『No Man's Sky』プレイヤーが築き上げた広大なコミュニティ「Galactic Hub Project」の10年
2026年08月21日 | #ゲーム紹介 | Eurogamer
『No Man's Sky』のプレイヤーたちが、ゲーム内で広大なコミュニティ「Galactic Hub Project」を立ち上げ、10年以上にわたり活動を続けています。このプロジェクトは、宇宙の探査と記録だけでなく、プレイヤー同士の交流や協力によって、ゲーム内に独自の文明を築き上げてきました。
発売当初の困難を乗り越えて生まれたコミュニティ
Galactic Hub Projectは、2016年8月の『No Man's Sky』発売直後に生まれました。発売当初は賛否両論があり、ゲームのメインコミュニティでは否定的な意見が多かったものの、創設者であるConor氏をはじめ、ゲームの魅力に惹かれたプレイヤーたちは別の場所で交流を深めていました。彼らは、広大な宇宙を探索し、発見した惑星や船、珍しい生物の座標を共有することに熱中していました。この動きがきっかけとなり、2016年10月30日にGalactic Hubが設立され、一つの地域を集中的に探索・記録するという目標が掲げられました。
宇宙を股にかける文明の発展
当初35名ほどのメンバーで始まったGalactic Hubは、ユーグリッド銀河の「Rentocniijik Expanse」を拠点に、星系、惑星、動植物などをカタログ化していきました。活動の拡大に伴い、専用のSubredditやWiki、Discordサーバーを立ち上げ、現在では3つの銀河にまたがる99の地域を網羅するまでに成長しています。
2016年12月に基地建設機能が導入されると、Galactic Hubは単なる記録プロジェクトから、ゲーム内文明へと発展しました。プレイヤーたちは拠点を作り、集まることで物理的な存在感を確立。初期には基地の所有権を巡る争いも発生したものの、コミュニティは成長を続けました。2017年4月には、複数の文明を統合する「United Federation of Travelers」が設立され、記録の標準化や小規模コミュニティの支援が行われるようになりました。
マルチプレイの導入と新たな挑戦
2018年7月にマルチプレイが導入されたことで、Galactic Hubの活動は大きく変化しました。プレイヤー同士が直接交流できるようになり、記録活動だけでなく、ライブイベントも同等に重要視されるようになりました。しかし、マルチプレイアップデート「NEXT」の到来は、同時に大きな課題ももたらしました。宇宙の構造が変化したことで、それまでに収集した膨大な情報が無効になってしまったのです。
これに対し、Galactic Hubは大胆な決断を下しました。文明全体を移転させる「Ark Project」を開始し、新たな拠点を探すことにしたのです。1ヶ月をかけて500以上の星系が再命名され、新たな首都惑星「New Lennon」が指定されました。この移転の最中、コミュニティのエンブレムがゲーム内に実装されるというサプライズがあり、Galactic Hubは『No Man's Sky』の公式な要素として認められることとなりました。
活発なコミュニティ活動と「Aeon City」
現在、Galactic Hubには、発見の厳密な記録に魅力を感じるプレイヤーから、単に他のプレイヤーと交流したいカジュアルなプレイヤーまで、多様な人々が集まっています。公式Discordには16,000人のメンバーがおり、年間約2,000人の新規プレイヤーが参加していると推定されています。
コミュニティの活動は多岐にわたり、ソーシャルイベント、PvP、スポーツイベント、創作活動、建設プロジェクト、ゲーム内経済などが行われています。特に注目すべきは、11ヶ月をかけて約15,000のパーツで建設された巨大都市「Aeon City」です。この都市には、公園、美術館、ショッピング街、PvPエリア、カジノ、スポーツ施設、レーストラックなど、様々な施設が設けられています。Conor氏によると、Aeon CityはGalactic Hubの新たな首都地域の「最高の宝」であり、プレイヤーが活動を通じて交流できる場となることを目指しているとのことです。
Conor氏は、Galactic Hubが10年以上にわたって活動を続けてこられたのは、何よりも「楽しいから」だと語っています。そして、現実世界で交流が難しい人々にとって、ゲーム内での交流の場を提供していることの重要性を強調しています。Galactic Hubは、プレイヤー同士が助け合いたいという人間の本質を示す場所であり、多くのプレイヤーにとって「家」のような存在になっているとのことです。