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『Forever Ago』レビュー:短いロードトリップが愛と喪失の物語で心を揺さぶります

2026年10月07日 | #レビュー | DualShockers

『Forever Ago』レビュー:短いロードトリップが愛と喪失の物語で心を揺さぶります

『Forever Ago』は、愛する人との思い出や喪失、後悔を抱えながら生きていく姿を描いた、深く心に残るアドベンチャーです。Third Shiftのデビュー作となる本作は、1回のプレイで最後まで遊べるほど短い作品ですが、主人公と妻の関係を過去と現在から丁寧に描くことで、その長さからは想像できないほどの感情を呼び起こします。動作の不安定さや操作への苛立ちはあるものの、筆者にとって今年プレイしたインディー作品の中でも、とりわけ心を揺さぶられた1本になりました。

思い出をたどる旅が、頑なな老人の心をほどいていきます

主人公のAlfredは、人生を一変させる悲劇を経験した老人です。妻Audreyからの最後の手紙をきっかけに、キャンピングカーで2人の思い出の場所を訪ねます。若いころにハイキングをして互いの気持ちを確かめ合ったWoolson Fallsや、プロポーズしたSunset Dinerなど、旅先には2人が積み重ねてきた時間が刻まれています。

古いカメラを持ち歩くAlfredは、最初から親しみやすい人物ではありません。ぶっきらぼうで頑固な態度を取り、感情を無愛想な顔の下に隠しています。かつての優しさや無邪気さは影を潜め、周囲との間に高い壁を築いているようです。筆者も最初の1時間ほどは、その刺々しさに嫌悪感を覚えました。しかし、一緒に旅を続けるうちに、その頑なな態度が少しずつ崩れていきます。

この変化が、短い物語に確かな重みを与えています。Alfredが別人のように生まれ変わるわけではありません。旅の始まりに抱えていた悲しみや後悔は残ったまま、それを1人で背負う必要はないと学んでいくのです。序盤の2か所での滞在を経て物語が動き出すと、自分を見つめ直し、人への接し方にも柔らかさが生まれます。その積み重ねがあるからこそ、終盤の感動は無理に引き出されたものではなく、旅の自然な到達点として響きます。

AlfredとAudreyの関係は、本作の大きな魅力です。詳細は物語を知る楽しみとして残すべきですが、旅の途中で少しずつ見えてくる2人の過去には、幸せを願わずにいられない愛おしさがあります。現在と過去を行き来する語り口も、温かさとほろ苦さを巧みに両立しています。

写真と探索で、2人の記憶をつなぎます

プレイの中心は、AlfredとAudreyがかつて訪れた場所の探索です。日記に記された目標を進めながら、周囲の気になる物を調べ、土地の様子やAlfredの背景を知っていきます。環境内のさまざまな物に触れたり観察したりする構成は、Life is Strangeに近いものです。

物語の進行に伴う回想とは別に、任意で集められる短い思い出も用意されています。各地で2、3か所に分かれた花びらの山を見つけると、それぞれに断片的な回想が現れます。すべてを集めると音楽とともに大きな花びらの山ができ、その上でカメラを構えることで、その場所に残る2人の記憶をつなぎ合わせられます。

こうして見つかる親密な思い出は、Audreyに何が起きたのか、2人の関係がどう揺らいだのかを描く本筋の回想と対照をなしています。本作は、恋人同士の甘い時間だけを描きません。衝突もあれば、互いの欠点を理解する瞬間もあり、何気ない愛情表現もあります。その幅があるからこそ、2人の関係に現実味が宿っています。

物語の中では、2人が「人生は計画どおりにはいかない」という言葉を繰り返します。その意味は終盤、遅くともエンドロールの直前には実感できるはずです。筆者はこの言葉を、遊びの流れにも重ねています。話好きなガソリンスタンドの従業員にどこまで付き合えるか、猛烈な暑さの中で幹線道路に迷い込むかどうかなど、旅には予定どおりに進まない出来事があります。

ゲームプレイそのものが、本作を選ぶ最大の理由になるわけではありません。それでも、写真を撮るといった簡単な仕組みは物語とよく結び付いています。複雑な操作を求めず、思い出に向き合う体験を支える点で効果的です。

変わってしまった場所で、変わらない思いに向き合います

Alfredは、Audreyと過ごした記憶を、かつてと同じ形では取り戻せないことに苦しみます。思い出の場所も時間とともに変わっており、Captain Marley Resortでは予想外の出来事に直面し、Sunset Dinerは企業のチェーン店になっています。それでも、今ある状況の中で妻をしのぶ方法を見つけていきます。

愛は人を大きく変えますが、突然の喪失は、その人を以前とは別人のように打ちのめすこともあります。本作は、そんな愛と悲しみ、記憶の関係を繊細に描いています。そこへたどり着くまでには、感情的につらい場面もあります。個人的な事情から恋愛ものを素直に受け止めにくいという筆者にとっても、Third Shiftが描いた物語は心から評価できるものでした。

数時間で迎える物語の山場は、結末へ誠実につながっています。具体的な展開は伏せますが、短い旅の終わりには、クリア後もしばらく気分を引きずるほどの余韻があります。穏やかなロードトリップに見える作品だけに、その感情の強さには心の準備が必要です。

美しい景色を楽しめる一方、操作と動作には難があります

物語を高く評価できるからこそ、技術面の不満も惜しく感じます。プレイ中には軽いカクつきやフレームレートの低下がありました。新しいエリアへの移動時だけでなく、Alfredが茂みや倒木に接するように歩いているときにも突然発生し、場面によっては違和感が強く出ます。

ただし、映像表現は目を奪われるほど美しく、旅を進めて2人の物語を知るにつれ、何度もスクリーンショットを撮りたくなりました。景色の魅力は、こうした動作の不安定さをある程度補っています。

それ以上に苛立ったのは、対象の前に立っても操作ボタンの表示が出ないことです。調べられる物が目の前にあるのに反応せず、カメラをぐるぐる動かしながらXボタンを連打して、ようやく操作が成立する場面がありました。特にボルトカッターで錠を切る必要があるエリアでは、同じ問題が2回起きています。落ち着いた旅を楽しんでいたところで操作につまずき、苛立たされるのは残念でした。

こうした問題は楽しさや物語のメッセージを大きく損なうほどではありませんが、見過ごせる欠点でもありません。それでも、エンドロールの後まで残ったのは、Alfredの旅とAudreyへの思いでした。

『Forever Ago』は、過去を置き去りにすることなく、前へ進む姿を描いた作品です。1回、あるいは2回のプレイで楽しめる短さの中に、誠実で忘れがたい物語が詰まっています。愛と喪失を描く物語にじっくり向き合いたい人には、十分に時間をかける価値があります。旅を終えた後は、大切な人を抱きしめたり、連絡して元気か確かめたりしたくなるかもしれません。