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『WARDOGS』は既存要素の融合で自然なチーム戦を促すシューター

2026年09月07日 | #レビュー | DualShockers

『WARDOGS』は既存要素の融合で自然なチーム戦を促すシューター

2002年頃のゲームシステム、2014年頃を思わせるグラフィックス、Counter-Strike型の経済システムを組み合わせたBulkhead Interactiveの新作シューター『WARDOGS』が、9月10日のリリースを迎えます。目新しい技術や複雑な仕組みを前面に押し出すのではなく、すでに成熟した要素を組み合わせて遊びやすい作品に仕上げることを目指したタイトルです。原文筆者は2回のクローズドベータで数時間プレイし、個々の要素には物足りなさを感じながらも、全体としては不思議と何度も思い返してしまうゲームだと評価しています。

戦場で稼ぎ、装備や兵器に使う経済システム

プレイヤーはジョージアを思わせる広大なマップで戦う傭兵となり、戦場で得た資金を使って装備や兵器を調達します。敵を倒すだけでなく、味方を車両で運ぶ、回復する、土のうを設置するといった行動にも報酬が設定されており、キル偏重にならない設計です。倒されると装備一式を失うため、敵陣へ無謀に突撃するよりも、衛生兵や補給役、輸送役として味方を支援する動機が生まれます。

味方へのチップ機能も経済システムの特徴です。弾薬を受け取ったとき、回復してもらったとき、ヘリコプターで輸送してもらったときなどに、F1キーで相手へ謝礼を送れます。倒れた味方を蘇生する際には、救助してくれたプレイヤーへ報酬を提示することも可能です。ただし原文筆者がプレイした範囲では、蘇生にはもともと確実な報酬が発生するため、救助を求めるための賄賂機能が積極的に使われる場面は少なかったとのことです。

問題は、稼いだ資金を使う段階にあります。バックパックや銃、戦車、攻撃ヘリコプター、さらには弾薬1発まで、ほぼすべてのものに購入費が必要です。さらに、単に購入費を払うだけでは足りず、装備そのものを使えるようにするためのアンロック費用も求められます。全体のWARDOGレベルや、アサルト、メディック、サポート、リコン、ドライバー、パイロットという6つのクラスごとの進行度が条件に関わりますが、どの行動がどの進行度に反映されるのかは分かりにくい仕組みです。

たとえばAK-74のアタッチメントがメディックの進行によってロックされる場合があり、プレイスタイルと装備解除の条件が噛み合わないことがあります。条件を満たした後も、次は購入費を払わなければなりません。ベータ版にはロードアウト機能がなかったため、出撃のたびに装備を整える手間がさらに大きくなっていました。ロードアウトは後日追加されることが確認されており、正式実装後はこの不便さが軽減される見込みです。

乗り物を軸にした大規模な戦闘

本作は歩兵だけでなく、戦車やヘリコプターなどを組み合わせて戦う、いわゆる複合兵科型のシューターです。乗り物を自分の資金で購入する仕組みには、敵陣近くに出現した航空機や装甲車両を待ち伏せするプレイヤーへの対策という側面があります。必要なときに自分で乗り物を用意できるため、出撃地点で車両を奪われたり、スポーン直後に破壊されたりする状況を避けやすくなります。

ヘリコプターの操縦モデルは、原文筆者の印象では十分に機能しているものの、キーボード操作ではやや扱いづらいものでした。上昇・下降に関わるコレクティブ、機体を傾けるサイクリック、機首の向きを調整するアンチトルクペダルを個別に操作できる本格的な仕様ですが、敵に撃たれながらWASDで飛行するには忙しすぎます。慣性のある大型輸送ヘリコプターは、操作に慣れても爽快感を損ないやすく、銃撃を受けている状況では特に扱いの難しさが目立ちます。

一方、小型ヘリコプターのKiller Eggは、飛ばしやすさと安価さのバランスが良く、ベータ中の戦場で頻繁に使われていました。攻撃ヘリコプターとしての火力支援だけでなく、物資の投下、兵員の輸送、偵察までこなせるため、さまざまな役割に対応できます。原文筆者は、サーバー上に同じ小型ヘリが数多く飛び交い、別のゲームを連想するほどだったと説明しています。その反面、大型の輸送ヘリや他の乗り物が使われる機会は少なくなっていました。

地上車両の操作感や種類には一定の手応えがあるものの、戦車は基地から前線へ到着するまでに時間がかかり、数分で破壊されることもあります。そのため、安価で素早く投入でき、撃墜されても再出撃しやすい小型ヘリのほうが実用的だと感じられたようです。それでも戦車が前線へ到達したときの脅威は大きく、100m以内に近づかれた場合は生存が極めて困難でした。歩兵を一方的に圧倒し、ロケットなどの対戦車攻撃でようやく止められる存在として描かれています。

射撃と装備は堅実だが突出した魅力はない

射撃システムは、原文筆者の評価では「悪い方向に寄った妥協点」です。武器の種類は比較的少なく、アタッチメントで性能を調整できるものの、広大なマップでは射撃の苦手さを補えるほどの効果はありません。ヒットボックスは大きく、アイアンサイトでも200m離れた相手に弾を当てられますが、中間弾薬に対する防具、とりわけヘルメットの効果が非常に高く設定されています。

ただし近距離では状況が変わります。連射によって短時間で大量の弾を浴びせられるため、防具の優位性はほぼ失われます。強力な防具を着込んだプレイヤーが近距離で無双するような、極端な耐久戦にはなりにくい設計です。遠距離から一方的に狙撃するプレイも安定しません。弾道を示すトレーサーによって狙撃位置が露見しやすく、安価なヘルメットや防具でも受けるダメージを大きく減らせます。倒されても味方に起こしてもらえるため、目標から離れた場所で狙撃を続けるより、チームに合流して戦うほうが有利です。

武器、車両、車両内部、傭兵の3Dモデルは、グラフィックボードに過剰な負荷をかけずに必要なディテールを備えています。サウンドは改善の余地があるものの、ゲームプレイを妨げるほどではありません。一方で、被弾時の音や、命中時に表示される小さなピンク色のエフェクトは、シリアスな戦場の雰囲気とは異なるコミカルさを持っています。登場人物の話し方が一様にイースト・ミッドランズ風になっている点も含め、重厚な軍事シミュレーションというより、意図的に軽妙な要素を混ぜた作品です。

プレイヤーを目標地点へ導くチーム設計

本作で最も評価できる点は、明示的な連携ツールが少ないにもかかわらず、ゲームデザインそのものがプレイヤーを目標地点へ導いていることです。原文筆者は、ARMAやSquadのような本格派シューターでは、チームプレイを成立させるために高い注意力や戦術理解が求められ、1、2ラウンドで疲れてしまうことがあると指摘しています。

一方、近年のBattlefield系作品では、目標地点の周囲を狭くして戦闘を集中させることで、プレイヤーが自然に拠点へ向かう状況を作る傾向があります。本作はマップを単純に狭くするのではなく、報酬、乗り物、回復や輸送といった役割を組み合わせることで、目標へ向かうことに意味を持たせています。キル数だけでなく、味方を運ぶ、弾薬を渡す、陣地を補強するなどの行動も評価されるため、戦場で何をすればよいのかが比較的分かりやすくなっています。

原文筆者は、各要素単体を分析すると、経済システムは購入面が不親切で、乗り物は一部に利用が偏り、射撃も優秀とは言い難いとしています。それでも、どの要素も最低限以上に機能しており、互いに組み合わさることで競合作品にはないまとまりが生まれています。革新的なシューターや、複雑な仕組みでジャンルの限界を押し広げる作品を求める人には向きません。しかし、現代的であることや複雑であることを目的にせず、既存の要素を使って素直に遊べるゲームを目指した点こそが、本作の最大の強みだと原文筆者は結論づけています。