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『Crimson Desert』DLC「Charting the Unknown」は船と潜水、結婚まで加えた盛りだくさんの拡張だが、肥大化した設計がかえって重荷になる

2026年11月06日 | #レビュー | Eurogamer

『Crimson Desert』DLC「Charting the Unknown」は船と潜水、結婚まで加えた盛りだくさんの拡張だが、肥大化した設計がかえって重荷になる

『Crimson Desert』の新DLC「Charting the Unknown」は、船での航海や潜水、恋愛と結婚まで加えて「全部入り」ぶりをさらに押し進めた内容です。ただし評価は本編と同じく賛否が分かれます。操作の煩雑さや説明不足、バグといった本編の弱点は残ったままで、要素が増えるほどゲームの設計思想そのものが重く感じられるようになった、というのが筆者の見方です。

平和なパイウェルで始まる、説明不足の釣り

舞台は、赤い砂漠と鮮やかな緑の草原が広がるパイウェルです。地域には平和が訪れ、主人公のクリフも内省的な気分になっています。DLCの冒頭では、月明かりの下で静かに釣りをするよう求められます。

ところが筆者は釣りのやり方を思い出せず、15分ほど試行錯誤したうえでReddit頼みになりました。本編でもこのシステムの説明が不十分だったため、そもそも覚えていなかったのかもしれないと振り返っています。

3月の発売以降、開発元のPearl Abyssは数多くのアップデートを重ねてきました。発売時に煩雑だったメニューの改善や、物語を分かりやすくするための新カットシーン、オオカミやトラへの騎乗の追加などです。それでも、メニューの面倒さと筋の分かりにくさという本作の性格は変わっていません。数週間前に最初から遊び直した筆者は、物語は当初の印象以上に支離滅裂かもしれないと述べています。

船、潜水、結婚と、さらに増えた要素

DLCでは船を造ってパイウェルの青い海を航海でき、海に潜って魚と泳ぐこともできます。恋愛や結婚、うまくいかなければ離婚まで可能です。エヴァンゲリオンを思わせる巨大な海の敵も登場し、「全部入り」のゲームがさらに大胆になったと筆者は表現しています。

ただし内容は本編同様に出来にばらつきがあります。航海にはドラマ性がなく、島同士が離れすぎていて道中が退屈です。『風のタクト』のような印象的な海の旅とは言えないと評されています。一方、潜水は見事な出来です。水中は静かで、地上移動を邪魔する煩わしい要素も少なく、筆者は高く評価しています。

3人の物語は出来にむらがある

クリフ、ダミアーネ、オングカの3人それぞれに新しい物語が用意されていますが、こちらも出来は均一ではありません。最も面白いのはクリフの物語です。濃いオレンジ色の砂嵐に覆われた砂漠に送られ、コンパスが使えないため、発光する灯台状の目印を使って地図を作っていきます。方向感覚を失う感覚が心地よく、説明不足で偶然生まれた不便さではなく、意図的に設けられた手応えの珍しい例だと筆者は述べています。

一方でバグもあります。筆者の環境では、クリフを馬で追う場面でダミアーネの馬が出現せず、進行が止まりました。見た目は豪華でも、コードを粘着テープで貼り合わせて支えているような印象は拭えないといいます。

変わらない操作性と、鈍っていく感覚

操作性も本編と同程度で、決して良いとは言えません。クリフは水上を走り、空を舞うことができますが、基本的な操作でさえ思い通りになりません。すぐそばの物に照準が合わず、ランタンを出したいだけなのに3連撃の宙返りが出てしまう場面もあります。NPCを狙うたびに恋愛や交流の選択肢が出る新要素が加わったことで、煩雑さはさらに増しています。

数時間遊ぶうちに筆者の頭は麻痺していきます。景観の中を駆け回る移動は比較的ストレスが少ないものの、ミッションは相変わらず単純で、目的地を行き来してボタンを数回押すか、敵を倒して話を進めるだけです。

ただ筆者は、この麻痺こそが本作の狙いなのではないかとも考えています。仕事の見通しや物価高、地政学的な危機など現実が厳しい今、本作は剣と魔法の毛布のようにプレイヤーを包み、何時間でも没頭できる避難所になるという見方です。

寛大さの裏にある不穏さ

あらゆる望みに応えようとする本作の姿勢は、一見すると太っ腹です。しかし筆者は、これは寛大さというより、どこか不穏な最大主義ではないかと疑っています。『Grand Theft Auto』や『Assassin's Creed』、Pearl Abyssが出自とするMMORPG、中毒性の高いモバイルゲームを混ぜ合わせ、注意力を食い尽くす最終形にしたような、最も現代的なゲームだという印象です。プレイヤーが力尽きるまで遊び続けるように作られた、というわけです。

こうした「終わらない」ゲームは、プレイヤーの精神、体、時間を差し出させる方向へ向かうと筆者は述べます。数週間後に『Grand Theft Auto 6』が発売されるまでは、本作とこのDLCがその最も純粋な表れだとも指摘しています。当たり外れのある寄り道が積み重なり、さらに増える余地まであることで、この設計は鼻につき始めます。まるで果てしなく枝分かれする回し車の迷路に入り込んだように、常に忙しいのに、はっきりした見返りは得られません。

見た目の輝きが薄れ、圧倒的な規模が目新しさを失うにつれ、『Crimson Desert』の印象は変わります。筆者の結論は、ハイファンタジーの楽園というより、むしろ地獄に近いというものです。