用するオープンワールドゲームです。広大さよりも発見の密度を重視し、プレイヤーが自分の好奇心で冒険を進められる世界を目指しています。
魔法を組み合わせて道を切り開く
舞台は、霧にゆっくりと飲み込まれていくD&Dの世界「レイヴンロフト」に属するダークオンです。主人公の戦士カートリは、失った人物を探すため、魔女ターシャと契約して魔法を手に入れます。Gamescomのデモでは、町クリックスシャンクに入ったカートリが住民から皮肉を浴びせられる場面もあり、Fableを思わせる反応が描かれていました。ただし、開発元Invokeのゼネラルマネージャー、ドミニク・ゲイによると、プレイヤー不在でも世界が動き続ける仕組みを目指しているわけではありません。デモの終盤では、すでに始まっている小競り合いを見つけ、参加するかどうかを選べます。
開発チームが特に重視するのは、魔法に世界が反応することです。たとえば道をふさぐ茨は、剣で壊す代わりに「ターシャのリーシュ」で近くのランタンを引き寄せ、投げつけて燃やせます。炎に同じ魔法を使えば火球のように扱えますが、デモでは池の水を操って消火し、残った油を利用する展開が示されました。
クリックスシャンクの霧に覆われた地下では、「ブラック・テンタクルズ」で触手を出し、「ターシャのリーシュ」で壁の石材を引きはがします。2つの魔法を組み合わせて足場を作り、危険な瘴気を越えることもできます。「ミスティ・ステップ」は実体のない姿になって格子を抜けたり、怪物を避けたりする移動魔法です。「エルドリッチ・ブラスト」は離れた場所から物や敵を破壊できます。風で対象を押す、雨を降らせる、雷を呼ぶといった魔法もあり、雷は水のような電気を通す物のそばで威力と届く範囲が増します。魔法の多くは世界を隅々まで探索して見つけるもので、開発チームは決まった正解を覚えるより、試行錯誤や工夫を楽しめる仕組みを目指しています。
カートリは近接戦闘も得意です。剣やウォーハンマーなどを主武器と副武器に設定でき、片手用と両手用の武器を使い分けられます。武器や魔法に加え、防具、装備品、付与効果、タリスマンなども強化やカスタマイズの対象です。数値だけで差をつけるのではなく、個別の特徴や見た目を持つ装備を用意したいとゲイは説明します。戦闘では魔法で状況を整えてから近接攻撃に移り、また魔法に戻る流れを想定しています。
道しるべを追うより、世界を見て進む
InvokeにはFar CryやWatch Dogsに携わったスタッフがおり、オープンワールド制作の経験があります。一方で、Warlockの世界は地図上のアイコンを次々に追う形式ではなく、ダンジョンや鉱山、集落を自分で見つけていく設計です。世界の規模は大きいものの、Crimson Desertのような広大さを目指すのではなく、新しい場所まで15分も移動させないことを重視しています。ゲイによると、次に気になる場所まで徒歩で1分から1分半ほどの距離を想定し、環境に変化をつけながら自然につなげていく計画です。
探索で新しい魔法を得ると、行ける場所が増えることもあります。メトロイドヴァニアのように進行が明確に区切られるわけではありませんが、移動手段や魔物との戦いに魔法が関わります。カートリの個人的な復讐の旅が物語の軸になる一方、物語の節目には複数の進め方があり、探索の順序によって展開の流れも変わります。開発チームは、必須ルートを細く限定せず、多くのコンテンツを任意で楽しめる形にしたといいます。
霧の向こうで見つかる場所には、それぞれ異なる雰囲気があります。次に進む先を示す明確なマークはなく、人々の話を聞き、質問し、周囲を調べて手がかりをつかみます。目を引く場所を探索するうちに、そこで何があったのかが分かり、ポスターを見たり住民と話したりして、複数のきっかけからサイドクエストに入ることもあります。クエストでは戦闘のほか、魔法を使った答えの決まっていないパズルも用意されます。探索の報酬には、新しい魔法や強化用の魔力、希少なアーティファクトや装備品が含まれます。
カートリとスケヴの物語
Baldur's Gate 3のように、会話の選択肢で主人公の性格や物語を大きく変えるゲームではありません。カートリは書き込まれた人物として描かれ、善人にも悪人にも設定できず、主要な物語の場面はプレイヤーごとに共通です。冒険の中心となるのは、仲間になる人物たちに加え、インプのスケヴです。彼は鍵開けや戦闘中の敵の注意をそらす能力を強化できるほか、独自の目的を持つ人物として描かれます。ダークオンから姿を消した支配者の助言役だったスケヴもまた、誰かを探しており、カートリとの関係がどう深まるかも物語の一部です。
Gamescomのデモを見た記事筆者は、Fableとは異なる形で世界の反応を描こうとする点、とりわけ戦闘から謎解きまで幅広く使える魔法の仕組みに関心を示しました。『Warlock: Dungeons & Dragons』は2027年の発売を予定しています。