『The Last of Us』ゲームディレクター、AAAゲームを「退屈」と批判しGod of War Laufeyにも刺激を感じず
2026年09月18日 | #その他 | GamesRadar+
AAA大作を手がけてきたゲームディレクター、Bruce Straley氏が、現在のAAAゲームに新鮮な発想を盛り込む余地が乏しく、「退屈」になっていると厳しく批判しました。さらに、映像の完成度には圧倒される一方で、God of War Laufeyのゲームプレイには興奮しないと語っています。大作路線への疑問を示す同氏は、現在は小規模で独自性の高い作品を目指すスタジオを率いています。
AAAゲームに「新しいアイデアを入れる余地がない」
Straley氏は、Edge誌428号のインタビューで、AAA作品がプレイヤーに提供する行動や体験について、「AAAの領域で、届けているものは退屈だと言いたくなる」と話しました。同氏は1999年以降、複数の大作シリーズの制作に関わり、『The Last of Us』やUncharted 4のゲームディレクターも務めていますが、長年にわたってAAA作品を作るなかで、以前ほど強い感銘を受けなくなったとしています。
Straley氏によれば、問題は特定の1作品に限ったものではありません。「AAA全体を見渡すと、斬新で革新的なアイデアを注ぎ込む機会がないように感じる」と指摘し、自身のなかにはAAA向けのゲーム案もあるものの、おそらく実際に作ることはないだろうと明かしました。インタビュー内容は、後にKnowledgeのニュースレターでも紹介されています。
God of War Laufeyにも「ゲームプレイでは興奮しない」
同氏は、AAA作品の例としてSony Santa MonicaのGod of War Laufeyにも言及しました。ゲームの映像については「すべてのピクセルが驚くほど素晴らしい。1フレームごとに注ぎ込まれた作業量と技術には、そうしたゲームを作ってきた自分でも圧倒される」と評価しています。
一方で、実際に何をして遊ぶのかという部分については、評価が大きく異なります。Straley氏は、God of War Laufeyの開発チームを批判する意図はないと前置きしつつ、「ゲーム内で何をしているのかを見ると、興奮しない」と述べました。高額な制作費による映像表現を否定しているわけではなく、映像の豪華さだけでは新鮮なゲーム体験にならないという考えを示した形です。
Wildflower Interactiveが目指す大作と異なる方向性
Straley氏が率いるWildflower Interactiveは、公式サイトで自らの方針を「小規模で、創造性に富み、独自のスタイルを持つゲーム」と説明しています。スタジオのデビュー作Coven of the Chicken Footは、英雄たちが去った土地に残された、ニワトリの足を持つ老いた魔女の冒険を描く作品です。魔女は毛むくじゃらの異世界の生物を相棒に、盾の残骸やきれいになった骸骨が散らばる森を進みます。
この作品は、一般的なAAA大作とは正反対の体験を目指しているようです。プレイヤーは人間離れした美形のキャラクターや英雄を操作するわけではなく、象徴的な巨大武器を手に入れることもありません。舞台は半オープンワールドで、移動もゆっくりしたものになるとされています。Straley氏が次の大作シリーズ作品のような、商業的に受け入れられやすいゲームを作ることに関心を示さず、こうした中規模作品の方向へ向かう背景には、AAA市場への問題意識があります。
大作一辺倒から中規模作品へ
Straley氏の発言は、AAAゲームの技術力やグラフィックを否定するものではありません。むしろ、個々のフレームを作り込む技術は高く評価しながら、プレイヤーが何を体験するのかという核心部分で、作品同士の違いが見えにくくなっていると問題提起しています。
インタビューでは、同氏が中規模ゲームの流れに加わる存在とも表現されました。大規模な開発費と高度な映像表現を前提にするのではなく、規模を抑えた制作体制で、独特の世界観や既存のヒーロー像に頼らない遊びを追求する。Wildflower Interactiveのデビュー作は、その方針を具体化するタイトルとして位置づけられています。