『Edgerunners』ショーランナー、『サイバーパンク2077』に正史のエンディングは設定しないと語る
CD Projektの『サイバーパンク2077』の世界を舞台にしたNetflixアニメ『Edgerunners』のライター兼プロデューサー兼ショーランナーであるBartosz Sztybor氏が、Lucca Comics and Gamesの会場でIGNのインタビューに応じました。シーズン2に登場したVを思わせる描写や、ゲームの正史エンディング、シーズン3の可能性について語っています。
Vを思わせる描写は「解釈に委ねる」
シーズン2は、ゲーム本編の1年後にあたる2078年を舞台にした独立した物語として描かれました。データアーカイブの場面では、壁に並んだ画像の中に女性のVに見えるものがあると、ファンの間で指摘されています。
これが意図的なものかという質問に対し、Sztybor氏は「解釈に委ねています」と回答しました。あわせて、その場面で交わされる会話が非常に重要だとも述べています。
正史のエンディングは設定しない
ゲーム後の時代を描く際に、CD Projekt側と正史のエンディングについて話し合っているのかという質問には、「具体的に決めてはいないが、まったく抽象的というわけでもない」という趣旨で答えました。lore担当チームとは何度も協議を重ね、どのエンディングにも当てはまるように、ゲーム後の世界の状態をどう描けるかを検討したといいます。問題の場面も、はっきりした答えを示さず、今後のコミックなどで世界の状態が見えてくるような示唆にとどめたとのことです。
正史の扱いについては、Edgerunners第1作や複数のコミック、ボードゲームはいずれもゲームより前の時代が舞台だったため、世界の状態が分かっていたと説明しました。ゲーム後については細かい正史設定はなく、重要な情報は「アラサカが弱体化している」ことだけだそうです。これにより街をこれまでと違った形で描ける余地が生まれる一方、どのエンディングも正史にはならないと述べています。ゲームでの選択がどうであれ、その状態につながり得るという考え方です。
独立した物語を重ねてフランチャイズを作る
Sztybor氏は、CD Projektが『ウィッチャー』や『サイバーパンク』で目指しているのは、単体で完結する物語を作ることだと語りました。グラフィックノベルなら最初から最後まで読むだけで楽しめ、世界の知識は不要です。そのうえで、世界が実在していると感じさせるつながりを忍ばせるのが理想だとしています。
こうした要素をいわゆるイースターエッグとは呼びたくないとも述べています。ファンサービスのために入れるものではなく、観客や読者に世界が生きていると感じてもらうためのものだからです。ある悪役の背景を理解するために、コミック3冊とテレビシリーズ2作品が必要になるような作り方は避けたいといいます。
例として、Edgerunners 2に登場するSal Bigelowを挙げました。このキャラクターは、5年ほど前のコミック『Cyberpunk: Big City Dreams』に登場していました。ただし、入れるのは理由がある場合に限るとしています。
別の例として、コミック『You Have My Word』に登場するフィクサーのArthur Cormacも挙げました。Edgerunners第1作にも登場した人物で、気づいたファンは20〜30人ほどだったといいます。このフィクサーは別のコミックにも顔を出していて、3作品はそれぞれ別の時期の出来事です。Sztybor氏は、答えを与えずに問いだけを示し、ファン自身につなぎ合わせてもらう方法が最良だと考えています。
シーズン3については「物語と体制が整えば」
Edgerunners 3についての考えを問われたSztybor氏は、シーズン1を書いていた時点から別のシーズンや物語を考えていたと明かしました。シーズン1ですべての問いに答えたわけではなく、続編を作る夢はあったそうです。
CD Projektとは、完璧な物語と、それを形にできる最適な人材がそろった場合にのみ作るという姿勢だといいます。シーズン1の後、Studio Triggerは「疲れすぎている」と答えていました。しかし、シーズン1公開直後にLuccaで話し合った際には「もうそれほど疲れていない」と返され、検討することになりました。その2か月後に、Sztybor氏がシーズン2の企画を提案しています。Studio Triggerもクラシックな続編は望んでおらず、CD Projekt側と同様に、これまでと違うものを作りたい考えでした。企画は高く評価され、それがシーズン2につながったと説明しています。
シーズン3についても同じ流れになるとの見方です。いくつか物語の構想はあるものの、五十嵐監督のようなビジョンを持つスタジオや監督がいなければ意味がないと述べました。平凡な出来や、不十分な出来のものは作りたくないとのことです。また、シーズン2がシーズン1を完結させたため、2作で一つのパッケージとしてすでに成立しているとも話しています。
広がる『サイバーパンク』の世界
『サイバーパンク』シリーズは今後も拡大する予定です。開発中の『Cyberpunk 2』は、舞台や発売時期がまだ発表されていません。実写映画も制作中ですが、CD Projektによると、映画版は『サイバーパンク2077』のゲームの筋をなぞらない内容になるとのことです。