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『ダンジョンズ&ドラゴンズ』の回復ポーションが戦闘バランスを崩す問題に向けた3つの調整案

2026年10月25日 | #攻略 | Polygon

『ダンジョンズ&ドラゴンズ』の回復ポーションが戦闘バランスを崩す問題に向けた3つの調整案

『ダンジョンズ&ドラゴンズ』では、基本的な回復ポーションだけで、倒れた仲間を簡単に戦闘へ復帰させられます。とくに2024年版ルールでは他人への使用もボーナス・アクションで済むため、戦闘への影響が大きすぎると原文筆者は批判しています。対策として提案しているのは、価格と入手難度を上げる、他人への使用にアクションを必要とする、HPが0の相手への効果を制限するという3つのハウスルールです。

回復ポーションが戦闘の緊張感を損なう理由

魔法のアイテムは冒険の楽しみの1つで、どのクラスもレベル1から利用できます。そのなかでも筆者が問題視するのは、伝説級の秘宝ではなく、ごく基本的な回復ポーションです。

現在のルールでは、キャラクターはHPが0になっても、大量ダメージによる即死などを除けば、ただちに死亡しません。意識を失って死亡セーヴィング・スローを行い、3回失敗すると死亡、3回成功するか出目が20なら容体が安定します。その間に仲間が呪文やポーションで回復すれば、立ち上がって戦闘に戻れます。

回復呪文には、貴重な呪文スロットを消費するという制約があります。とくに低~中レベルでは使える回数が限られ、回復役が敵に狙われたり、仲間から引き離されたりする場合もあります。

一方、回復ポーションは誰でも使えます。基本のポーションは50金貨で、回復量は2d4+2HPです。回復量そのものは少なくても、瀕死の仲間を復帰させるには十分です。2024年版ルール、通称5.5版では、飲む場合も他人に飲ませる場合もボーナス・アクションで済みます。倒れた仲間の所持品からポーションを取り出して使うこともでき、自分の分を消費する必要さえありません。

敵の戦術や攻撃を重ねてようやく倒したキャラクターが、別のプレイヤーの手番に50金貨分の消費だけで復帰する。これはダンジョン・マスター(DM)にとって、強い不満につながると筆者は指摘しています。

もちろん、DMとプレイヤーは勝敗を競う相手ではなく、目標は全員が楽しむことです。それでも、基本的なアイテムとしては戦闘への影響が大きすぎるというのが、筆者の見方です。以下の案はいずれも公式ルールではなく、その問題を調整するための提案です。

調整案1:価格を200金貨にし、入手にも条件を設ける

最初の案は、基本の回復ポーションを50金貨から200金貨へ値上げすることです。これは、上位の回復ポーションであるポーション・オヴ・グレーター・ヒーリングと同じ価格です。

筆者は、医療費を高くするような解決策には抵抗を示しつつも、瀕死の人を復帰させられる品として50金貨は安すぎると批判しています。

低レベル帯では、ほかにお金を使う先が少ないことも問題です。たとえば、+1の魔法の武器は本体価格に加えて400金貨が必要で、多くのDMはレベル3~4になるまでアンコモンの魔法のアイテムを登場させません。武器や防具は冒険中の発見や報酬で手に入ることもあり、結果として所持金を回復ポーションに集中させやすくなります。

筆者は、回復ポーションを安価に何本も飲める消耗品ではなく、「瓶に入った奇跡」として扱うべきだと提案しています。どこの店でも当然のように買える品にせず、手に入りにくくするという考え方です。

入手そのものを冒険の目的にもできます。たとえば、次のような条件を設けます。

  • 地元の寺院から依頼を受け、信頼を得てから購入できるようにします。
  • パーティーのクレリックが製法を記した古い聖典を探し、冒険の合間に調合できるようにします。

こうすれば、ポーションの確保にもロールプレイの余地が生まれます。

調整案2:他人に飲ませるときはアクションを消費する

2つ目の案は、自分で飲む場合はボーナス・アクションのままにし、他人に飲ませる場合だけアクションを必要とすることです。

第5版では、飲む場合も他人に飲ませる場合もアクションを消費していました。しかし、長く待った自分の手番をポーションの使用だけで終えることには不満がありました。そこで、自分で飲む場合はボーナス・アクションにするハウスルールが広まり、後に5.5版の公式ルールにも採用されました。

ただし、意識を失った仲間に飲ませる行為まで同じ扱いにするのは軽すぎる、と筆者は考えています。冷気の呪文で倒れた仲間なら、氷を取り除き、凍りついた口を開き、窒息しないように液体を飲み込ませる必要があります。それをボーナス・アクションだけで済ませるのは不自然だという指摘です。Baldur’s Gate 3のように、ポーションを投げれば済む扱いとは事情が異なります。

倒れた仲間を復帰させる側が、その手番の主要な行動を使うなら、救助には50金貨以上の代償が生まれます。パーティーと敵が1ラウンドに行える行動の釣り合いも取りやすくなります。

現行ルールでは、仲間に飲ませた後も移動でき、アクションで攻撃や呪文の使用が可能です。筆者はこれを、基本のポーションが実質的に呪文スロット不要のHealing Wordになっていると批判しています。

調整案3:HPが0の相手には回復効果を制限する

もっとも厳しく、同時に筆者がもっとも興味深いとする案は、HPが0になったキャラクターには回復ポーションが効かないようにすることです。傷を治す薬と、死の淵から人を引き戻す手段を分ける考え方です。

この変更によって、〈医術〉や治療用具を使う意味が増します。原文で紹介されている公式ルールでは、援護アクションで難易度10の〈医術〉判定に成功すると、HPが0の相手の容体を安定させ、死亡セーヴィング・スローを止められます。治療用具を使えば、判定なしで同じ処置ができます。

ここに独自の救命手段を加えるなら、次のような調整が考えられます。

  • 治療用具と〈医術〉判定を組み合わせ、成功した相手をHP1で復帰させます。これはDMの裁量による案で、判定の難易度を通常より高くすることも筆者は提案しています。
  • 瀕死の相手に使った最初の回復ポーションは、治療用具と同じく容体を安定させる効果だけにします。相手は意識を失ったままなので、HPを正の値に戻すには、さらにもう1本のポーションか回復呪文が必要です。

後者なら救助に必要な行動と消耗品が増え、パーティーの負担も重くなります。

回復ポーションの使いすぎは、DMが手応えのある戦闘を用意しにくくするだけでなく、世界への没入感にも悪影響を与えると筆者は指摘しています。基本ルールに手を加えることに不安があるなら、まずは価格と入手難度を上げる案を試すのがおすすめだとしています。