『Zero Parades: For Dead Spies』のDirector's CutがSwitch 2、PS5、Xbox Series Xで発売、PC専用だったRPGが家庭用機に登場
ZA/UMが手がけるRPG『Zero Parades: For Dead Spies』の「Director's Cut」が、Nintendo Switch 2、PS5、Xbox Series X向けに発売されました。これまでPC専用だった本作が家庭用機でも遊べるようになり、新コンテンツも加わっています。PC版も引き続き対応しています。
PC専用から家庭用機へ
Polygonのジョバンニ・コラン토ニオ氏は、2026年に約150本の新作ゲームを遊んだものの、本作ほど印象に残った作品は少ないと述べています。『Disco Elysium』の見劣りする後継作になるのではと懸念していたものの、遊び続けるほどに心に刺さってきたとのことです。
本作は開発中に混乱があり、発売後にはレイオフも行われました。それでも同氏は、鋭い筆致で描かれたスパイRPGとして遊ぶ価値が十分にあると評価しています。
『Disco Elysium』の作法を踏襲した作り
本作は『Disco Elysium』の作り方をそのまま踏襲しています。テーブルトークRPGのルールを土台にした物語重視のRPGで、ダイスロールやスキルチェックがあります。頭の中でぶつかり合う性格の特徴に声を与えるナレーター、個性的な町の住人たち、絵画的なアートも共通しています。
今年の発売当初は、これらの要素がむしろ重荷になっていました。『Disco Elysium』を支えた主要クリエイターの多くが不在のまま作られた、必死の模倣作ではないかと心配する声もあったためです。同氏も最初は同じ不安を抱いていたといいます。
失敗続きのスパイが主人公
そうした重荷を乗り越えられた理由として、同氏は文章の見事さを挙げています。『Disco Elysium』に並び、場面によってはそれ以上だという評価です。
主人公はハーシェル・ウィルク、通称カスケードです。最後の仕事のためにポルトフィーロの町へ送り込まれたスパイですが、ジャンルの定石のような完璧な諜報員ではなく、失敗ばかりの人物として描かれます。
物語の力の源は、前回の大きな任務が惨事に終わったことにあります。新たな任務を果たすには、その作戦で裏切った複数のスパイから信頼を取り戻さなければなりません。典型的なスパイ物語が、個人的な清算の物語に変わっています。プレイヤーは町を巡って謝罪して回り、傷つけた相手との関係を修復しながら、政治的な影響の大きい危険な任務への協力も取りつけていきます。
悲喜劇として描かれる謝罪
この任務には、ある程度の駆け引きが欠かせません。誠実に謝りたいという思いは、謝る相手をだまさなければならない仕事によって妨げられます。同氏はここに、本作が悲喜劇となる理由があると見ています。ダイスロールに成功するたびに、うそを重ねて償いに近づく痛みが生じます。失敗すれば、ハーシェルがジェームズ・ボンドとは違うことを笑える形で思い知らされます。
感情的に複雑な物語と、リスクの大きいRPGの選択が組み合わさり、すべての決断が心に残るといいます。同氏自身のプレイは、正直に言えば大失敗に終わりました。それでも、あの選択のどこで間違えたのかと今も考え続けているそうです。そして画面の外の自分の人生にも、取り消したい決断があったのではと考えてしまうと振り返っています。
『Zero Parades: Director's Cut』は、Nintendo Switch 2、PS5、Windows PC、Xbox Series Xで発売中です。