『GTA 6』にも受け継がれてほしいチートコードの自由な遊び方
『GTA』のチートコードは、ゲームを攻略するための補助機能ではなく、オープンワールドを実験場へ変えるための道具として一世代に強い印象を残しました。原文筆者は、シリーズを意図された順序で進めるよりも、武器や戦車を呼び出して街の反応を試す遊び方に親しんできたと振り返っています。そして、次回作にも同じ自由が残されることを望んでいます。
チートコードが生んだ独自の遊び方
原文筆者は、これまでチートなしで『Grand Theft Auto』シリーズを遊んだことがないとしています。特にGTA 3では、全武器をアンロックするコードを非常によく使っており、コントローラーを渡されれば筋肉の記憶だけで入力できるほどだったとのことです。そのため、各作品が本来どのような進行を想定しているのかは、ほとんど知らないままだといいます。セーブデータを作ってから間もなく、バズーカを手に入れていたからです。
2000年代、PS2で『GTA』シリーズが人気を集めていたころ、チートコードは特別な裏技というより、遊び方の一部でした。原文筆者の周囲では、ストーリーを想定どおりに進める人はおらず、友人たちはゲームを射撃場のように扱っていたそうです。若いプレイヤーの多くが、Rockstar Gamesが作品に込めたアメリカ社会への風刺を見落としていた可能性はあるものの、その代わりに、オープンワールドを隅々まで試してみる楽しさを学んだと説明しています。
当時の定番は、友人とPS2の前に座り、コントローラーを交代しながら、どこまで長く殺戮を続けて5つ星の手配度に到達できるかを競う遊びでした。原文筆者はこれを、競技性のあるローグライクに近いものだったと表現しています。まず全武器のチートコード「R2、R2、L1、R2、左、下、右、上、左、下、右、上」を入力し、完全武装で街へ出るのが始まりです。大人になってからGTA 5に触れたときも、この遊び方がシリーズへの入り口になったといいます。
街を壊すことで見えてくるゲームの仕組み
目的もなくパトカーを爆破し続ける遊びは、浅くて幼稚なものだったのかもしれません。親がその光景を見れば、何の目的もなく警察車両を次々に吹き飛ばしているようにしか見えず、2000年代に『GTA』が道徳的な不安の象徴として扱われた理由も理解できると原文筆者は述べています。それでも、年齢を重ねた現在は、こうした遊び方も本作を体験する正当な方法の1つだと考えています。
その理由は、Rockstar Gamesのオープンワールドが、決められたイベントや周期だけで動いているようには感じられない点にあります。運転手はそれぞれ意思を持っているように振る舞い、街で混乱が起きれば状況に応じて反応します。原文筆者は、Vice Cityをアリの巣にたとえています。プレイヤーは街で実験を行い、環境をつついたり揺さぶったりしながら、システムがどのような反応を返すのかを確かめるのです。
盗んだ車を並べて渋滞を作り、そこへロケットを撃ち込む行為も、単なる破壊ではありませんでした。どの車がどう動き、NPCや警察がどう対応し、ゲームがその状況をどう処理するのかを知りたいという好奇心が出発点だったとしています。全武器の入手はもちろん、戦車を出現させて警察の対応を観察すること、歩行者同士を敵対させること、空飛ぶ車で物理エンジンを試すことなど、チートコードは街の仕組みを調べるための機能になっていました。
チートコードが減った現在のゲーム
こうした文化は、現在のゲームでは大きく変化しています。世界を粘土のように変えて遊べる内蔵チートを持つ作品は、ほとんど見られなくなりました。自由な実験は、ゲームのコンソールにコマンドを入力できるPCプレイヤーや、改造を使うユーザーに委ねられています。開発者がプレイヤーにゲームを壊されることへ慎重になり、バグをできる限り見つけてから製品を出すために、発売延期が行われることも珍しくありません。
しかし、原文筆者は、なかには「壊されることを前提に作られている」ゲームもあると考えています。『GTA』を遊ぶとき、プレイヤーであると同時に、Rockstar Gamesの設計を学ぶ学生でもあるというのがその立場です。複数のシステムが組み合わさることで、予想外の出来事が生まれる。その仕組みを、チートによって自分で確かめられることに価値があるとしています。
比較対象として挙げられているのが、The Legend of Zelda: Tears of the Kingdomです。同作は多数のシステムを組み合わせられ、没入型シミュレーションのような遊びにも発展します。一方で、思い描いた機械仕掛けの怪獣を作るには、必要なゾナウギアを集めなければなりません。原文筆者は、好きなだけ部品を出現させ、自由に建築できるコードがないことを惜しんでいます。知りたいことは多いのに、実験を始めるまでに時間がかかるためです。
次回作に期待されるチートの役割
原文筆者は、GTA 3についてなら、NPCが混乱の度合いに応じてどう反応するか、交通の流れをどう操作できるか、警察が暴走を止めるためにどこまで行動するかを把握しているとしています。そうした知識は、単なるプレイ時間の蓄積ではなく、ゲームデザインの仕組みへの理解につながりました。プレイヤーの行動を細かく制限するゲームでは、こうした「壊して学ぶ」体験が閉ざされがちだという指摘です。
そのため、Rockstar Gamesには『GTA 6』でもチートコードの伝統を続けてほしいと期待しています。公開された26分間の映像を見た際も、原文筆者が考えたのはストーリーの展開だけではなく、ゲーム内で実行したい実験でした。映像には、Jasonが車の後部からヘリコプターを銃撃する場面が登場します。そこからさらに、銃ではなくロケットを撃ち込んだらどうなるのか、という疑問が生まれたといいます。チートコードが残されていれば、その答えを発売初日から確かめられるからです。