『ARC Raiders』開発元Embark Studios、PvEモード導入はPvPの存在意義を損なわずに実現するのが難しいとMP1stに語る
2026年10月26日 | #その他 | DualShockers
Embark Studiosは、『ARC Raiders』で1週間実施したPvE専用モードのテストについて、海外メディアMP1stのインタビューで見解を語りました。プレイヤー同士が戦わないこのモードは、本来のPvPの意義を薄めずに実装することが難しいと、開発側は考えているようです。
PvE専用モードのテストと開発側の見解
『ARC Raiders』は2025年に大きな話題を集めたシューターです。プレイヤーの間では、他のプレイヤーと積極的に戦う層と、協力を重視する層とで好みが分かれていました。そうした声を受けて、Embark Studiosはプレイヤー同士の戦闘がない PvE専用モードを1週間限定でテストしました。テストの評価は賛否が分かれたとされています。
エグゼクティブプロデューサーのAleksander Grøndal氏は、テスト後のMP1stのインタビューで「このゲームには、ストレスなく遊びたいというタイプのプレイヤーに響く魅力があると思います」と述べました。一方で、ゲームの前提を損なわずにそれをどう実現するかについては、まだ考えを巡らせている段階だと語っています。
Embark Studiosは現在も、テストで集めたデータの分析を続けています。
PvPとPvEの組み合わせが支える設計
原文筆者は、『ARC Raiders』ではPvPとPvEの組み合わせがゲーム設計の中心にあると指摘しています。高品質なアイテムや装備は、手強い敵の先にあるだけでなく、入手を狙うライバルのプレイヤーと衝突しかねないという緊張感の先にもあります。PvEモードを入れると、略奪にともなう危険の大きな部分が失われるおそれがあるとしています。
同作の特徴として挙げられているのが、常時開いているボイスチャットと、ARCの存在です。ARCは大小さまざまな姿の自律型マシンで、プレイヤーを見つけ次第襲ってきます。待ち伏せや罠、レイドボス級の場面など慎重な立ち回りの余地が生まれるほか、他の脱出シューターに比べて、戦闘を避ける選択に意味が出やすい作りになっているといいます。他のプレイヤーを見逃すことは、このジャンルでは常に選択肢のひとつです。ただ、ARCがいる『ARC Raiders』では、戦闘で注意を引く価値があるのかを毎回考えることになります。ゲーム後半には、その場での協力が自然に成り立つ場面もあり、事前に組んだ分隊だけでなく、試合中に生まれる協力もあり得るとのことです。
こうした環境の中で、同作では平和的なプレイを強く支持し、PvPをする人を悪意ある存在と見る声の大きなコミュニティが育ちました。PvE専用モードのテストは、そのような要望に応えたものです。
運営型ゲームに共通する悩み
原文筆者は今回の件を、長く続いている議論の一例として位置づけています。運営型のゲームで、ファンを満足させるために、開発側が当初の創造的なビジョンをどこまで譲るべきかという議論です。筆者は、これに明確な正解はなく、ケースごとに事情が異なるとしています。そのうえで、プレイヤーが陣営に分かれていること自体は珍しくないものの、『ARC Raiders』ほど割れている例は見たことがないと述べ、どちらの遊び方も満足度が高いことの表れだとしています。
筆者は、Embarkもプレイヤーと同じPvPかPvEかというジレンマに引き込まれているのが興味深いとしたうえで、『ARC Raiders』の今後はかなり不安定な状況にあると見ています。