『Final Fantasy 7』が「大人向けのおとぎ話」と言える7つの理由、Polygonが解説
2026年10月27日 | #ゲーム紹介 | Polygon
Polygonが、『Final Fantasy 7』は大人のためのおとぎ話だとする特集記事を掲載しました。1990年代後半の作品で、環境テロリストが発電所の爆破を計画する場面から始まる本作ですが、物語にはおとぎ話から取られた要素が数多くあり、これが発売から約30年にわたってプレイヤーの心をつかみ続けている理由の一つだろうと記事は述べています。
大人向けのおとぎ話という見方
アニメ調の見た目は色鮮やかで愛らしいものの、本作は子ども向けの物語ではありません。欠点を抱えた魅力的な登場人物たちが集う群像劇は、評価の高いテレビドラマに出てきてもおかしくないと記事は評しています。ここからは、記事が挙げる7つの理由を紹介します。
7. 王国の中心にそびえる都市
おとぎ話の定番といえば、強さや富、安全、社会秩序を象徴する城です。本作には城こそありませんが、神羅カンパニーが星のエネルギーを吸い上げる拠点であり、その権力を示す金属の巨大建造物としてミッドガルがあります。魔晄炉が尖塔の役割を果たし、中央には超高層ビルがそびえます。神羅社長とその息子ルーファス、取り巻きたちは、いわば王族のような存在です。冒険はミッドガルから始まり、舞台が移ってからも、この都市は星と住人の運命に影響を及ぼし続けます。
6. 控えめな主人公
クラウド・ストライフは、アーサー王を裏返したような主人公だと記事は言います。アーサーは田舎の従者でしたが、岩から魔法の剣を抜いて王の隠された息子だと知ります。一方のクラウドは、田舎出身の少年が女の子に認められたくて神羅の軍に入った人物で、自分が思っていた自分でも、なりたかった英雄でもなかったと知ります。旅の多くは、欠点や後悔、至らなさとどう向き合うかを探る時間です。派手な剣さばきや決めゼリフがあっても、クラウドの「自分は偽物ではないか」という思いは消えず、記事はそこにこそ愛される理由があるとしています。
5. 実用的な魔法
おとぎ話の多くは魔法が存在する世界を前提としています。本作の魔法は、魔晄という実体のある物質として登場します。記事は魔晄を、現実の石油とスター・ウォーズのフォースを足したようなものだと表現しています。魔法という発想自体は子どもっぽくても、もし現実に魔晄のようなものがあれば、どこかの悪党が結果を顧みず、とんでもなく愚かな方法で金儲けに使うだろうと気づけるのは、世慣れた大人だからだと記事は述べています。
4. 影から迫る脅威
悪役は神羅だけではありません。筆頭はクラウドを苦しめるセフィロスです。元ソルジャーで星の破壊者となった彼は、主にクラウドだけに見える幻影を送り込み、仲間たちを操ります。プレイヤーからは何度も遭遇しているように感じられますが、物語の大半で本人は北の大空洞にいます。その姿は、大釜のそばで呪いをかけたり、鏡に向かって呪文を唱えたりする魔女に似ているといいます。クラウドへの執着の理由について記事は、ニブルヘイムでクラウドに刺されたことをまだ根に持っているのかもしれない、と冗談めかして推測しています。
3. 不思議な獣たち
おとぎ話には、大きな悪いオオカミや長靴をはいた猫のように、人間の言葉を話す動物がよく登場します。自然の力と神秘が人間の理解を超えていることを示す役割があります。本作ではレッドXIIIがその立場にあります。オオカミと犬と大型の猫を混ぜたような姿で、言葉を巧みに操る仲間です。記事は、セーラー服が似合い、クイーンズブラッドも強いと付け加えています。
一行がレッドの故郷コスモキャニオンを訪れると、レッドの祖父から魔晄やライフストリーム、星の精神エネルギーについて多くの説明を受けます。この場面は、『スター・ウォーズ/帝国の逆襲』でルークがヨーダの修行を受ける場面に近く、クラウドの旅の重みが想像以上に大きいと知らされると記事は説明しています。
2. 年を重ねて分かる教訓
おとぎ話の多くは、知らない人を家に入れてはいけない、親の言うことを聞く、といった普遍的な教訓を、しばしば子どもに向けて語ります。本作にも少なくとも2つの教訓があり、それらは年齢を重ねてから意味が分かってくると記事は述べています。
1つ目は、権力に逆らうことです。発電所を爆破することは勧められないとしつつ、巨大企業の多くは悪質で強欲であり、疑いの目で見るべきだとしています。逃れられないからといって、好きになる必要はないという考えです。
2つ目は、まだ理想の自分になれていなくても、今の自分で十分だということです。クラウドは仕事面では大きな失敗を重ね、深刻な心の問題を抱え、女性と話すのも苦手です。しかし同時に、あらゆる場面で決めゼリフを放ち、あらゆる性別の人々から慕われる、最高にかっこいい人物でもあります。そのどちらも本当であり得ます。ティファと観覧車でキスをするのに、ソルジャー・クラス1STである必要はないと記事は言います。
1. 眠れる美女
おとぎ話には、救われるのを待つ女性がよく登場します。本作では、エアリスが他の全員を救う側に回ります。初登場時の彼女は、ミッドガルのスラム、5番街の花売りの少女です。クラウドとは逆に、後に大きな運命を背負っていると明かされます。彼女は古代種(セトラ)の最後の生き残りで、ライフストリームや星と交感できる存在です。忘らるる都で仲間のもとを離れたのは、その運命を受け入れたからであり、その役目を果たせる者が他にいなかったことも理由の一つだと記事は指摘します。
オリジナル版の最後に見るエアリスは、ライフストリームに包まれて祈るように手を組み、精神的にはそこにいるものの、生きているとは言えない姿です。白雪姫や眠れる森の美女のように、生と死の狭間にいる状態だと記事は述べています。気高い運命ではあっても、決して幸せな結末ではないという見方です。
リメイクは2作が発売済みで、三部作の完結編が控えています。リメイクをめぐる中心的な問いは「今度はエアリスを救えるのか」ですが、その答えは『Final Fantasy 7 Revelation』が発売される2027年4月8日に明らかになります。
なお、この記事はPolygonの特別企画「Happily Never After: A Week of Adult Fairy Tales」の一環で、10月29日に公開予定とされています。