『EA Sports FC 27』はキャリアモードを刷新し、移籍交渉と試合の手応えを変えた
2026年09月23日 | #レビュー | DualShockers
キャリアモードの移籍市場と試合の両方に大きく手を入れた『EA Sports FC 27』は、シリーズの中でもとりわけクラブ運営を重視するプレイヤーに向けた作品です。移籍交渉には選手本人の意向や他クラブの介入が反映され、試合ではパスミスやフィジカルの差が勝敗を左右します。原文筆者は、これまで以上に現実のクラブ運営に近づいた一方、慣れるまでは厳しい試合もあると評価しています。
選手本人と他クラブが動かす移籍市場
原文筆者がキャリアモードで再び選んだのは、フランスのFC Nantesです。前シーズンに同クラブを下位から欧州大会の常連へと育てた経験があり、新作でも同じクラブでの挑戦を始めました。しかし、チームは不振のシーズンを経てLigue 2へ降格。Matthis AblineはMonacoへ移籍し、GKのAnthony LopesもAngersへ去ったため、Leroux、Tati、Lepenantら若手への期待が高まる状況でした。
最初の移籍期間から、チームに必要な選手を集めるのは簡単ではありません。スカウトは以前より速く、精度も上がっていますが、選手のキャリアに対する意思が交渉を左右します。たとえば、イングランドの大クラブに所属する中盤の選手が必要でも、Ligue 2で苦戦するクラブへの移籍を望まないことがあります。クラブ側が交渉そのものに応じない場合もあり、解除条項が利用できるなら、それを使って獲得を試みる必要があります。
選手の関心を引く方法として、クラブが獲得を望んでいると報道機関にリークする仕組みも加わりました。原文筆者は当初、選手の交渉意欲を自動的に引き上げるだけの機能に見えたといいます。しかし、その後の経験では、情報を表に出すことが交渉を後押しする一方、ライバルクラブに動きを察知されるリスクも明らかになりました。
例として挙げられているのが、フリーエージェントから獲得を狙ったCédric Bakambuです。最初は交渉に応じなかったものの、働きかけを続けた結果、新たに設けられた20時間制の移籍期限日に契約オファーを出せる段階まで進みました。Ligue 2のクラブとしては好条件の週給1万8000で口頭合意に至り、原文筆者は獲得を確信していたそうです。ところが、移籍期間終了の3時間前に破談が判明。メディアで関心を公にしたため、Celticが動きを把握し、週給3万6000のオファーを出して交渉を横取りしました。
こうした展開は、移籍交渉に予測できない駆け引きをもたらしています。選手だけでなく所属クラブとも並行して話を進め、双方の合意を得た後も、契約締結前に第三者のクラブが介入する可能性があります。選手には最終的な拒否権もあり、合意が成立したように見えても安心できません。一方で、原文筆者は、選手の獲得を決めた後にその判断を後悔しがちな人にとって、契約前に見直せる仕組みは利点になるとしています。
交渉方法にも変化があり、選手やクラブとのやりとりは携帯電話を通して進められます。原文筆者は、控えチームの選手を半年間レンタルする話のために遠方まで出向くような手間がなくなった点を歓迎しています。交渉が単なる選手獲得の手続きではなく、本人の希望、クラブの判断、競合相手の動きを見極める管理要素になったことが、キャリアモードの大きな変更点です。
試合ごとに変わる選手の評価
チーム運営では、選手の総合評価が試合での出来に応じて変化する「dynamic overall」も導入されました。従来は、調子や体力による補正があっても総合評価への影響は小さく、主力選手の能力は比較的安定していました。そのため、好プレーを続ける控え選手が先発に食い込むのは難しい仕組みでした。以前の作品には「dynamic potential」がありましたが、新作の変動型総合評価は、短期間のパフォーマンスをより直接的に反映します。
選手には基礎となる総合評価と短期的な潜在評価があり、後者が基礎評価を10ポイント以上上回る場合もあります。試合後にはパフォーマンスに応じてスキルと評価が更新されるため、選手をいつ先発で起用するか、どの相手にぶつけるかを考えなければなりません。若手を大一番でいきなり起用するのか、比較的戦いやすい相手との試合で調子を上げるのかも、チーム運営上の判断になります。
原文筆者のチームでは、名目上もっとも優れた選手だったLepenantがシーズン前半に不調に陥り、総合評価を数ポイント落としました。一方、シーズン開幕時の評価が71だったLouis Lerouxは、安定した活躍によってクリスマスの時点で79まで上昇しています。原文筆者はLepenantを厳しい試合ではベンチに置き、勝ちやすい相手との試合に先発させることで調子を立て直そうとしました。能力値を見て起用法を固定するのではなく、選手の状態に応じて出場機会を調整する必要があります。
評価の変動は試合中だけの話ではありません。移籍金の見込みや選手の給与要求、他クラブからの関心にも影響します。スカウトで選手を見つけた段階では、詳細な報告が届くまで表示されるのは現在の総合評価のみです。そのため、評価75の中盤選手が、基礎能力は67ながら絶好調で数字を伸ばしているのか、能力80の選手が不調で評価を落としているのかを、報告前に見分けることはできません。目の前の評価だけを頼りに獲得や契約を決めると、想定と異なる選手を迎える可能性があります。
試合の合間に行われる記者会見も、ピッチ上で起きたことに反応するようになりました。開催頻度は下がったものの、以前のように決まりきった質問と返答を繰り返す形式ではなくなっています。原文筆者は、同じような定型句を何度も口にする必要がなくなった点を評価しています。チームの状況や試合内容が、移籍だけでなく試合後のやりとりにもつながる構成です。
ミスとフィジカルが生む厳しい試合
試合部分はシリーズでもっとも現実的になったと原文筆者は評する一方、その変化はプレイヤーにとって常に快適とは限りません。Authentic設定では、ボールを受けるときやプレッシャーを受けながらパスを出すときにミスが起こりやすくなっています。以前は不足していた選手同士の身体的なぶつかり合いも強まり、ボールを奪う場面では、完璧なタックルに頼らずとも相手を押しのけて主導権を得られることがあります。
パスはインターセプトされやすく、技術に優れないチームはフィジカルで対抗する必要があります。原文筆者は、洗練されたプレーだけでは試合が進まない点を、新作の大きな変化として挙げています。FC 26では、現実に近づいたゲームプレイを評価しながらも、華やかで見栄えのするサッカーが残っていたと感じていました。新作では、ボールを失うミスや相手の圧力に押される展開も含めて、試合の荒々しさが表現されています。
この変化により、相手に応じて戦い方を変える重要性も増しました。原文筆者はDunkerqueに対しては、ショートパスとハイプレスで優位に立てました。しかし、技術の高い4-2-3-1を採用するSaint-Étienneに同じ戦術を試すと、前線の4選手が守備陣に強い圧力をかけ、プレッシャー下でのパスに不安のあるディフェンダーがミスを重ねたといいます。うまく機能した戦術を相手を問わず使い続けると、相手の技術やプレッシングに対応できず、厳しい結果を招きます。
前作に慣れているプレイヤーにとって、操作や試合運びの習熟にはこれまでより時間がかかる可能性があります。原文筆者は、慣れるまでは難易度を1段階下げることを勧めています。難易度を維持して経験を積む方法もありますが、原文筆者自身はAnderlechtとの親善試合で9対1の大敗を記録したそうです。親善試合であっても、守備のミスや戦術の相性が大差につながることを示す体験として紹介されています。
ゲームプレイ設定は細かく調整でき、前作で使っていた設定がそのまま合うとは限りません。原文筆者は、各種項目を見直すために時間を取る価値があるとしています。アクセシビリティ設定には項目の分類を示すアイコンも加わり、目的の設定を見つけやすくなりました。一方、戦術メニューは初心者には直感的でない可能性があり、スタミナの試合間回復が遅いと感じる場面もあると指摘されています。
映像表現の変化と残る課題
映像面では、前作より色彩が鮮やかになり、メニューにも色が戻りました。選手に関連するメニューにはゲーム内モデルが表示されるようになり、特に新たに生まれた再生成選手やユース出身選手を扱う際に、選手の存在を感じやすくなっています。スカウト済みの有名選手だけでなく、クラブのキャリアを通じて加わる選手を画面上で確認しやすくした変更です。
スキャンされていない選手の顔も、照明や骨格シミュレーションの改善によって、以前より自然に見えるようになりました。手作業で作り込まれた顔やスキャンされた顔と比べれば差は残るものの、原文筆者は明確な改善と捉えています。全体のビジュアルを大きく変えたというより、メニューや選手モデルを含めて見た目を活気づけた更新です。
ただし、収録内容には不足もあります。ブラジルなど主要リーグの一部は依然として収録されていません。また、試合間のスタミナ回復の遅さや、慣れないプレイヤーには分かりにくい戦術インターフェースも、評価を左右する要素として挙げられています。ゲームプレイ設定の自由度は高いものの、選択肢が多いことがそのまま扱いやすさにつながるとは限りません。
原文筆者は、シリーズがFIFAとの提携終了後も改善を続けてきたなかで、本作はキャリアモードにとって大きな進歩だと評価しています。移籍交渉や選手の調子を管理する場面が増え、試合ではチームの技術やフィジカルに合わせた対応が求められます。そのぶん、試合だけを気軽に楽しみたいプレイヤーには、管理要素が多すぎると感じられる可能性もあります。一方、クラブが好調な時期も苦しい時期も含めて運営することを楽しめる人にとっては、交渉と試合の両方に手応えをもたらす内容になっています。