『The Elder Scrolls 6』開発のベテラン解雇に元Bethesda開発者が疑問
2026年09月16日 | #その他 | GamesRadar+
『The Elder Scrolls 6』の完成を急ぐ一方で、その開発を支えてきたベテランスタッフを解雇するXboxの判断について、元Bethesda開発者のKurt Kuhlmann氏が「まったく筋が通らない」と批判しました。20年以上にわたりシリーズの設定や世界構築に携わってきた同氏は、今回の人員削減が開発の効率化どころか、ゲームを実際に作る人材を失わせるものだと指摘しています。
解雇されたのは管理職ではなく実務の中心人物
Kuhlmann氏はFRVRのインタビューでBethesda在籍時の経験を振り返り、MicrosoftによるBethesdaおよびZeniMax買収後にレイオフが発生するようになったと説明しました。Bethesdaの労働組合も、MicrosoftがXboxのスリム化を進める際に問題視していた「14層の管理職」ではなく、現場でゲームを作っていた開発者が削減対象になったと批判しており、同氏もこの見方に同意しています。
同氏によれば、影響を受けたのは管理業務を担う人々ではなく、長年にわたって制作を続けてきた非常に経験豊富なスタッフでした。Kuhlmann氏は「物事を管理している人たちではなく、ゲームを作っている人たちが解雇された」と語り、対象者についても「想像できる限り最高の、非常に上級で長年働いてきた人々」だったとしています。
シリーズを支えたアーティストも対象に
今回のレイオフでは、27年間Bethesdaに在籍し、Skyrim、Oblivion、Morrowind、Fallout 3、Fallout 4の制作に携わったChristiane Meister氏が影響を受けました。Skyrimの主要アーティストの1人であり、長年シリーズのビジュアルを支えてきた人物です。
このほか、スタジオに残っていた最後のSkyrimコンセプトアーティストとされるRay Lederer氏も、18年間の在籍を経て対象となりました。FalloutやThe Elder Scrollsの設定を形作る武器やクリーチャーのデザインを担ってきたBen Carnow氏も含まれており、単なる補助的な人員ではなく、シリーズの制作と世界観に深く関わるスタッフが失われています。
開発を急ぐ方針との矛盾を指摘
Kuhlmann氏は、レイオフが純粋な事業や金銭面から見ても理解できないとしています。本作から収益を得たいのであれば、制作を前に進め、品質を高め、完成を早められる人々をなぜ解雇するのか、という疑問です。長年働いた開発者たちが制作の中核にいる以上、人員削減は短期的なコスト整理にとどまらず、開発速度や完成度にも影響しかねないとの見方を示しました。
レイオフに先立ち、Xboxの新CEOであるAsha Sharma氏がBethesdaにFalloutやThe Elder Scrollsの新作をより早いペースで制作するよう求めているとの報道がありました。複数の企業で広がる「より少ない人員でより多くをこなす」経営方針が、ついにBethesdaにも及んだのではないかとの懸念も生じています。
成果を出しても雇用が保証されない懸念
Kuhlmann氏は、対象となった開発者について「失敗した人でも、怠けていた人でも、仕事が下手だった人でもない」と説明しました。そのうえで、優秀で努力しているだけでは安全とは言えず、誰が次の対象になるのかを知る方法もない状況だと指摘しています。レイオフの基準が明確でなければ、残ったスタッフにとっても長期的な不安が続くことになります。
一方、8月にはSharma氏が、Bethesdaのスタジオを訪問した幹部の一員として、開発中の本作を「ライブプレイスルー」で見たと発言しました。この訪問時には組合員がスタジオの敷地外で抗議していたとされます。開発の進展を示す発言がある一方、その制作を担うベテランの解雇が進められていることが、今回の判断に対する疑問をさらに強めています。