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『Silent Hill Townfall』は濃霧の街を描く一方で恐怖の立ち上がりが遅い

2026年09月02日 | #ゲーム #レビュー | GamesRadar+

『Silent Hill Townfall』は濃霧の街を描く一方で恐怖の立ち上がりが遅い

『Silent Hill Townfall』は、スコットランドを思わせる孤島の街と濃密な霧によって、シリーズらしい不穏な空気を作り上げています。一方、Gamescom 2026で公開された約70分のデモでは、敵との遭遇やプレイヤーが介入できる場面がほとんどなく、恐怖が本格化する前に探索とカットシーンが続く構成となっていました。原文筆者は、雰囲気の完成度を評価しながらも、スローペースな演出が初回の印象を弱めているとしています。

スコットランドを思わせる孤島と、住人が消えた街

舞台となるのは、夢が死に場所を求めるような街として描かれるSt Ameliaです。記事では、スコットランドをモデルにしていることは明言されていないものの、石畳の隙間に霧が沈み、荒涼とした街並みが広がる景観から、その土地柄を強く感じ取れると紹介されています。イギリスの地方都市を思わせる、湿った空気と寂れた雰囲気が本作の背景として機能しています。

街には人影がありません。誰もいない集合住宅では照明だけが点滅し、住人がつい先ほどまで暮らしていた場所から突然消えたかのような印象を与えます。主人公も病院のリストバンドを身につけた記憶喪失者として登場するため、開始直後から「なぜ誰もいないのか」「主人公は何者なのか」という疑問が積み上がっていきます。

原文筆者は、Screen Burn Interactiveがスコットランドらしさを環境描写に丁寧に落とし込んでいると評価しています。灰色の霧、空き家のような通り、周囲を濁った海に囲まれた島という要素は、圧迫感を重視してきたホラーシリーズの舞台として適しています。街を歩いているだけでも、何かが起きた後の場所に取り残された感覚を味わえるとのことです。

70分のデモで描かれた探索と無線機の仕組み

本作では、メインライン作品としては初めて一人称視点を採用しています。記事では、PS5向けに配信されたSilent Hill: The Short Messageでも一人称視点が使われていたと触れられていますが、今回のデモでは街の中を自分の目で歩き、周囲に残された情報を調べることが中心でした。

St Ameliaの中心部では、地面に落ちたチラシ、地元医師の窓に残された手書きのメモ、遊歩道沿いの展望地点に設置された案内板などを確認できます。これらは街の過去や現在に関する手がかりを提供するものの、原文筆者が体験した範囲では、調べる行為そのものがゲーム進行を大きく変える場面は少なかったとされています。街を歩きながら情報を集めるというより、無人の場所を見て回る時間が長く続いたようです。

探索中には、鳴り続ける電話ボックスも登場します。受話器を取っても相手は現れませんが、電話帳に書かれた「save yourself」という文言に対応する特定の番号を入力すると、セーブとカットシーンが発生します。原文筆者はこの仕組みに気づかず、見落としがあると思って街を再探索することになり、約10分を費やしたとのことです。その後、別のデモ参加者に教えられて先へ進めたものの、長い映像を挟んでホテルの一室へ移動する流れになり、探索の停滞感がさらに強まったと説明しています。

ホテルでは、無線機を使った仕掛けやミニゲームが登場します。無線機の周波数を個別に合わせることで、過去、あるいは現在の出来事と思われる音声や情報を受信でき、それらがパズルのヒントになります。また、手のひらサイズの画面には、近くにいる敵の姿がノイズ混じりの輪郭として映し出される仕組みも用意されています。

1990年代半ばという設定に合わせ、電話や無線機といったアナログ機器を謎解きに組み込んでいる点は、本作ならではの魅力です。現代的な端末で情報を直接確認するのではなく、周波数を探り、雑音の中から意味を読み取る設計によって、時代設定と不安定な状況が結び付けられています。敵の存在を画面上で予告する無線機の機能も、直接姿を見せないまま危険を感じさせるための演出として働きます。

雰囲気は強いが、敵の登場までが長すぎる

原文筆者が最も大きな問題として挙げているのは、デモの終盤まで敵を一度も目にできなかったことです。街の中心部を歩いている間、敵が近くにいることを示す明確な場面はなく、ホテルへ移動した後も、敵が簡単には現れない構成が続きました。無人の街を歩き、建物を調べ、映像を見た後に、さらに放棄されたホテルの地下へ進むため、恐怖の進展よりも移動の長さが目立ったとされています。

敵の姿をあえて遅らせる手法自体は、未知のものに対する恐怖を高める有効な演出です。怪物を早々に見せず、音や痕跡だけで存在を感じさせることで、プレイヤーの想像力を刺激できます。主人公の罪悪感やトラウマが、はっきりした形を持たないまま現れるというホラー表現にもつながります。

しかし今回のデモでは、その「見せない」時間が長すぎたと原文筆者は指摘しています。約70分の体験中に行われたのは、街の散策、資料の確認、カットシーンの鑑賞、そしてホテルの探索が中心でした。敵の姿を待ち続けた結果、緊張が高まるよりも、次に何かが起きるのか分からない焦燥感のほうが強くなったとのことです。記事では、敵が無線機の画面に輪郭として示されるだけで、実際に目の前へ現れなかった点も、物足りなさにつながったとされています。

今後の完成版に残る課題

原文筆者は、ゲームショウの混雑した会場でプレイしたことが、没入感に影響した可能性にも触れています。本作が目指すのは、静かな街を長時間歩きながら、わずかな異変を積み上げていくタイプのホラーです。そのため、自宅で周囲の音や画面に集中できる環境なら、今回のデモとは異なる受け止め方になる可能性があります。

ただし、今回確認できた範囲では、雰囲気の作り込みに対して、プレイヤーが世界へ働きかける手段が少ない状態でした。原文筆者は、街を歩いている間、自分がその世界に住む人物というより、通りをさまよう幽霊になったように感じたと表現しています。美しくレンダリングされた悪夢である一方、触れられるものや反応が返ってくる場面が限られていたためです。

本作は、濃霧に包まれた孤島、無人の住宅、アナログ機器を使う謎解きによって、陰鬱なホラー作品としての土台を築いています。一方で、デモではスロービルド型の恐怖があまりにゆっくり進み、シリーズに期待される不安や危機感が十分に伝わりませんでした。原文筆者は、製品版では自宅でより深く作品へ入り込めることを期待していると結んでいます。