『ポケットモンスター』カードをめぐり犬との交換提案に批判
ポケモンカードの高騰と過熱するコレクション熱を背景に、フレンチブルドッグの子犬をカードと交換しようとする出品者が現れ、動物の扱いをめぐる批判が広がっています。カードショップやイベント会場で犬を売買する行為に対し、主催者がペットの持ち込みを禁止すべきだという声も上がっています。
会場で子犬とカードの交換を提案
南フロリダを拠点とするカードショップCrimson Card Co.のコレクター、PICKLEQW33N氏が配信した映像には、コンベンション会場のブースに複数のフレンチブルドッグの子犬を連れた人物が訪れる様子が映っています。配信者がカード市場で利益を得ようとするあまり、犬までカード交換の対象にしている人がいると話した直後、来場者が子犬を連れて現れたとのことです。
来場者は子犬について販売対象だと説明し、「カードと交換する」と提案しました。配信者は申し出を断ったうえで、動物をカードと交換することへの驚きと懸念を示しています。ブースの運営を手伝っていた人物も、犬のブリーダーがポケモンカードとの交換を目的に犬を会場へ連れてきていると説明しました。
配信者は、犬を譲り渡す相手が適切な飼育環境を用意できる人物か確認できないまま、生命のある動物をカードと交換するのは倫理的に問題があると指摘しています。単なる物品の売買ではなく、購入後の飼育環境や動物の安全に関わる問題だという認識です。
別の会場でも同様の事例
Dexertoによると、同様の事例は1件だけではありません。8月下旬のコンベンションでも、B&B Collectiblesの販売員に対して、ふわふわしたフレンチブルドッグの子犬をカードと交換する、または高額で販売するという話を持ちかけた人物がいたと報じられています。今回確認された複数の映像では、いずれもフレンチブルドッグがカード取引の対象になっていました。
これらの映像を受け、カードコレクターからは、犬のブリーダーがペットを会場へ持ち込むことをイベント規約で禁じるべきだという意見が相次いでいます。動物愛護の観点からは、短頭種を生み出す繁殖そのものへの懸念や、無責任な繁殖によって生まれた子犬が不適切な飼育環境や虐待につながる可能性を指摘する声も出ています。
出店者や主催者への批判
SNSでは、出店者が購入希望者の飼育環境を確認できない取引に加担することへの批判が広がりました。YouTubeでは、フレンチブルドッグの繁殖には非倫理的な繁殖行為が必要になる場合があるとして、子犬が良い家庭に迎えられることを願う投稿が寄せられています。Instagramでも、イベント主催者がこのような行為を許していること自体が問題だとして、補助犬などを除く犬の会場入場を禁止すべきだという意見が投稿されました。
カードブームが続くなか、カードを短期的な利益のために集める動きと、動物を交換材料として扱う行為が結びついたことが、今回の騒動の大きな焦点になっています。会場での取引を禁じても、イベント外での不適切な売買を完全に止められるわけではありませんが、少なくとも主催者が会場内で容認すべきではないとの見方が強まっています。
過熱するカード市場と対策
『ポケットモンスター』のカード人気は世界的に拡大しており、盗難や買い占めへの対策も強化されています。日本の一部のポケモンカードショップでは、盗難防止を目的に顔認証ソフトを導入した店舗があるほか、独立系のカードショップでは、転売目的の購入者と本当のファンを見分けるため、購入希望者にカードに関する質問をするケースも出ています。
日本では一部のカードパックについて、購入対象を国内在住者に限定する措置も取られています。購入時にデジタルIDを求める仕組みで、トレーディングカード市場で過熱した需要や転売に対応するための対策の1つとされています。カードをめぐる規制や販売方法が変化する一方、今回のような動物を絡めた取引に対しては、イベント運営側の対応を求める声が強まっています。