『Planet Zoo 2』レビュー、動物AIの進化で園内を眺める楽しさが大幅に向上
2026年10月13日 | #レビュー | DualShockers
『Planet Zoo 2』は、動物の自然な振る舞いと動物園づくりの自由度を大きく進化させた、見事な動物園経営シミュレーションです。動物AIや移動経路の改善によって、完成した園内をただ眺める時間も格別に楽しくなりました。水族館づくりや新たな飼育環境、豊富な設定も魅力です。一方、覚えることの多さは、丁寧なストーリーモードがあっても初心者を圧倒しかねず、経験者にも負担に感じられる場面があります。
動物を眺める時間が、もっと楽しくなりました
本レビューの筆者は、発売前に開発元Frontier Developmentsによる実演イベントと、約3時間の試遊イベントに参加しています。今回は完成版を評価していますが、総プレイ時間やクリア状況は示されていません。筆者はFrontier作品の長年のファンで、前作Planet Zooを最も好きなゲームの1つに挙げており、試遊時から続編に大きな期待を寄せていました。
2019年に発売された前作には、動物や飼育施設、アイテムが継続的に追加されてきました。その長期的なサポートは高く評価できるものの、前作でできることは十分に掘り下げられており、本格的な続編が必要な時期でもありました。『Planet Zoo 2』は、前作に寄せられた意見を巧みに改善へとつなげています。
特に印象的なのは、経営や設計に追われていない時間の充実です。園内の配置を考えたり、動物の居場所を決めたりするだけでなく、動物園が日常を営む様子そのものが楽しめるようになりました。
動物AIと移動経路には大きな改善が施され、動きが以前よりもずっと自然になっています。プレイヤーが設置した構造物に動物たちが反応する様子も、見ていて飽きません。自分で作った環境の中で、美しい動物たちの暮らしをゆっくり眺めることは、本作で味わえる最も楽しい体験の1つです。
水族館だけでも成り立つ、自由な施設づくり
新しい飼育環境や展示施設も、大きな進化を感じさせます。前作にも水辺で暮らす動物は数多く追加されましたが、水族館や海の生き物に向けた独自の飼育環境を作ることはできませんでした。本作では、FrontierのCobra Engineの改良によって、作れる施設の可能性が際限なく広がったように感じられます。
海の生き物を好む筆者が、完成版で早い段階に手がけたのは、水族館に特化した施設でした。その制作でできることの豊かさは、期待を裏切りませんでした。
Frontierの設計思想の中心にあるのは、プレイヤーが自分の作品に満足できる自由さです。水族館だけを作りたいなら、それで構いません。動物の健康と安全を守る必要はありますが、陸上の動物と水生動物の両方を飼育するよう強制されることはなく、好みに合った施設づくりを楽しめます。
楽しい物語と丁寧な説明でも、覚えることは多めです
こうした自由を使いこなせるかどうかは、過去のFrontier作品を遊んだ経験にも左右されます。その入り口となるのが、驚くほど充実したストーリーモードです。物語を楽しみながら、長いチュートリアルとして基本から学べる構成になっています。
Frontier作品や前作に初めて触れる人には、ここから始めるのが最適です。基本操作を丁寧に教えたうえで、より複雑な要素を少しずつ重ねていきます。ストーリーモード自体も楽しく、心地よい音楽は、寝る前につい口ずさみたくなるほど印象に残ります。
ただし、説明が豊富だからといって、学びやすさへの不安がなくなるわけではありません。最初の数時間だけでも、多くの情報が次々と提示されます。ツールチップやヒントで操作を案内してくれますが、やるべきことも覚えることも多く、初心者には負担が大きいかもしれません。経験者である筆者でさえ、時には一度に扱う要素が多すぎると感じています。
地形も難易度も、思い描いた動物園に合わせられます
本作には、膨大な量のコンテンツと遊び方が詰まっています。プレイ開始前に調整できる項目や設定、スライダーも豊富です。サンドボックスモードでは、求める体験に合わせて多くの条件を変更できます。制限や課題を取り払い、想像力だけを頼りに動物園づくりへ没頭することも可能です。
マップの地形を細かく作り変えられる点も見事です。ブラシを使えば、広い範囲の編集から細部の調整まで行えます。動物園を作る場所を決めたあと、必要な建物のために周囲を整理する作業も手軽で、操作は非常にスムーズです。
見た目も雰囲気も、自分の思い描く動物園に近づけやすくなったことは、前作からの大きな改善点です。豊富な設定と地形編集が、施設づくりの自由さをしっかり支えています。
野生への帰還にも、動物とのつながりを感じられます
新たな野生動物保護のシステムは、動物との関わりをより直接的に感じさせる要素です。前作では、動物を自然の生息地へ送り出す行為が、やや事務的な手続きに感じられました。本作では、それが体験の中で意味を持つ、積極的に関われる要素になっています。
野生動物の保護区も魅力的です。動物園で過ごすうちに愛着が湧いた動物たちの、その後の暮らしにも貢献できたという実感があります。経営シミュレーションとしての面白さと、同じ地球に暮らす動物たちへの親しみを両立させようとするFrontierの姿勢が、ここにも表れています。
『Planet Zoo 2』は、2019年の前作から見事な飛躍を遂げました。動物AIと移動経路、動物園のカスタマイズ、新たな飼育環境はいずれも大幅に進化しています。経営シミュレーション作品がひしめく中でも、これほどの完成度に並ぶ作品は多くないでしょう。
初心者には、充実したストーリーモードを通じて学ぶことを勧めますが、それでも情報量に圧倒される可能性はあります。一度に覚えることの多さは、経験者にも気になる点です。それを踏まえても、動物園を作り、育て、その暮らしを眺める楽しさは格別で、ぜひ遊んでほしい作品です。