『Escape Academy 2: Back 2 School』は、パズルの出来と協力プレイの設計が光るカップル向けの一本
『Escape Academy 2: Back 2 School』は、ソファ協力プレイの作品としてほぼ完成度の高い一本です。Polygonのレビューでは、巧みなパズルと遊びやすさのバランスがデートの夜にも向くと評価されています。一方で、新たに力を入れたストーリーはあまりうまくいっていないとも指摘されています。スコアの記載はありません。
2022年作『Escape Academy』の続編となる本作は、Coin Crew Gamesが手がけています。分割画面でのプレイを前作以上に重視し、2人のコミュニケーション力が試される脱出ルームを数多く収録しています。レビューではPS5、Windows PC、Xbox Series Xのいずれかでプレイしたかは触れられていません。本作は11月5日にこの3機種向けに発売され、発売と同時にGame Passでも配信されます。
続編ながら「本当の始まり」と感じさせる充実度
続編でありながら、本作はCoin Crew Gamesのシリーズが本格的に始まった作品だと感じられるとのことです。前作は現実の脱出ルーム制作経験者が作ったよくできたパズルゲームでしたが、プレイ時間が非常に短く、前菜のような印象でした。DLCで内容は増えたものの、本作は最初から長めのボリュームがあり、さまざまなパズルルームのつながり方にも工夫が見られ、はるかに完成された作品になっています。
基本は前作と同じです。プレイヤーはパズルを学ぶ学校の生徒となり、授業の一環として脱出ルームに挑みます。中心となるパズルは、現実の脱出ルームをゲームに落とし込む経験を積んだことで、いっそう洗練されました。各ルームは、小さなパズルが相互に結び付き、最後に大きな答えへまとまる構成です。なかでも印象的なのは時計塔の場面で、時間との勝負のなか、バラバラの図形、ロープの巻き糸、散らばった月などの手がかりをどう使うかを考えて頂上を目指します。
2人のどちらも取り残されない協力設計
協力プレイとして優れているのは、どちらか一方が手持ち無沙汰になる場面がないことです。部屋には同時に解ける謎が複数あり、手分けして手がかりを探し、その使い道を考えられます。オンラインプレイでも分割画面が使われるため、相手の行動や持っている手がかりが常に見え、意思疎通がしやすくなっています。友人や家族とも楽しめますが、ゲームの腕前の差によるストレスを避けて一緒に遊びたいカップルには、とくに向いているとされています。
学園内を歩き回れる新要素
パズルルーム以外でも同じ設計思想を生かしている点が印象的だと評価されています。大きな変更として、学園のキャンパスを自由に歩き回れるようになりました。キャンパスにはサイドクエストやおとりの収集要素、隠しパズルが用意されています。『スーパーマリオ64』のように、脱出ルームを進めるほど新エリアが開放されていきます。
この要素により、2人は歩き回りながら互いに発見を知らせ合う機会が増えました。筆者は婚約者と、ミッションの合間に自然と別行動をとり、サイドミッションで資金を稼いだり、キャンパス内を移動しやすくするジップラインを開放したりしたそうです。この少しの自由が本作をさらに引き上げ、「協力しながらも自立する」という別種のチームワークを促すとしています。健全な関係には一人の時間も必要だということを、開発元はよく理解していると筆者は述べています。
物語の見せ方は協力プレイと噛み合わず
あまりうまくいっていないのが、物語を重視した点です。本作は学校の歴史や創設者たちの秘密を描いて世界観を広げています。発想自体は悪くなく、最後まで追うに足る謎もあります。しかし、見せ方が協力プレイに合っていません。物語の大半は平板なビジュアルノベル形式で語られ、ダジャレが多い文章は読み飛ばしたくなるとのことです。
もっとも、筆者と婚約者は、そのくささを一緒にからかって楽しむことができたそうです。これもチームづくりの一助になる、と筆者は述べています。
気軽に楽しめる、満足感のある協力ゲーム
筆者は、本作を画期的なマルチプレイゲームではないとしつつ、良い協力ゲームに求めるものをしっかり備えていると評価しています。パズルは長く行き詰まるほど難しくはありませんが、少し会話をしないと解けない程度には巧みで、解けたときの爽快感があります。こうした素直な設計により、気軽に遊べ、プレイを終えた2人がやり遂げた満足感を共有できます。筆者は、またIKEAの家具を組み立てるような苦行に耐えるより、婚約者と歯ごたえのあるパズルを解くほうがずっと楽しいと述べています。
協力プレイで、手軽に心地よい達成感を味わいたいカップルや友人、家族にとって、本作は有力な選択肢といえそうです。物語の部分は期待しすぎないほうがよいかもしれません。